モンゴルだるま@モンゴルよろずコーディネーター兼業遊牧民です。
本記事は安倍首相訪日2回目のお話と、モンゴル交通事情・国内フライト事情の裏話です。

安倍首相の怒涛のモンゴル訪問、世界中からモンゴルプロパーの外交官が集結し、
モンゴル外務省の日本担当、日本語ができる職員さん達みなさん総出で、
約5時間余りの滞在・首脳会談のために全精力を傾けてましたねー。

モンゴル側の通訳担当官が元弊社の学生スタッフさんで、
ほんと、うちに就職しようかな、とか言ってたのを強く説得して
外務省に入省することにしてほんとよかったです。

日本とモンゴルの友好関係・国の発展のための政治的交渉など
有能なモンゴル人の若者が大活躍してるのを見るとすごく嬉しい。

さてさて。

モンゴルプロパーな外交官というと、
当然のことといえばそうなのですが、私の大学の先輩・後輩大活躍。

今は東欧に赴任中の後輩のフェイスブックのつぶやきで
「久々にきたモンゴル。いろんな高い建物が立ち並び、随分変わったけど、
変わらないのは交通渋滞」みたいなものがあり、
そうかー、と。

日本からのビジネス関係や政府関係での出張の場合
ウランバートル市内に点在する政府庁舎間を転々と移動することもよくあるのですが、
とにかく時間が読めません。

一応、面談スケジュールなどはリクエストに従って、こちらでアポ取りをするのですが、
会社によっては、1日5件以上のアポを成立させること、という不思議な暗黙のルールがあったりするので、結構、渋滞が原因での遅刻・すっぽかしにならないよう(相手が不在ということもないよう)にするのは至難の業なので、自然と裏道を把握したり、渋滞回避対策を身に着けていきます。

とはいえ、陸路ですからね。そのうちつけるっちゃーつけるし、
いざとなれば、歩いて移動、でも気温が氷点下になる前だったら、「普通に歩いて移動」できてしまいます。

ウランバートル市って100万人都市になったのですが、主要施設の所在範囲は狭いですから。

それに対して、日本の国土の4倍あるモンゴル国内旅行となると、
このアレンジもまた大変です。

日本からのお客様のスケジュールって7泊8日が「長い方」ですからね。
人気の地方スポットで世界遺産などもあり、エキゾチックな生活文化や壮大な自然が楽しめる西部地域=バヤンウルギー・ホブド・オブスあたりですと、いずれも1500㎞以上離れています。

西部地方は時差があり、ウランバートルから1時間遅れる西部時間というのを使っています。

逆に東部地方=ハルハ河戦争/ノモンハン事件の戦場跡地やバードウォッチが楽しめる湿地帯がある国立公園・中国と国境を接するボイル湖などなど隠れた観光名所があるドルノドでは、1時間早い東部時間を使っています。

東西に4000㎞弱の幅があるので、東部・中部・西部でタイムゾーンが違います。

21世紀からバガバンディ大統領時代から始まった「ミレニアムロードプロジェクト」のおかげで、県庁所在地間を結ぶ幹線道路がかなり整備されてきていますが、それでも、まだ数百㎞はオフロードで脳みそがずれそうなくらい揺られるハードな道。

日本の観光客のみならず、欧米諸国の方々も、遠方への移動には
国内線=飛行機を使うツアーが多いです。

ですが・・・私、毎回、力強く説得してしまうのですが、、、

陸路、使いましょうよ。

なぜかといえば、モンゴルの航空会社の予約システムってなんだかすごくへんてこりんで
予約を入れてから48時間以内(つまりは2日以内)にチケット代の全額清算をしないと
予約が流れてしまうのです。

また、予約の時にツアーオペレーターといえど、「席だけブロック」というのができず、
パスポートコピーを添えて、具体的に氏名とフライトスケジュールを明確に予約確定しなければいけない。

一応、ツアーオペレーターには業者契約というので、一般の窓口買いやネットでの購入とは別の条件があって、やや緩く、名義チェンジとか日程変更くらいはできるのですが、いずれにせよ、清算システムがすごくリスクが高い(うちのような零細企業だと)

かつ、機体が小さいプロペラ機なので、すぐ満席になります。
また、1人当たりの荷物重量制限が「持ち込み荷物+預け荷物」合わせて10㎏までとか15㎏までというところがほとんど。

重量オーバーしたら、オーバーエクセス払えばいいんでしょ、というと、そうではなく、
荷物は制限されたら、制限内でなんとか抑えなければ、「荷物自体を積み込まない」という
航空会社側からの「預かり拒否」をされるということも珍しくないのです。

