モンゴルだるま@モンゴルよろずコーディネーター兼業遊牧民です。

森の仮小屋に馬の様子を見に行ったら、お気に入りの乗用馬3頭が並んで遊びに寄ってきました。

この日、40年あまりの馬とのふれあいの中で、「奇跡!」のような幸福感を体験したのです。
馬と仲良くなるってこういうことか!仲間として迎え入れられるってこういうことか!っていうこと。そんな体験をシェアします。

 

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森の仮小屋に馬の様子を見に行った時のこと。
放牧地でばらっばらに点在していた馬たちが、私たちが車でベースキャンプへと向かうのを見ていたら、すーっとまとまって、いつのまにやら、ベースキャンプ近くのホジル(ミネラル塩)のところに集合してました。



そのあと、森の仮小屋の部屋に人間たちは集合で、情報交換とか会議とか近況報告とかしていたのですが、そのうち、私の仲良しなちびくりちゃんが、去年の夏の初心者向けレギュラーのラバ君&ランズ君を引き連れて、小屋の近くまで寄ってきてた。(上記写真は左右反転加工しました。馬を反転させた「左馬」は招福・商売のシンボルなんだそうです)

実際はこんな感じ。馬のあくびは、モンゴルでは、縁起が良いのだそうです。ちびくりちゃんは、私を見かけると、ご挨拶のように、このあくびふわーんをしてくれます。
フレーメンっといって匂いを嗅ぐ行為だそうです。
リラックスしている時とか嬉しい時にも馬はよくこのほわーんとしたあくび顔をします。

 


ちびくりちゃんの奥には、ツンデレ葦毛のエル君も。

 

モンゴルで馬を飼う暮らしをするようになって、感じることがあります。
馬が馬らしく生きられる環境を守り続けたいって。

触られたくはないけれど、興味はある。
むしろ、かまって欲しい。
けど、触られるのは嫌・・・

複雑な馬心。
人は好き。だけど、仕事じゃないときは自由でいたい。
でも好きだから、好きな人をみかけたら、とりあえず近寄ってみる。


馬には手がないから、人に手で撫でられる、という行為にビビる。


その奇跡の時は、なんとなく手をだらーんって下げて、ただぼーってリラックスして突っ立っていたのです。
吹雪の後の、清々しい森の空気やほのあたたかいお日様を感じていたくて、目をつむって、独りでたたずんでいたのです。

すると、馬の方から、そーっと近づいてきた鼻息の音が聞こえました。
近づいてきた馬に静かに寄り添って、肩の当たりにもたれかかると、馬もすーっと頭を寄せてきます。

馬は頭が重いから、仲間と支え合って、リラックスして休むんです。慣れてくると、人間に対しても、似たような感じで甘えるんですね。触らなくてもいいのか・・・

馬の体臭はお日様の匂いがします。
冬のモンゴル馬は毛がもこもこ。
モフモフ好きにはたまりません。

 

実は、馬とのかかわりを持つようになったのは40年くらい前から。
結構、つかず離れずで馬との時間を持ち続けてきましたが、ちびくりちゃんの方から愛情というか仲間意識を持って寄り添ってもらえたのって初めてでした。

ずっとずっとあこがれていたのです。
餌を求めて寄ってくるのではなく、
ただ、そこにいるっていうだけで、
仲間として馬に寄り添ってもらうっていうシチュエーション。

憧れていたのは、馬になついてもらうことでもなく、
ペタペタ自由に触れるようになることでもなく、
そこにいるだけで、仲間として受け入れられている、という状態だったのでした。

 

馬は繊細で賢くて、そしてとても優しい。
臆病で気まぐれで奔放。
奔放代表チャタロウ


モンゴルの馬は何千年も何万年も前から、人と共に暮らしてきた。
家畜としては、かなりメインで重要な存在なのに、基本、ほったらかしにされている。
ないがしろにされているのではなく、

馬が自由が好きだと、モンゴルの遊牧民がわかっているから。

馬は馬同士で過酷な状況をサバイバルできると信じているから。

そして、馬はきっと大好きな人間が馬を必要な時には、きっと戻ってきてくれる、って思っているから

いざ!という時以外は、自由に好きなところで暮らせるように見守っているのです。

無我の境地でいたら、馬のほうから近づいてきてくれた。

事実はこれだけ。
でも、このひと時の馬との時間で得られた感動。
これが、私の至福の時なんだー。

自我の解放。完璧な自由な心。純粋さ。
 

抱きしめることだけが愛情表現じゃない。
ただ、そこでたたずむ。眺める。
そんな微妙な距離感の愛もあっていい。

お正月前に遭遇した、奇跡のような幸せのひとときでした。
草原は今日も元気です。

 


夏は、「馬とつながり、自分らしさで生きるワークショップ」付きの乗馬トレッキングを企画しています。

馬と仲良くなって、人馬一体で草原を駈け廻る快感に興味のある方、ご相談ください。

 

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