モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツアーオペレーター兼業遊牧民です。
ここ10日間ほどは草原を離れて都会でお仕事しております。
普段は牛とか馬の乳搾りをやったり、羊やヤギの放牧をしたり、牛糞拾ったり、火力調節のできない薪ストーブ(たまに牛糞とか使う)で7-10人分くらいの料理を作ったりする遊牧民です。
さて、今週からのしゃかりきお仕事ウィークが終わるのが8月13日くらい。
それから4-6日間ほどのお仕事のスケジュールが入っていない、という空白の日々があります。
そこで、いつものベースキャンプを離れて、純粋に「馬に乗る」ことと「大自然の中を旅する」ということを楽しめるような馬旅企画を予定しています。
テント生活中心の馬旅の場合、ベースキャンプでの乗馬トレッキングプログラムと何が違うのか?というと、
まず
★馬と触れ合う時間が長い
★馬に乗っているからこその目線とスピードで大草原の距離感や壮大さを実感できる
★毎日焚火を囲んで、キャンプ生活
っていう3点があげられますね。
このディープな馬と自分との関係性が、モンゴル乗馬の上達というか習得にはすごくよい効果があるわけです。
乗馬とか自転車乗りとかスケートとかスキーって
誰かに教えてもらってマスターできるってものではないですね。
どうしても、どこかで自分の「感覚」が
「あ、こういうことなのか!」って開かないと
どんなに本を読んで理論武装しても、
どんな名馬に乗っても
どんなに優秀なトレーナーさんについても
やっぱり「うまく体が乗らない」ですね。
馬によっても体格とか性格だけでなく
相性とかでずいぶん乗り方も変わってくるしね。
ある程度、操作ができるようになり、
馬のご機嫌伺いというか
なんとなく馬との意思の疎通が取れているような気がする、
という感覚をつかんでから
キャンプ泊になる乗馬の旅に出ることが大事ですね。
馬に乗るっていうのは危険がつきものです。
どんなに注意していても、馬方がいても
馬っていう生き物はかなり神経質で
基本「逃げる」ってことが彼らの生存本能。
だから、思わぬときに「暴れる」。
馬方ガイドさんに「引き馬」してもらってると
ついつい乗り手は
「乗せてもらってる」
「引いてもらってる」
っていう安心感で「馬に乗る」っていう行為の本質を
「自分じゃない他人」にゆだねてしまっていて
「自分で乗ってない」状態になりがち。
モンゴルの乗馬ガイドさんの場合、
それでも、「仕事としては慣れてるし、簡単で安心」だから、
馬の性格によっては
「初心者なんだから、引き馬で十分」みたいな感じになってしまう。
これ、うちの乗馬ガイドのバチカさんでもそういう傾向があって、
これまでのうちの近所にあったツーリストキャンプでの馬方の仕事ではそれでもよかったんだろうけれど、私は嫌なんですよね。
牛とか羊の世話があるから、ベースキャンプでの乗馬トレックの場合、
どうしても馬だけにかまけてられないっていうのは事実。
乗馬のアテンドしている間に
羊の群が他人様の群と混ざっちゃったり、
子牛が母牛たちと放牧中に遭遇しちゃったり、
羊やヤギがどっか行っちゃったりすると
とっても困ったことになるのです。
だから、遊牧の仕事と乗馬ガイドの仕事の両立って結構時間的な配分が気になっちゃうところ。
テント泊での馬旅は、この両立をしなくて済む分、馬にどっぷり浸れます。
といいつつも、やっぱりモンゴル人ガイドって馬の乗り方のコーチが下手。
というか教えてくれない!
