モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
ウランバートルも昨夜ついに、気温-20℃に。暦の上でも気温の上でも気分的にもすっかり冬です。

11月4日が祝日になった「チンギスハーン生誕記念日」は正式には「モンゴルの誇りの日」という名づけられた国民祝祭日となったそうです。

チンギスハーン(幼名テムジン)が生まれたのが、「冬の最初の月の朔日」ということで、今後は、毎年、モンゴル陰暦のこの日を祝日することにしたそうです。

去年は、「そもそもの誕生日の特定の仕方、これでいいの?」というところから喧々囂々の議論がかわされ、かつ同様にチンギスハーンを民族の祖と仰ぐ中国領のモンゴル族が祝っているチンギスハーンの誕生日とはずれているというなんだかよくわからないこの記念日。

今年はおりしも三連休になりました。

とまぁ、そんなわけで、これからは「モンゴルの誇り」の日が終われば、「冬の始まり」です。

秋の最後の月の「白い午の日」と「白い未の日」の間の夜の天候で、その冬のゾドがおきるかどうかをうらなう、というのがモンゴル遊牧民の間にあるのですが、馬を300㎞ほど移動させていう旅の途中でテント泊だった今年はとても暖かく穏やかで星空きらきらのよい夜だったので、ゾドはないのかなー?と期待したりして。

さらに毎月三日月の向きとかその時の天気でその月の天候の傾向を占います。
月の向きなんて時間帯でも違うじゃん、というか、いつ何時にみた月の様子で占うの?というのが私には全然わかりません。

11月半ばから-20℃くらいまで冷え込むのは当たり前なのですが、雪と風が冬の厳しさの決め手になります。

ほとんどの遊牧民は冬営地に引っ越しています。
なので、場所によっては、全然雪が降らないのも水源確保の点で困ります。
我が家について言えば、川が凍ってくれないと、秋営地近くの倉庫に保管している干し草や材木の搬送ができない。

本格的な冬の前にやらねばならぬ今週末の我が家のミッションは、干し草用の柵を作ることと、家畜小屋の目張り作業があります。
また、羊・山羊等の屠畜のタイミングも決めないと・・・

馬1頭の屠畜もあるのですが、馬は体がでかいため、作業も結構大変で、また肉がすぐに凍結できる環境でないと肉が傷んでしまいますから、いろいろ準備しないといけません。
私にとっては、実は馬の屠畜は初めてのこと。ましてや自分が初めて購入し、去年の冬に彼が足に致命的な怪我をするまでは愛馬としていつも一緒にいたので、できる限りよい環境で苦しませずに見送ってあげたいのです。馬の屠畜は大がかりになるそうなので、上手にできる人にお願いしないといけません。

今、委託牧民をしているバチカさんは家畜の屠殺や流血を伴う作業ができない人なので、誰か別の遊牧民さんに頼まなければいけないのです。

今週末に家畜小屋・柵関係の作業を完了させて、屠畜関係の作業の段取りをするため、草原に帰ります。
スマホが壊れちゃったから、ネットにアクセスができません。

来週前半はウランバートルでお仕事なので、週末2日でできることをさっさとやらないとね。
冬の始まりは何かと忙しいのですが、本格的に寒くなっちゃえば、逆に遊牧作業はルーティーンワーク中心でわりとのんびりしたシーズンになります。


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