僕は英語がわからないなりにも一生懸命、単語覚えたり熟語を覚えたり構文を覚えたりした。覚えるものが多すぎてパンクしそうだった。そんなに一生懸命やったのに、英語がわかった気がしなかった。今では勉強の仕方が良くなかったと反省している。つまり、英語という山を登るのに、下から徐々に登っていったのだが、あまりにも広大すぎでどのへんを登っているのかわからなくなっていたのだ。これはやり方が悪かった。そうではなく、一挙に英語の山の頂点に空から降りて下を見下ろす地点に立つべきなのだ。そういう観点から昔書いた文章を再録してみる。とにかく一刻も早く英語の全体像を把握することが大事なのだ。そうすることによって何が足りないか、何を訓練したらいいのか、そういうことが見えてくるはずだ。英語の第一関門だと思う。ちょっと苦しいかもしれないが読み物として気楽に読んでほしい。
英語の頂上作戦とは一挙に英語の本陣を攻撃しようという作戦だ。いわば英語における桶狭間の戦いといってもいい。前にも言ったけど日本人はきまじめすぎるのだ。完全に理解できなければ前に進めないと思い込みがちなのだ。その結果全然前に進めない事になる。だから大いなる楽天が必要なのだ。何も完全でなくてもいいのだ。できるだけだれにでもわかるように書いてみるけど、わからないところがあっても気にする必要はない。おぼろげながらでも全体像をつかむことがここでのテーマだから気楽に読んでもらいたい。
とりあえず志村けんが広めた、幼稚園児でも知っているという、This is a pen.を眺めてみようか。最初は大文字で始まっていて単語と単語はスペースでわけられており最後はピリオドで終わっている。これを「文」という。
英語の文とはおおざっぱにいうと二つのタイプに分けられる。
「Aは、イコール、Bだ。」という文と「Aは、~する。」という文だ。
このイコールになるものをBe動詞とよぶ。~する、は一般動詞といい動作を表すもの(走るとか歩く)と状態を表すもの(知っている)がある。いちいち動詞と書くのはめんどくさいので以後Vと書く。Aは、になるものを主語といい主語はSという記号で表す。そして最初のイコールの文でイコールBのBのことを補語といいCという記号で表す。
英語の文とは卵の細胞が2つに分裂して行くように最初に現れるのは
Sは=C と SはVする という2つなのだ。
ここで補語という言葉を説明しておくが、漢字を見ればわかるように補語とは補う語で主語とイコールの関係になっているという意味だ。日本語の文法には補語という概念がないのでなかなかぴんと来ないかもしれないが、とりあえず
イコールの関係になってるものが補語Cだと覚えておけばいい。この補語という概念は英語を理解する上で大変重要である。英語がわからなくなる根本的な原因はこの補語という概念が実感でわかってないからだ。だから必ずイコールというイメージを頭の中にうかべる事が大事だ。This is a pen.という文を見たときに=というイメージが浮かんでなければだめなのだ。This(これ)=a pen(一つのペン)という意味なのだ。これを普通の日本語に直してはじめて「これはペンです。」となるわけだ。isはですという意味ではないのだ。
文はさらに進化してゆくのだがS=Cの方はこれでストップしてしまう。SはVする、の方はさらに進化し続ける。これはV動詞の意味上の性質からくる。英語と日本語は一対一で対応しているわけではないので日本語から類推して考えてはいけない。あくまであちらの方の言語の特性でありあちらのきまり、習慣として考えることが必要だ。日本語と混同してはいけない。だから今話すのも英語の中での話である。たとえばrun走るとかwalk歩くという動詞はそれだけで完結していて目的語、記号はO(~を)がいらない。しかしlike(好きだ)などの動詞は目的語がないとさっばりしないというか完結しない動詞なのだ。さらにgive(あげる)になると目的語にたとえば本をとったとして、本をあげる、でも完結できなくて当然本をあげたのなら誰にあげたのかということをいってくれないとさっぱりしないのだ。それで目的語2つとることになる。目的語の順番は(人)+(もの)となる。あたかも動詞という惑星が2つの衛星を従えているようなものだ。この場合どっちの衛星が大きいのかというと、(もの)のほうだ。だからこちらを直接目的語とよんでいる。もう一つのほうは間接目的語とよんでいる。別に覚える必要はない。読み流すだけでいい。そんなものなのかとちょこっと頭の隅においておけばいい。
このように進化を続けついに文の中に文を取り込んでしまう最終進化形態に到達する。これは中三ぐらいに習うはずだ。 最初英文は2つのタイプに分裂したけどその二つのタイプを文の中に内蔵する文へと進化するのである。
SはVする、s=cだと
SはVする、sがvするのを
という文が出来上がるのだ。
たとえばelect(投票で選ぶ)
They elected him chairperson.
