2015年統一地方選の結果が出揃い、投票率は全国各地で最低記録を更新しました。
大変残念な事ですが、これは当然予想されていた結果です。少しも意外ではありません。もし仮に万分の一でも上がっていたならば、驚天動地の素晴らしい結果と言えたでしょう。
このまま何もしなければ、投票率は今後も間違いなく下がり続けます。
単に「今まで下がり続けてるから、まだこれからも~」なンて安易な推測で言っている訳じゃありません。「政治への関心なンてどうせ高まる筈ない」みたいな悲観論に陥っている訳でもありません。
誰もが知っている統計データの意味をよく考えれば、投票率が下がり続けているのは1+1が2になる様な極めて当ったり前の結果でしかないンですよ。
その統計データとは、年齢別の投票率のグラフです。
高齢者が高く、若年層が低い事はご存知ですよね?
このデータを単にそのまま「年齢別」のグラフと受け取るのは間違いです。その折れ線が示しているのは、本当は「世代別」の投票率の違いです。
ここまで言えばピンと来る人もいるでしょう?
今の高齢の世代は若い時からずっと投票率が高かったし、これから歳を重ねていっても変わらないでしょう。それに対して、政治に無関心と言われる若年世代が歳をとるにつれて自然に投票に行く様になるとは思えない。投票率は低いママ、年齢だけを毎年ひとつずつ重ねていくでしょう。
従って、年齢別の投票率のグラフは4年経てば4年分、8年経てば8年分、そのまンまの形で右(高年齢側)にシフトする事になります。
若い世代は4年、8年、12年経っても人数はそれ程変わらないでしょう。でも、現在高齢の世代の人数は時と共に確実に減っていきます。加えて若い新たな、投票率が低い世代が毎年必ず有権者に加わります。
従って、これからも間違いなく確実に投票率は下がり続けます。
何か大きな要因でもない限り、こんな時代に投票率が上がる事など有り得ない。そんな要素など何ひとつ見当たらない今回の選挙で投票率がもし上がったとしたら、それこそ奇跡としか言い様がないでしょう。
個人演説会、討論会、その他政治関係の集会などに参加した事のある方はご存知でしょう。
そういったイベントに集まる人は大部分が高齢者です。若年層は男女を問わず、どの会場でも極めて少数派です。
候補者や主催者は、年齢に関わらず人数さえ集まれば良しとするでしょう。高齢者も若年層もひとり一票には違いないですから、その時その選挙だけに限ればそれでOKです。
でも、、、
そうやって集め、関心を惹きつけた人達は10年、20年先は?そしてそれ以降はどうなっていくでしょうか。
そこを考えるなら、高年齢層ばかり集めて喜んでる場合ぢゃないのは明らかです。
投票率を向上させる為には若年層を取り込まなくては大きな効果は望めない。そンな事は今さら改めて言うまでもありません。
でもそれは、今現在の若い有権者をターゲットにしたって「時すでに遅し」です。むしろ「将来の有権者」にこそ眼を向ける必要があるンじゃないでしょうか。
投票率の高い「世代」を一から育て上げなければ、いくら投票を呼びかけても焼け石に水です。今の状況は永遠に変わる事はありません。少くとも中学・高校生、あるいは小学生に働きかけなければなりません。
明るい選挙推進委員会などが十年一日の如く続けている標語・書き初め・ポスターなどのコンクールに1ミリの効果もない事はとっくの昔に実証されています。
もっと若年層のモチベーションを刺激する新たな取り組みが必要である事は論を待たないでしょう。