モンゴルだるま@モンゴル語通訳・よろずコーディネーター兼業遊牧民です。
私が取材リサーチ&コーディネートをさせていただいた番組のご紹介です。
NHKの「シリーズ世界遺産100」という番組はNHKがユネスコと共同事業として継続中の世界遺産のデジタルアーカイブプロジェクトの一環として制作されています。
今年、モンゴルが初めてこのプロジェクトの対象となり、モンゴルにある有形・無形の世界遺産から厳選7テーマで番組取材が行われました。
そのモンゴルシリーズの第3弾が11月15日 (土) 11:25~11:30に NHK総合で放送されます。
第3弾のテーマはビエルゲー。「ビー/ビエルゲー」と呼ばれるモンゴルの各部族に残る民族舞踊です。
世界遺産ライブラリーに紹介されているビエルゲーについてのNHK世界遺産のウェブサイト記事です。
コチラをクリック「シリーズ世界遺産100ビエルゲー モンゴルの伝統舞踊」
ビーまたはビエルゲーと呼ばれる民族舞踊は「ビエレフ/具現化する。」というモンゴル語から派生しています。
様々な生活文化の作業を舞踊にして現在に伝えています。
肩甲骨から両肩を小刻みに振るわせたり、しなやかな関節の動きによって、様々な作業をユーモラスに、あるいはたおやかに表現します。
番組はわずか5分間。
「主役は基本ひとり」というディレターさんの「しばり」というか「意図」があり、今回は、様々な素晴らしいビエルゲーの中から、ホトン族がメインでフューチャーされています。
ホトン族というのは、モンゴルの少数部族の中でも特にダイナミックでアグレッシブなビエルゲーで有名です。
今回取材させていただいたのは、ホトン族中心の村・オブス県タリアランソム。
このタリアランソムの人口約2000人余りのうち98%ほどがホトン族。
3歳から88歳まで、足で地面に立てる者は誰もがビエルゲーを踊れる、と言われています。
ホトン族の幼稚園児たち。皆、お母さんのお手製の民族衣装に身を包んでいます。
その言葉にたがわず、幼稚園の年少さんから90歳近いおじいさん、そして村のリーダーである村長さんにいたるまで、みんな、音楽を聴くと、自然に体が動いちゃう、というすごい条件反射。
ビエルゲーについて説明しているときの身振り手振りも、かるいジェスチャーのはずがいつのまにやらエネルギッシュ。
ビエルゲーを踊ってるから、いつも身体にいいエネルギーが循環し、嫌なものはみんな吹き飛ばされるのだ、といいます。
他にバヤンウルギーアイマグのカザフ族の中でも、特に土着のビエルゲーが継承されているカザフ族・トゥバ族・ウリャンハイ族の複合コミュニティであるアルタイソム、オブス県の緩やかでどっしりと大地に足をつけて踊るバヤド族やコミカルで軽やかなドゥルブド族、ウールド族、ホブド県の各部族/ザハチン族、ミャンガド族などにそれぞれの振り付けのビエルゲーが残っています。
ウリャンハイ族のビエルゲー継承者の第一人者のおじさん。トランス状態でくにゃくにゃ、プルプルととってもエネルギッシュなんだけど、なんとなく笑っちゃう不思議な振り付け。
カザフ族の「カラジョルガ」。「黒い側帯歩の馬」という意味のカザフ語の歌が伴奏につきます。イヌワシの動きや馬に乗ったときの様子などが振り付けに入っていて、その動きの中で男女の愛が表現されています。求愛のダンスとも言われていて、カザフ族だけでなくアルタイソムの各部族の人たちがそれぞれのふりつけで一緒に踊ることができます。
ウランバートルの伝統歌舞コンサートなどでも人気の民族舞踊のコーナーでは、「西部モンゴルの舞踊」ということでビエルゲーを踊りますが、舞台芸術として昇華/進化したものは、それはそれで華やかでとても素敵です。
でも、西部モンゴルの各地域・各部族がふつうの遊牧民や農民として受け継いでいるビー/ビエルゲーは、とても素朴で想いや意味が色濃く込められていました。
伝統的な作業の継承をしてきた、というだけでなく、華やかで美しい民族衣装も「普段着」のように継承されているということがまた、ビエルゲーの魅力です。
私はウランバートルでの伝統歌舞コンサートに行くのが大好きで、ツアーやプロジェクトなどでいらっしゃったお客様にも機会があれば、ご案内させていただいているのですが、「本場」の素朴なビエルゲーを一緒に踊る、というのも素敵だな、楽しいなと今回の取材をしているときに思いました。
皆で一緒に同じものを踊る。その一体感!