見て覚えろ、技術は盗めってことなんだろうけれど・・・
言葉が通じないっていうこと以前におそらく
「この人、なんで乗れないんだろう?」って
問題点がわからないのだと思います。
学校教育でも「詰め込む」「記憶させる」っていうことばっかりのカリキュラムですしね。
発想させるための教育って観念がそもそもないんでしょうね。
私も別に馬に乗るのが超上手ってことはないんですけどね。
だけど、馬旅は大好きで、馬がつかれない、馬が傷まない、自分も疲れない、体が痛くならないで、ずっとずっと馬と一緒に走ってられる。
長く続けられるペースを作るって結構難しいと思います。
ツーリストキャンプで働いていた乗馬ガイドさん達は、「自分のペース」に「お客様のペース」を合わせるようにかなりスパルタ。
無理やり走らせて決められた距離を稼いだりしてたのです。
「雇われて」やってるからそういうことになっちゃうんだろうな。
私が馬旅を長くやってきたときのパートナーたちは
皆「自分たちの故郷で自分たちが好きな自慢の場所をコースにしました」という地元の遊牧民さんだったので、自分の馬を大切に、お客様も「大切な友達」として相手のペースを大事にしながら走るから、お客様のペースに合わせて、「いつでもどこでも休憩やキャンプ」ができていました。
こういう臨機応変さってテント泊の馬旅の場合大事だけれど、なかなかこういうのができる人っていないんですよね。残念だけど。
でも、ほんとの意味で、モンゴルの馬と遊牧民と旅することって、こういう「馬と人と自然の調和」を大事に臨機応変に楽しみながら、馬だからこその移動でいろんなことを感じ、吸収していくことなんですね。
思いっきり馬と一緒に走ったー!
大疾走したー!!
それはとても素晴らしいこと。
でも、その感覚は自分だけが感じているものではありませんか?
馬も一緒に、あなたと走ることを楽しんでいると思いますか?
自然はあなたが訪れたことを喜んでいると思いますか?
私が15年余り続けてきた馬旅は、こんな風に「自然と馬の心」を意識しながら、地元の遊牧民さんや狩人さん達の自然へのリスペクトや深い造詣をシェアさせていただきながら続けてきました。
久しぶりに、そんな旅を作れたらいいな、なんて考えています。

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ここ10日間ほどは草原を離れて都会でお仕事しております。
普段は牛とか馬の乳搾りをやったり、羊やヤギの放牧をしたり、牛糞拾ったり、火力調節のできない薪ストーブ(たまに牛糞とか使う)で7-10人分くらいの料理を作ったりする遊牧民です。
さて、今週からのしゃかりきお仕事ウィークが終わるのが8月13日くらい。
それから4-6日間ほどのお仕事のスケジュールが入っていない、という空白の日々があります。
そこで、いつものベースキャンプを離れて、純粋に「馬に乗る」ことと「大自然の中を旅する」ということを楽しめるような馬旅企画を予定しています。
テント生活中心の馬旅の場合、ベースキャンプでの乗馬トレッキングプログラムと何が違うのか?というと、
まず
★馬と触れ合う時間が長い
★馬に乗っているからこその目線とスピードで大草原の距離感や壮大さを実感できる
★毎日焚火を囲んで、キャンプ生活
っていう3点があげられますね。
このディープな馬と自分との関係性が、モンゴル乗馬の上達というか習得にはすごくよい効果があるわけです。
乗馬とか自転車乗りとかスケートとかスキーって
誰かに教えてもらってマスターできるってものではないですね。
どうしても、どこかで自分の「感覚」が
「あ、こういうことなのか!」って開かないと
どんなに本を読んで理論武装しても、
どんな名馬に乗っても
どんなに優秀なトレーナーさんについても
やっぱり「うまく体が乗らない」ですね。
馬によっても体格とか性格だけでなく
相性とかでずいぶん乗り方も変わってくるしね。
ある程度、操作ができるようになり、
馬のご機嫌伺いというか
なんとなく馬との意思の疎通が取れているような気がする、
