形式主語・形式目的語のitが名詞節を受ける場合もある。代名詞 it を含む構文で最初にやった漠然としたitとははっきり異なっているということを意識して読んでほしい。漠然としたitは何も受けていない。ただ主語を整えるために使われているだけだが、今やっている形式主語・形式目的語のitはしっかりと指し示すものがあって、後ろにくるto不定詞句や動名詞句、名詞節を受けているということだ。itに区別があるわけではないのである程度やはり漠然としたitとはどういうものがあるのか、形式主語・形式目的語のitにはどういうものがあるのか、例文などを通してその考え方をしっかりとなじませておかないとならない。もちろん一回読んですぐ身に着くほどみんな天才ではないので、最初はざっと読んでそんなものかと思ってみる、次に読むときはもっと詳しく頭に入るようになる。そうやって粘り強く何回か読んで知識を身に浸透させていってもらいたい。わからんと焦る必要はないが、とにかく粘ることが大事だ。

 

さて、まずItがthat節を受けている場合。that節には当然とか驚きを表すshouldが使われることが多い。

 

It is no wonder that a man of his ability should succeed in life.

It is strange that you should not know such a thing.

 

これらは漠然のitではなく後ろのthat節を受けている形式主語のitの例文だ。

It = no wonder   Itとはすなわち、that以下の文のことなので

彼のような才能のある人が出世するのは当たり前だ。

同様に

あなたがそのようなことも知らないなんて不思議だ。

 

形式目的語のitをthat節で受けることもある。

 

I took it for granted that you were fully acquainted with the facts.

The newspapers have it that the firm is almost bankrupt.

 

SVOCのOにitが来ていてその内容がthat節で後ろにきている。

it=for granted(認められたもの)、それを認められたものと思う、それとはすなわちthat以下のこと。that節の中にwereが出ているが実際はそうでないことを仮定する言い方。知っていて当然だろう、ところが実際は知らないなんて、ありえん。みたいな気持ち。

私はあなたがその事実を熟知しているのは当然だと思った。

 

次のhave it thatは面食らう文だ。have it はsayとほぼ同じで、表現するとかいうという意味になる。何を言っているのかというとthat節以下の文ということになる。

新聞はその会社がほぼ破産寸前だと言っている。

→新聞によると、その会社はほぼ倒産しそうだ。

 

You may depend upon it that she will consent.

 

depend on(upon)~ ~に頼る。~をあてにする。consent 同意する。

あなたはそれを当てにしてもいいかもしれない。それってthat以下のこと。

→彼女が同意してくれることをあてにしてもよい。

→彼女は大丈夫同意してくれるだろう。

 

I will see to it that everything is ready for your departure.

 

see to it that は熟語集に多分出ている。慣用的な表現でthat以下のことを取り計らう、という意味。これも知ってないと面食らう、何だこれとなるよね。see to で計らうという意味。英語あるあるでとりあえず軽くitと言っておいてその内容とはthat以下のことですよ、というわけだが、see to thatじゃいかんのかいと思って辞書を調べてみると、口語ではto itを省略することが多いそうだ。see that でthat以下のことを取り計らう、という意味になる。またこの時のthat節には未来を表すwillやshallは使わないということだ。see to でセットで他動詞なので後ろには名詞が来る。to不定詞のtoではないので注意が必要だ。

 

See that you don't stumble over a stone.

石につまずかないようにしなさいよ。

I'll see to closing the window.

私が窓を締めましょう。

I'll see to the coffee.

私がコーヒを入れてあげましょう。

Will you see to the children while I am away?

私が留守中に子どもたちの面倒を見てくれませんか。

 

that節はこのくらいにして次はwheter節。かどうかという名詞節を受ける形式のit。

 

It is doubtful whether he will come or not.

He said that it didn't matter whether we stayed or went.

 

itがwhether節を受けているということを理解して訳す。

彼が来るか来ないかは疑わしい。

私達がとどまるか出かけるかは問題ではないと彼は言った。

 

またwhatや他の疑問詞節を受ける場合もある。

 

It's no business of yours what tie I wear.

It's quite true what you say.

It dis not matter which of these happened.

It matters little who does it so long as it is done.

 

so long as でありさえすれば、する限りは

Itがそれぞれ疑問詞節を受けていることをはっきり意識して訳すと

私がどんなネクタイをしようとあなたには関係ないことだ。

あなたが言ったことは全く本当だ。

これらのうちのどれが起きても問題ではなかった。

誰がそれをしようとそれがなされる限りはたいした問題ではない。

 

It is not known when Shakespeare first appeared in London.

It's quite unbelievable how little they know.

It does not matter how you do this.

 

シェークスピアがいつロンドンにはじめて現れたのかは知られていない。

彼等がいかに知識に乏しいかは全く信じられないほどだ。

あなたがこれをどうやるかは問題ではない。→やり方はどうでもいい。

 

形式主語、形式目的語のitはこれでおしまいだ。次回、強調構文で使われるItで代名詞 it を含む構文の最後となる。

くれぐれもitは決して簡単ではない、曲者なのだ。英文の中に出てくると、なんだこりゃーと迷うさいたるものの一つだ。だから丁寧に繰り返し読んで考え方と知識をしっかりと自分のものにしておいてほしい。英語の基本とはこういうものなのだ。