いいエネルギーを集合させ、交感させることで地域そのものが元気になっているようです。

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私が取材リサーチ&コーディネートをさせていただいた番組のご紹介です。
NHKの「シリーズ世界遺産100」という番組はNHKがユネスコと共同事業として継続中の世界遺産のデジタルアーカイブプロジェクトの一環として制作されています。
今年、モンゴルが初めてこのプロジェクトの対象となり、モンゴルにある有形・無形の世界遺産から厳選7テーマで番組取材が行われました。
そのモンゴルシリーズの第3弾が11月15日 (土) 11:25~11:30に NHK総合で放送されます。
第3弾のテーマはビエルゲー。「ビー/ビエルゲー」と呼ばれるモンゴルの各部族に残る民族舞踊です。
世界遺産ライブラリーに紹介されているビエルゲーについてのNHK世界遺産のウェブサイト記事です。
コチラをクリック「シリーズ世界遺産100ビエルゲー モンゴルの伝統舞踊」
ビーまたはビエルゲーと呼ばれる民族舞踊は「ビエレフ/具現化する。」というモンゴル語から派生しています。
様々な生活文化の作業を舞踊にして現在に伝えています。
肩甲骨から両肩を小刻みに振るわせたり、しなやかな関節の動きによって、様々な作業をユーモラスに、あるいはたおやかに表現します。
番組はわずか5分間。
「主役は基本ひとり」というディレターさんの「しばり」というか「意図」があり、今回は、様々な素晴らしいビエルゲーの中から、ホトン族がメインでフューチャーされています。
ホトン族というのは、モンゴルの少数部族の中でも特にダイナミックでアグレッシブなビエルゲーで有名です。
今回取材させていただいたのは、ホトン族中心の村・オブス県タリアランソム。
このタリアランソムの人口約2000人余りのうち98%ほどがホトン族。
3歳から88歳まで、足で地面に立てる者は誰もがビエルゲーを踊れる、と言われています。
ホトン族の幼稚園児たち。皆、お母さんのお手製の民族衣装に身を包んでいます。
その言葉にたがわず、幼稚園の年少さんから90歳近いおじいさん、そして村のリーダーである村長さんにいたるまで、みんな、音楽を聴くと、自然に体が動いちゃう、というすごい条件反射。
ビエルゲーについて説明しているときの身振り手振りも、かるいジェスチャーのはずがいつのまにやらエネルギッシュ。
ビエルゲーを踊ってるから、いつも身体にいいエネルギーが循環し、嫌なものはみんな吹き飛ばされるのだ、といいます。
他にバヤンウルギーアイマグのカザフ族の中でも、特に土着のビエルゲーが継承されているカザフ族・トゥバ族・ウリャンハイ族の複合コミュニティであるアルタイソム、オブス県の緩やかでどっしりと大地に足をつけて踊るバヤド族やコミカルで軽やかなドゥルブド族、ウールド族、ホブド県の各部族/ザハチン族、ミャンガド族などにそれぞれの振り付けのビエルゲーが残っています。
ウリャンハイ族のビエルゲー継承者の第一人者のおじさん。トランス状態でくにゃくにゃ、プルプルととってもエネルギッシュなんだけど、なんとなく笑っちゃう不思議な振り付け。
カザフ族の「カラジョルガ」。「黒い側帯歩の馬」という意味のカザフ語の歌が伴奏につきます。イヌワシの動きや馬に乗ったときの様子などが振り付けに入っていて、その動きの中で男女の愛が表現されています。求愛のダンスとも言われていて、カザフ族だけでなくアルタイソムの各部族の人たちがそれぞれのふりつけで一緒に踊ることができます。
ウランバートルの伝統歌舞コンサートなどでも人気の民族舞踊のコーナーでは、「西部モンゴルの舞踊」ということでビエルゲーを踊りますが、舞台芸術として昇華/進化したものは、それはそれで華やかでとても素敵です。
でも、西部モンゴルの各地域・各部族がふつうの遊牧民や農民として受け継いでいるビー/ビエルゲーは、とても素朴で想いや意味が色濃く込められていました。
伝統的な作業の継承をしてきた、というだけでなく、華やかで美しい民族衣装も「普段着」のように継承されているということがまた、ビエルゲーの魅力です。
私はウランバートルでの伝統歌舞コンサートに行くのが大好きで、ツアーやプロジェクトなどでいらっしゃったお客様にも機会があれば、ご案内させていただいているのですが、「本場」の素朴なビエルゲーを一緒に踊る、というのも素敵だな、楽しいなと今回の取材をしているときに思いました。
皆で一緒に同じものを踊る。その一体感!
いいエネルギーを集合させ、交感させることで地域そのものが元気になっているようです。

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