モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツアーコーディネーター兼業遊牧民です。
今週はウランバートルでお仕事でした。

さて、26日が投票日だった大統領選ですが、民主党推薦のエルベクドルジ現大統領がトップ当選となりました。

今は亡き民主化のリーダー・S.ゾリグ氏の妹オユンさん(現自然環境グリーン開発省)が率いる「イルゲニィゾリグ緑の党」や元労働者組合連合議長のガンバートルさん、ブルジョワ党のボヤンギーンジャガーで知られているジャルガルサイハン氏なども早々と「支持表明」をしていたエルベクドルジさんの当選はまぁ、順当といえば順当。

人民党(国民党?)と人民革命党は、もともとが同じ政党が分裂したため、それぞれが候補者を立てたことで、保守党の票が割れる、という話も出ていました。

私は天気がよくて都市部の若者が投票することになれば、現職有利、
悪天候とか地方の中高年の投票が積極的で若者が家畜の世話とかで投票所にいけない、という事態があれば、モンゴル相撲のヒーロー・バトエルデネ氏もありうる、と予想していました。

結果的には、1位なのですが、結構、ギリギリ感がありましたね。

有効投票数が全国トータルで1,239,784票。投票率は66.49%。
この投票率6割超えは、まぁまぁってところでしょうか?

エルベクドルジ候補の有効得票数が622,794票、得票率は50.23%。

モンゴルの選挙制度では、有効投票数の過半数を超える得票がないと、当選無効になってしまうところでした。

インターネットのSNSでは、エルベクドルジが圧倒的に支持されていましたが、草原生活における私の周りは、都会っ子のはずの教え子も含め、遊牧民たちは皆さん、公約とか細かい話は完全に知らないよー、という状態で「絶対、横綱。バットエルデネ!!」って断言してましたからねー。

今回は、政党で、というよりは各候補の人気投票的なところもありつつ、やはり政治家としてのキャリアや専門的な知識、モンゴルの今後の経済発展への期待や国際的なビジネスに対する理性みたいなものでエルベクドルジへの票をいれたことで、民主化支持派の面目躍如、といったところでしょうか?

大統領としての第1期にやった改革としては、政治家や役人など権力者の収賄汚職の一掃キャンペーン、司法制度改革など、旧制度の闇経済の温床というか、癒着関係などをクリアにするための地道な取り組みが一般的に評価されたという見方もできるかなー?

逆に「相撲取りが大統領なんて!」と口下手で政治家として目覚しい業績があるわけでもないまま、人民党から選出されたバトエルデネ氏がなかなかの健闘を見せたのは、やはり元横綱本人のお人柄に惹かれる人が多かったってことなんでしょうかね?
元警官ってことで警察組織ひいては国防組織全般(軍隊とか消防隊とか)、元モンゴル相撲道場(専門学校)の先生ってことでモンゴル相撲界など男くさーい感じの保守組織が全面支持態勢なわけですしね、、、地方の遊牧民にとっては、外交政策とか国際ビジネスってことよりは、「モンゴル国民に鉱山利権を山分け」っていうほうが耳に心地よかったから遊牧民も「この人、名前知ってる!」ってレベルで支持してた人も多いでしょうし。

今回の選挙で一番よかったな、と思ったことは、ほとんと「この投票結果は無効だ!」とか「どこそこで不正が行われたからこんな選挙認めない!」といった抗議やいちゃもんがなかったクリーンで平穏無事に終わったことです。

これで、オユートルゴイ(OT)やタワントルゴイ(TT)への外国投資が安定的に促進されるといいんですけどね・・・



最終結果の記事はコチラ http://politics.news.mn/content/149421.shtml


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