代名詞はなにかの名詞をうける名詞なので本来はその名詞が出てきたあとに使われるものであるが、いきなり文の主語にitが現れる文がある。どういうものがあるのか一応知識は持っておかないとならない。

まずすぐ思い浮かぶのは天気のitだろう。そのitは何も受けていない。主語としての体裁を整えるためだけに使われる。だから、それは、と訳してはならない。天気の他に寒暖、明暗、時間、距離、その他に事情や状態などを漠然とさす。二番目は形式主語や形式目的語としてあとに置かれるものを受けるものがある。三番目はIt is ~thatなどの形式で文の一部を強調する構文でitが使われる。

では第一番目の例文をみていこう。

 

We had fine weather, but before lomg it clouded over.

It is warm enough now for you to play out of doors.

It was ten or fifteen minutes past eight when she came.

 

はじめの文は天気、次は寒暖、最後は時間を表す。

私たちは好天に恵まれたが、まもなく曇ってきた。overは孤を描く感じ。

あなたが外で遊ぶには十分温かい。→十分暖かいので戸外で遊べる。

彼女が来た時8時10分か15分すぎだった。

 

How long does it take to drive from here to the villa?

How far is it from here to your office?

 

時間や距離を漠然と指すitとしてよく出てくる構文に

It takes  時間 to ~   ~するのに 何時間 かかる。

It is  距離 from A to B     AからBまでは 何距離である。

それぞれを疑問文にすると

How long does it take to ~ ?

How far is it from A to B?

みたいになる。時間はHow longだし距離はHow farで問う。

 

ここから別荘までどのくらい時間がかかりますか。

ここからあなたの事務所まではどのくらい距離がかかりますか。

 

It will take you five minutes to reach there.

そこに着くにはあなたに5分の時間をとるでしょう。youとfive minutesは目的語になっている。第4文型。

It will take five minutes for you to reach there.

5分かかるでしょう。あなたがそこに着くのに。目的語five minutes

for以下は副詞句なのでこれは第3文型。意味はどちらも同じ意味になる。

もちろんニュアンスは異なっている。下の文は時間を真っ先にいいたい

のに対して上の文はあなたに5分の時間がかかりますよということを言いたい。

 

あなたがそこに着くのに5分かかるでしょう。

 

次は期間や時間を表すsinceゃbeforeが出てくる構文がある。

It is 期間 since ~    ~してから期間になる。

It is  時間 before ~   ~するのに何時間かかる。何時間立ってから~する。

 

It is five years since he came over to Japan.

It was not long before the English family went back to their home in England.

 

彼が日本にやってきてから5年になる。

英国人の家族が英国の家に戻るまでに長くかからなかった。→ほどなくして英国人の家族は英国の家に帰った。

 

次は状況等を漠然と表すitで、もちろんそれはと訳してはならない。

It seems that his father is very angry.

It seemed as if the place wan not occupied by anyone.

 

as ifはまるで、とかあたかもという意味。~のようだ、という意味だが誰がそう思っているのかははっきり言っていない。漠然と事情・状況をさすitだ。

彼の父はとても怒っているようだ。

まるでその場所は誰にも占領されていないかのようだった。

 

It was as though he were in search of something.

as thoughはas ifと同じ。he wereとwereが来ているがこれは仮定法過去を表している。実際はそうではないんだけど、あたかも~するかのように、という意味。

彼はまるで何かを探しているかのようだった。

 

この漠然と事情・状況を表すitを取る言い方に慣れておくことが必要だ。

It seems that   ~のようだ

It appears that  ~のように見える

It seems as if   まるで~のようだ

It must be that  にちがいない

It may be that  かもしれない

It cannot be that  のはずがない

It is not that A but that B  AではなくてBだ

 

勘違いしてはならないのはこれらは形式主語のitではないということだ。形式主語はとりあえずそこにおいておいて、後ろにその内容を表すものが来るわけだが、それとは違い後ろにItが指すものが来ているわけではない。漠然とした主語で何も受けていないということに注意しよう。

もう一つ漠然としたItの主語で慣用的な言い方がある。

 

It happens that   たまたま~する

It follows that  したがって~になる

It does not necessarily follow that  だからといって必ずしも~となるわけではない。これもitは後ろのthatを受けているわけではない。ただ漠然とItと主語になっているだけだ。

 

It happened that I saw him yesterday.  たまたま昨日彼にあった。

=I happened to see him yesterday.

 

Because he can do this, it does not follow that he very often wants to do it.

becauseの訳し方に注意、~なので、ではない。そうなるわけではない、と言っているわけだから、どう訳せばいいですか。もちろん日本人ならわかりますね。

 

彼はこれができるからと言っても、それをとてもしばしばしたいということにはならない。