という感覚をつかんでから
キャンプ泊になる乗馬の旅に出ることが大事ですね。
馬に乗るっていうのは危険がつきものです。
どんなに注意していても、馬方がいても
馬っていう生き物はかなり神経質で
基本「逃げる」ってことが彼らの生存本能。
だから、思わぬときに「暴れる」。
馬方ガイドさんに「引き馬」してもらってると
ついつい乗り手は
「乗せてもらってる」
「引いてもらってる」
っていう安心感で「馬に乗る」っていう行為の本質を
「自分じゃない他人」にゆだねてしまっていて
「自分で乗ってない」状態になりがち。
モンゴルの乗馬ガイドさんの場合、
それでも、「仕事としては慣れてるし、簡単で安心」だから、
馬の性格によっては
「初心者なんだから、引き馬で十分」みたいな感じになってしまう。
これ、うちの乗馬ガイドのバチカさんでもそういう傾向があって、
これまでのうちの近所にあったツーリストキャンプでの馬方の仕事ではそれでもよかったんだろうけれど、私は嫌なんですよね。
牛とか羊の世話があるから、ベースキャンプでの乗馬トレックの場合、
どうしても馬だけにかまけてられないっていうのは事実。
乗馬のアテンドしている間に
羊の群が他人様の群と混ざっちゃったり、
子牛が母牛たちと放牧中に遭遇しちゃったり、
羊やヤギがどっか行っちゃったりすると
とっても困ったことになるのです。
だから、遊牧の仕事と乗馬ガイドの仕事の両立って結構時間的な配分が気になっちゃうところ。
テント泊での馬旅は、この両立をしなくて済む分、馬にどっぷり浸れます。
といいつつも、やっぱりモンゴル人ガイドって馬の乗り方のコーチが下手。
というか教えてくれない!
見て覚えろ、技術は盗めってことなんだろうけれど・・・
言葉が通じないっていうこと以前におそらく
「この人、なんで乗れないんだろう?」って
問題点がわからないのだと思います。
学校教育でも「詰め込む」「記憶させる」っていうことばっかりのカリキュラムですしね。
発想させるための教育って観念がそもそもないんでしょうね。
私も別に馬に乗るのが超上手ってことはないんですけどね。
だけど、馬旅は大好きで、馬がつかれない、馬が傷まない、自分も疲れない、体が痛くならないで、ずっとずっと馬と一緒に走ってられる。
長く続けられるペースを作るって結構難しいと思います。
ツーリストキャンプで働いていた乗馬ガイドさん達は、「自分のペース」に「お客様のペース」を合わせるようにかなりスパルタ。
無理やり走らせて決められた距離を稼いだりしてたのです。
「雇われて」やってるからそういうことになっちゃうんだろうな。
私が馬旅を長くやってきたときのパートナーたちは
皆「自分たちの故郷で自分たちが好きな自慢の場所をコースにしました」という地元の遊牧民さんだったので、自分の馬を大切に、お客様も「大切な友達」として相手のペースを大事にしながら走るから、お客様のペースに合わせて、「いつでもどこでも休憩やキャンプ」ができていました。
こういう臨機応変さってテント泊の馬旅の場合大事だけれど、なかなかこういうのができる人っていないんですよね。残念だけど。
でも、ほんとの意味で、モンゴルの馬と遊牧民と旅することって、こういう「馬と人と自然の調和」を大事に臨機応変に楽しみながら、馬だからこその移動でいろんなことを感じ、吸収していくことなんですね。
思いっきり馬と一緒に走ったー!
大疾走したー!!
それはとても素晴らしいこと。
でも、その感覚は自分だけが感じているものではありませんか?
馬も一緒に、あなたと走ることを楽しんでいると思いますか?
自然はあなたが訪れたことを喜んでいると思いますか?
私が15年余り続けてきた馬旅は、こんな風に「自然と馬の心」を意識しながら、地元の遊牧民さんや狩人さん達の自然へのリスペクトや深い造詣をシェアさせていただきながら続けてきました。
久しぶりに、そんな旅を作れたらいいな、なんて考えています。

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