自分たちはしばしばオーバーブッキングという大失態をおかすくせに、
乗客には厳しいのです。こういうところで、チェックイン時にバトル交渉せねばならないストレスって旅に出る前から、もうガイドのテンションだだ下がり。

おまけに今年のシーズン中は、まさかの「勝手ながらフライトキャンセルいたします」という航空会社からの一方的な通告で、グループのパックツアーがとん挫するという事態が何度もおきました。

この傍若無人な航空会社は「アエロモンゴリア」。
フライトキャンセルの要因などについての明確な説明はなく、突然、キャンセルされたときのツアーオペレーターたちの動揺・混乱・怒りはいかばかりだったでしょう?

他人事のように言ってるのは、実は、去年、EZニス業務停止のとばっちりで、エアチケット争奪戦とかチケット払い戻し代金が一部戻ってこなかったなどでひどい目にあったから、今年は、飛行機を使うツアーを催行しなかったから。

夏の忙しいシーズンに、関係省庁と被害をこうむった業者、旅行業協会(MTA)を交えたアエロモンゴリアの説明会をやったけれど、結局、理由についても、謝罪についても、賠償問題についてもまったく納得できるものではなかったそうです。

この夏は、天候不良・機体整備不良・乗客が少ないなどの理由でのフライトキャンセルやフライトスケジュールの変更・遅延が相次ぎ、ほんとに大変そうでした。
でも、旅行業協会のツアーオペレーターたちだって、手をこまねいていたわけではありません。

最近は保険会社や鉱山関係の会社では、小型のプライベート飛行機(10-30人乗り)やヘリコプターをもっているところもあるので、定期便を持っていないけれど、国内フライトが可能な飛行機を使って、ツアーオペレーター同士で連絡をとりあい、南ゴビ・フブスグル・カラコルム・ウルギー等へのツアーを一緒にフライトを確保して催行する、という新しいスタイルの手配旅行が始まりました。


国内便・国際便の定期運行をしている大手航空会社は、自社所有の機体数が少ないため、かなりタイトなスケジュールで機体のやりくりをしています。
そのため、前日悪天候で、フライトがずれた、となったときの調整は、当日がフライト日和だったとしても前日の皺寄せでスケジュールが乱れたりします。

でもプライベートチャーターであれば、そんなことにはなりません。
フライトスケジュールの調整についても、2-3の旅行会社と直接連絡を取り合い、空港に来てもらう時間を調整することもできるし、お客様に対するインフォメーションも根拠のあるものをご案内することができます。

ただし、プライベートチャーターは、少なくとも15人くらいはそろえないと、
運賃の割高感は定期運航の航空会社の3割増しぐらいになります。

アエロモンゴリアも、10年前は、フォッカー50をモンゴルに最初に導入し、国内便でも機内食が豪華と評判がよかったのですが、最近では機体の老朽化や過酷なフライトスケジュールのせいか、整備不良による遅延、不時着などが相次いでいます。

もうひとつフンヌエアーというのもありますが、こちらは目的地・路線が限られていて、機体も小さいです。

EZニスが営業停止になってしまったのがほんとにほんとに残念です。
日本の大手民間航空会社がオペレート・機体整備・接客等の訓練やコンサルティングをしていて、支払システムはタイトでチケット代もやや高め設定ではあったけれど、機内食はおいしかったし、何より、市内中心部から空港までの送迎バスが無料で使えるというのは便利でした。
黒字経営で新しい機体もリース購入したばかりだったのに、ある筋からの「意地悪」のせいで、営業停止を余儀なくされ、とても残念なことに。
そういう意地悪は自分たちがちゃんとビジネスとしてのフライトを万全にできるようになってからしてもらいたかったものです。

まぁ、そんなこんなで、私はモンゴル国内の移動には、強く陸路をお勧めしています。
車輛レンタル代・ドライバーさんの人件費・燃料費なども他のアジア諸国に比べると、圧倒的に高い感じはしますが(ほとんど日本並?)、それでも優秀なドライバーさんやガイドさんとに行けば、モンゴルの国土の広さや生態系・自然の景観の変化や歴史などを移動中に学ぶこともできます。

旅行の楽しみ方・プログラム構成自体が変わってきてしまいますが、モンゴルは、あれこれぎゅうぎゅうと忙しくプログラムを詰め込むよりは、悠久の大地のゆったりとした時間の流れに身を任せ、時間を贅沢に使うスロートラベルが似合う国です。

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いよいよ冬に突入する、シーズンオフの時期は、モンゴルの生活情報や旅行情報などを発信していきます。

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