彼らは/選んだ/彼を/議長に
となるがこのとき/彼を/議長に、のところで彼=議長というs=cの関係が成り立っている。
だが彼を、というのは、選んだ、の目的語になっているのでOである。
だからS+V+O+CというタイプになるがこのときO+Cのところで=の関係が成り立っている、s=cという文が内蔵されているということなのだ。
もう一つはsはvするを内蔵する動詞でたとえば
I saw him sing a song.
私は/見た/彼が/歌う/歌を
私は彼が歌うのを見た。という意味だがhimはsaw(seeの過去)の目的語Oではあるがsingの意味上の主語になっている。この場合も一応S+V+O+Cとしている。singは動詞の原形(-sがつかない)がくる。
だからO+Cは意味的に文の関係s=cまたはsv~になっているということを知っておく必要がある。
その場合も頭の中で=を思い浮かべたりsvを思い浮かべる事が大事だ。そういう習慣をつけておく。
おおざっぱに駆け足で見てきたが英文というのはどんなに複雑に見える文でもたった5つの文型しかない。
さて、できる高校生はこんなの中学生の英語じゃないかと馬鹿にするかもしれないが
I take it for granted that he would come.の文の構造がはっきり見えていたら馬鹿にする資格がある。
しかし見えていなかったらまだ英語の根本がわかっていない。英語を根本から理解しなければいくら勉強してものびない壁にぶつかる。それとさっきの文、I saw him sing a song.にしてもどういう意味なのか本当にわかっているだろうか。つまり私が見たちょうどその時に彼は歌っていたのかどうかと言うことだ。日本語に訳すとそういうことが曖昧になってとんでしまうのだが、頭の中でしっかり正確なイメージが浮かんでいなければならない。英語はきわめて論理的に厳格な言語なのだ。見たちょうどそのときにまさに彼が歌っているという動作が継続中だったなら分詞をつかいI saw him singing a songとしなければならない。そういうこともわかっていたとしたらそうとう実力がある。僕の話も聞く必要はなさそうだ。
さて、ざっと上から鳥瞰したわけだが、細かい知識はもっとあるけどとりあえず全体像を頭に入れておくことがたいせつなのだ。細かな知識はその後でゆっくり覚えていけばいい。なにしろ6年間もあるんだから、仮に僕の話が全く見えなかったとしても気にしなくていい。とりあえずこんなものなのかなとおもっておけばいい。次回は蟻の視点から見ていこう。単語-品詞-句-節-SVOCの関係がどうなっているのかということだ。この関係がクリヤーになって初めて英語のもやもやが晴れることになるだろう。.
P.S.
英語の動詞はある程度こういうタイプの文型をとるというふうにいえるけれどもけっして1つに決まっているわけではない。前後にくる単語や文脈から柔軟に考える必要がある。たとえばmakeなどはすべての文型をとることができる。
このようにmakeとかtakeとかasとかhaveとか、すべて中学校で習う単語だが、こういう単語が実は一番くせものでやっかいきわまりない。大学受験でも高い頻度でしばしば出題されている。中学校の単語だからといって粗末にしてはいけない。これらの単語は辞書を丹念に読んでノートにまとめて置くことも必要だろう。
They make me happy.
They make me a cake.
これも考え方は同じで=やsvが思い浮かべられるならばO+Cになる。最初の文はme=happyという関係が成り立つので「彼らは私を幸せにする。」という意味になる。下の方はme≠cakeだしsvの関係も成り立たないのでO+Oとなり彼らは私にケーキをつくってくれる。となる。こうしてみると=やsv関係の判定はもうセンサーのように自分の中にもっておかなければいけないと言うことがわかる。