モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人・よろずコーディネーター兼業遊牧民です。

先日は、うっかり寝付けず、フェイスブックにオンライン表示で入ってしまったところ、付け焼刃のやっつけ仕事で、夏の実習についての研究発表がまとまらず煮詰まっている教え子・バスカにつかまってしまいました。

おかげで、チャットで質問をうけつけ、挙句の果てに、パワーポイントでのプレゼンテーションスライドの造り直しだの、レポートの書き方指導だのする羽目に・・・

まぁ、そうはいっても大切なエコツーリズム&地元主導型ツーリズムの実践を志す貴重なプロパーですからね、大事にしてあげなければ。

それにしても、、、なんというか、モンゴル人大学生のレポートとか論文って、どっかからコピペしてきたような引用っぽいあったりまえな概論とか、抽象的な事柄の羅列とかで、せっかくフィールドワークしたのに、、、っていう残念なことが多いのですが、あれだけ密着して実習していたのに、これかよーーーー、と実習指導者の私が叱られるんじゃないか、とあわてました。

挙句、発表、いつよ?ってきいたら、
あと8時間後、とかほざく午前2時。

もし、私が爆睡してたらどうするつもりだったのか?と思うとぞっとしちゃうよ。

もうバスカのレポートなのか、私のレポートなのか、もわかんなくなってきてしまった。

でも、こうやって「指導」をすると、自分がやろうとしていること、問題点、これからの課題などが明確になりますね。

エコツアーとして銘打つからには、何がどう「エコツアー」なのか?
他とどこが違うのか?
エコツアーならではの「学び」とか「きづき」とか「手ごたえ」とかってどんなことが期待できるのか?

とか「エコツーリスト」として意識していない人でも「やっぱりエコツーリズム精神のあるツアオペ&ツアーガイドに頼んでモンゴルを旅してよかった」って言ってもらえるような仕組とか仕掛けとかはどんなものが考えられるか?とか

結構、いろいろ意識がフォーカスできました。

まったく文字通りの一夜漬けなバスカですが、先はまだ長いです。

意識すること、記録すること、まとめること、そして次への展開や課題を提示して、自分の取り組みの広がりをアピールすること・・・

そんなこともツアーガイドやツアーオーガナイザーとしては大事なんだよ、って伝わったかな?

って、私もチャットしながら思いついたんだけど。

記録することって私も実はとても苦手です。
写真の整理もあんまりしてません。
編集とか勉強したはずなのに、いっつもとっちらかっています。

いつもプレゼンは勢いです。

・・・あぁ、バスカ、やっぱ私が悪かったのかもね。ごめんよ・・・

あんまり「エコツーリズム」的であることを付加価値みたいに押し付けるの好きじゃない。
エコツーリズム普及仕掛け人とか言っておきながら、精神的には、モンゴルの人皆さんに、あるいは地球上の人類全員に意識してもらいたい、とか生き様のひとつのラインとして、たしなみとして知っておいていただきたい、とか思うんだけど。

でも、ツーリズムというビジネスとして展開するときに「うちはエコツーリズムの会社だから」とか「エコツーリズムだから高くても当たり前」とかってアピールするの、好きじゃない。
それって、旅行代金をいただくのに、なんか余計な言い訳してる気がしてダサいと思うんだもん。

エコツーリズムって言葉より先にモンゴル人の人たちの中には確かに、この精神の核になってるものがあったはずだから。

社会主義時代の決まりきったコースでのパッケージツアーにみられるマスツーリズムから始まり、市場経済化以降の20数年間で、商業ベースのビジネスとしてのツーリズムで国家政策的にも、業界的にも「これで生き残るっきゃない」となってきて・・・
21世紀になって、私たちの取り組みで「エコツーリズム」とか「エコツアー」って言葉が、ただの「自然を見せる観光」でもなければ、「自然の中で行うアクティビティ」でもないってことを意識してくれる人たちも増えてきました。

日本のJICAも専門家を派遣してくださったり、あるいはモンゴル人の研修を受け入れてくださったりしているし、日本の環境省も2回・6年間にわたる「エコツーリズム推進プロジェクト」を実施している。

アメリカやイギリス、国連のUNDPなども「コミュニティベーストツーリズム=地元主導型観光」としての国際無償援助プロジェクトをこぞって展開している。

だけど、モンゴル人側は実際は、とっても受け身。
エコツーリズムも地元主導型観光も、地元から沸き起こる情熱とか、地元で「やろうぜ」って言い出すリーダーがいたりすることが大事。

だから、私は自分がへっぽこ遊牧民として草原の中に飛び込んで、時に闘い、時にうちひしがれ、時に皆を巻き込んで、時に笑い、時に大失敗しながら、エコツーリズムとはなんぞやってことを試行錯誤しているのです。

そんな簡単に「エコツアー」が完成するとは思わない。
それに、ツアーオペレーターという立場を強くしながら、「エコツアー」をやらせるっていうのは本末転倒。

遊牧民を巻き込んで、あるいは雇ってやってるから、エコツアーですってそれだけじゃダメなんだって思う。

遊牧民が自分たちの生活を、生き様を、地元の自然を愛し、誇りに思って、「これを見てもらいたい」って宝物にして、自分たちの生活を守りながら、実践できるツアーモデルを作ること。
造ろうっていう意識を持ち始めること。

これがすごく大事なんですね。
ツアオペ受けがいいとか、ツーリストがリクエストしたから、とかでもスタートはいい。

そっからスタートして、もう一歩進んで、「観光ビジネスって楽しい」とか「観光ビジネスは自分たちに必要」とかっていう意識で、「お客様にまた来ていただくための工夫をしたい」とかそういう気持ちを高めていってもらいたい。

バスカのことは、実習中も授業中もFBのチャットですら、私は実によく叱りました。
今も時々、厳しい言葉で叱ってしまう。

でもバスカってとっても素直で打たれ強い。
「そっかー。おれ、やっとわかった気がする-」(わかるの遅すぎ!)っていう反応。
わかるの遅すぎってイラってすることもあるけれど、でもさすが、モンゴル一のモンゴル国立大学の学生さんです、私が10年かかってもなかなか牧民さんからのレスに手ごたえを感じられなかったようなことに、すぐ感動して意見してくる。
この感動と意見と実践をほんとに続けていけば、きっとバスカはとっても素敵なエコツーリズム実践者になると期待してます。


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