モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
来週、馬を別の地域に暮らす遊牧民の友人に預けます。

今日は、預ける馬についてのリストを作成中なのですが・・・
ちょっぴり不安なのは、「約半年も離れ離れになって、人に預けている間に、馬たちの性格とか態度とか私たちの間の関係性が変わってしまうのではないか?」ということ。

この冬は、3代目委託遊牧民のオラーナ君が途中で家畜横領事件を起こして、まともに世話をしてくれる遊牧民が確保できなかったため、1月半ばから4月初めまでは、ガナー君と私がメインで世話をしていました。

馬の放牧や集めてきたりするのは、ウルジーさんという肺結核患者(であることを隠していた)アル中のおじさんだったんだけど、基本的に餌やりとか水やりは私とガナー君がやってました。
毎日、馬に自分の姿を見せていたせいか、接していたせいか、今年の乗馬シーズンの馬とのコミュニケーションは去年の夏に比べてずっと密接で良好だった気がします。

なので、遠く離れたところで、そう簡単には遊びに行けない、会いに行けないところに預けてしまうことがさびしい以上に、「あの密接なコンタクトなしに、来年も馬は働いてくれるだろうか?」ということが心配。

3年かけてやっと、今の土地に馬たちも馴染んできたところでの長距離移動で拠点をかえることで、馬がまた落ち着かなくなっちゃったりするんじゃないか、ということとかね。

今年の冬も結構、寒さとか雪とか厳しいようで、屠畜場も近くに沢山作られていて、馬泥棒が回りにいっぱい、という状況では、地元での越冬はムリ、というのはわかってるんだけど。

大体、うちの馬たち、「お仕事モードだよ」ってつかまらない限りは絶対、仔馬を人質にとられておっぱいはってきてる雌馬以外は人間に寄ってこないもんね。
雌馬は、お客様がいらっしゃないときは、ほぼ毎日、馬の乳搾りしていたっていうスキンシップがあるから、かなり慣れてきてたんだけど。

去勢馬たちにいたっては、餌が欲しいとか、蹄になんか挟まっちゃったから取って、とか欲求があるときは、おねだりしに来る子もいるけれど、基本、「半野生馬」。
新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-逃げ馬

自由に草原を駆け回る馬は美しい・・・けど、微妙に人を小馬鹿にしたような顔してません?

馬柵の中に入るまでは、まぁ、とにかく、逃げる逃げる。近所の人たちの間でも、我が家の馬の逃げ足の速さはちょっとした評判をとってます。


馬によっては、「あ、お仕事ですか・・・」と寄ってくる聞き分けのよい子もいるけれど、少数派です。

ナチュラルホースマンシップの動画などに出てくるような馬と人との信頼関係ができてきて、ワンコみたいに従順になって、、、なんてあこがれちゃうな、と思うんだけど、モンゴル人にとっては、「そんなの馬じゃない」んだって。
新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-逃走中

毎日、世話してるのに、毎日「探し物はなんですかー?」という感じで馬の捜索活動をしているバチカさん、あともうちょっとで追いつける・・・となると、また逃げるんだよね。

「媚びない生き方」が馬の理想ってことかな?「冬に餌をもらいにくる馬は人慣れする」っていうこともあり、つまりは、人にすりよる馬=コストがかかる馬ってことか。。。
でも、捕まっちゃったらその瞬間に「観念してモード切替する」ことができるという意味では、うちの馬、とってもよい子たちです。

馬はわりと記憶力がよいとか、乗せた人を覚えてるっていうし・・・
もう馬を信じるしかないか。

羊たちの放牧用と水汲み馬車(馬車もこれから作るんですけどね)用、交代要員として、数頭の馬を手元に残すことにはなります。
で、今は資料整理しながら、どの馬を残すかを検討中。

冬は「生き延びること」が最大の課題なので、とにかく元気で生きていてくれることを優先したら、今回の「預ける」という選択肢がベストであると信じるしかないですね。

なんてことを、今年の写真整理をしながら、リストをつくって、安心して預けられるように準備しています。


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