公演が終わると、公演後の精算・整理とかがあってピタリとその公演のことが思考停止したみたいになるので、後記というか後説というかみたいなのを書こうと思います。
そもそもこの奇譚集は、オムニバスのような小公演的なイメージで発想してましたが、それだと結局ただ消化してしまうような気がして、小さな公演だけれどももっと意味を持たせた継続的な企画にしないと意味がないと、打ち合わせで話したのでそれならばと、百物語のような、実現するかしないか分からないけれども、ある種の目標を設定してみようというところから端を発しています。
この企画がいつ終わるか分かりませんが、100本の短編を書き終わったら……、その台本を並べてみたら……と価値のない宝くじのようですが、いつも販売している台本(だいたい4・5本集録しています)が書き終える頃には、20冊になっているワケです。
おぉ、その光景は見てみたい、と個人的には思っているワケです。
今回は、その1話目の「蜂」について。
(昨年の「標本」の1話目)
この企画を立てる前から、何となくメンバーだけの一人芝居集を朧気に考えていて、まだ戯曲化してませんでしたが、一人芝居の戯曲のイメージがありました。
――と、思っていた頃、蜂に遭遇しました。
朝からシャツの襟元がパリパリ音がするなぁと思って、ずっと放っておいたんですが、
何かの拍子で襟元から蜂が飛び出してきて(ずっと僕の襟元に蜂が潜んでいた)、
天井にずっと止まってる。
窓から追い出そうにも、僕は生まれてこの方、まだ蜂に刺されていないので異様に怖かったのを覚えています。
かれこれ20分くらい経過したでしょうか、特に脚本に書かれているような格闘的なことはしてませんが、
天井を見つめながら、どうやって追い出すか、もしくはやっつけるかを考えてました。
意外と没頭してました。
と、割と長い定規が目について、それを手にしました。
手に持ったままパチンでは逃げられるので、考えました。
結果、端っこを持って、もう片方の端っこは折れない程度に曲げて、
要は、その跳ねっ返りで蜂も予想だにしない速さでしとめようと試みたワケです。
うまくいきました。
申し訳ないけれども蜂は見事に、定規にくっついてました。
記憶違いかも知れないけど、蜂の体液から仲間を呼び寄せる成分があったかと思って、入念に天井と定規は綺麗に拭きました。
という、どうでもいい実体験から「蜂」を描きました。
万一、あれが外れるようなことがあったら……的なことです。
その蜂と比べたら、こんだけでかい体なのに、なぜそんなに怯えたのか、恥ずかしい話でした。
逆に、体のでかさを意に介さず敵意をむき出してかかってくる「蜂」に脱帽する思いでした。
次回は奇譚集第2話「蝿」です。