主語になるものは名詞である。名詞の働きをするものすべてが主語になることができる。じぁあ、どんなものがあるのか、みていこう。
まず普通の名詞、代名詞、the+形容詞、to V ~(to不定詞)、Ving (動名詞)、名詞節、名詞句とざっとこのぐらいある。
S=名詞(Noun)
Endurance enable him to win the race. endurance 忍耐 endure 耐える enable O to V ~ OがVすることを可能にする。
彼とレースに勝つの関係はsv関係がある。勝つ、の動作の主体は彼だからだ。
ということは文型はSVOCである。 Cにto不定詞句が来ている。
直訳すれば 忍耐が彼がレースに勝つことを可能にした。ということになる。
しかし、これは日本語としておかしい言い方である。普通この内容を日本語ではどういうかを考えてみてほしい。日本人ならわかるはずだ。要するに彼は勝つことが出来たんだ、ということを言っている。なんでか、というと忍耐のお陰で、ということだ。これを普通にいえば、忍耐したおかげで彼はレースに勝てた。ぐらいの言い方になるだろう。このことをもう少し詳しく英語と日本語の特性として考えてみよう。英語の文では主語が人ではなく忍耐という抽象的な名詞になっている。それを日本語に訳したらどうなったか。忍耐のお陰で、という風にいわば原因や理由を表す副詞のように訳している。これは英語ではものや抽象概念が主語になることがあって、よく物主構文とか言ったりするが、要するにそういう場合はその主語を副詞句のように訳せば自然な日本語になることが多いのだ。これは覚えておいた方がいい。前に一度だしたstopの文例があったけどそれも同じだ。主語を副詞的に訳して人を中心にして訳すと割りと日本語らしい訳ができるということだ。
もう一つどう訳すか考えてみよう。
A visit to an art gallery will enable you to see a lot of wonderful pictures.
そのまま直訳すれば、
美術館への訪問があなたをたくさんの素晴らしい絵を見ることを可能にするだろう。
さて、これを普通の日本語に訳すには、なんて言ったらいいのか。
主語の部分を副詞的に訳す、原因とか理由とか、色々あるけど、何を言っているのかをかんがえると、要するに美術館に行ったらいい絵をたくさん見れるよ、ということを言っているわけだから、
美術館に行けば、素晴らしい絵画がたくさん見れるだろう。
ぐらいの訳になる。ここで注意してよく観察してもらいたいのだが、visit訪問という名詞を、訪問すれば、と動詞のように動作を表すように訳していることだ。これも長い名詞句を訳す時の訳し方として覚えておいてもらいたい。名詞というのは動作が圧縮されて名詞になっている。それを日本語で理解したり訳すには、一度名詞になっている動作を動詞のように動作がわかるように頭の中でイメージしてみるということなのだ。
ちょっとくどいかもしれないけど、とても大切なところだ。もっとこういう考え方に慣れておこう。
The sight of her happiness gives me pleasure.
彼女の幸せの光景が 私に 喜びを 与える。
彼女の幸せの光景が、をどう訳すか、だ。 光景と名詞に凝縮されているところを動作としてほぐしてみる。光景の動作とは、見ること、である。彼女の幸せ、と見ることの関係はどうなっているのか、というと、目的語の関係になっている。つまり、彼女の幸せを見ること、という関係になっている。それらをまとめるとどう訳したらいい?
彼女の幸せそうな様子を見ると私はうれしくなる。
ぐらいの日本語が妥当だろう。
The news of his failure drove him mad. drive 駆り立てる failure 失敗
彼の失敗の知らせが 彼を 気が狂う状態に 駆り立てた。
知らせ、は聞くという動作が隠れている。知らせって聞くものだからだ。
すると、知らせを聞いて、という感じになる。失敗という名詞も失敗する、という動作が名詞に圧縮されたもの。それらをほぐして訳すと
失敗したという知らせを聞いて、彼は発狂した。
The sight of those pictures only made him miserable.
それらの絵の光景は 彼を みじめに させただけだった。
これも同じように、光景だから見ることと動作をイメージして副詞的に訳す、onlyがついていることから、その意味を加味するように訳せば、
それらの絵を見ても、彼は惨めになるだけだった。
長い名詞句の中には動作や動作の主体、動作の目的語が圧縮されているようなものがある。それを理解するには名詞として圧縮されているものを一度動作にほぐしてイメージしてみるということが必要になる。とりあえず今日はここまで。もう一度名詞句のほぐし方については後で取り上げてみよう。