モンゴルだるま@モンゴル語通訳・よろずコーディネーター兼業遊牧民です。
夏は乗馬トレッキングや自然観察ツアー、遊牧体験などのエコツアープログラムのインタープリターやガイドもやってます。
昨日5月12日は、2013年最初の日帰り乗馬トレッキングを開催しました。
羊の放牧とか、牛追いとか、日々の遊牧作業で交代交代で乗った馬の調子を見ながら、ようやく「お客様を乗せても大丈夫」」と気力・体力ともにいい調子になるのを待ってたら、去年より2ヶ月も遅いスタートになっちゃった。
でも、今年の馬たちはとても従順です。
ひと冬をほぼ毎日、ともに過ごし、餌をあげたり、ミネラル分(ホジル)をあげたり、スキンシップしたりとコミュニケートするように心がけていた成果・・・かな?
少なくとも、馬装した状態で反抗的な態度をとることはありません。
昨日は7名様(うち1名様がお子様)のご参加だったので、作業の合間に委託遊牧をお願いしているバチカさんにも手伝ってもらいました。
あとは今年の夏、うちの会社でインターン&アルバイトしてもらう予定の教え子(私、冬はモンゴル国立大学のエコツーリズム学科で非常勤講師もしています)も動員しました。
乗馬経験もマチマチな参加者だったので、まずはそれぞれの「今日の目標・やりたいこと」をお伺いしてから、馬の割り振りをしました。
ご機嫌な青空と草原をバックに集合写真
初心者の方からは
「馬を自分でコントロールできるようになりたい」
「パカランパカラン(キャンター)で走れるようになりたい」
など。
モンゴル在住も長くて、10回くらい乗ったことある人は
「乗馬を楽しみたい。のんびりマイペースでやりますわー」
「乗馬を満喫したい」
など。
お子様は「一人で乗れるようになりたい」と言っていたけれど、顔ががっちがちにこわばってて緊張状態なので、これは「今年の夏の目標だね」と思いました。
これまでも何度も乗馬はしていらっしゃるとのことでしたが、いつも「お兄さん(乗馬ガイドさん)に引き馬してもらってた」ということだったので、自信がないうちは無理しないでいいよと。
大人が無理にやらせようって思っても、子供って意外と慎重派で強情だったりするから、「自分でやってみたい」って明るく宣言するまではそっと楽しませてあげるのが一番だと思います。(変にけしかけて、こわい思いさせちゃった挙句、トラウマ作ってしまっても申し訳ないし)
朝は穏やかに晴れてたのに、いざスタートしたら、結構な強風。
あちこちで馬の「天敵」のレジ袋がまい飛んでいました。
私の愛馬「ビビリー」はもう右見ても左見ても、「レジ袋だらけーーーー」であわあわしながら、並足の皆さんにあわせて歩いていました。
ほんとは速歩とか駆け足になって走ることに集中しちゃえば、意外とビビリーも飛び跳ねとかはしなくなってきているのですが、集団で行動するときは、どうしても慎重になっちゃうんですね。
マイ鞍(しかもモンゴル鞍!)をご持参のKさんも「深夜まで打ち合わせで、お泊りになっちゃって寝不足なのー」という過酷な状態でご参加にもかかわらず、結構、参加者の方々にアドバイスしてくださったり、お気遣いいただきながら、のんびりと約10kmほど離れた冬営地まで行くのが第一部。
冬営地は比較的風が少なく、暖かいから、のんびりするのにうってつけ。
10kmの道のりを約1時間半かけてじっくり馬のリズムや動きを体感していただきながら進みました。
途中でしっぽに針金が絡まった馬がパニクったりしたみたいで、ちょっぴりビビりました。
冬のあいだというか、先週、コースの大掃除をしたはずなので、鉄条網とか針金なんかはないはずだったのですが、風で飛んできたのか、家畜泥棒野郎のオラーナくんたちが先週きてたって噂だから、マキビシよろしくまいていったのかはわからないけれど・・・
でも、教え子のバスカたちも周辺の馬もわりと冷静だったらしく落馬とかの事故はなかったです。
行きで馬の動きに慣れてきた感じだったので、帰り道は、ちょっと大回りで道がクリアで馬も「どこを走るのか」の目標が決めやすい轍ルートでとっとこ帰りました。
自分で「乗れちゃう」人は先に行ってもいいですよーということで・・・Goサイン出したらすっ飛んでった・・・
地盤がしっかりしているので、鉄条網などの不届き者の廃棄物さえちゃんと目視確認して避けていただければ、危ないことはないルートなので、安心して疾走を楽しんでいただきました。
で、私は初心者の方々とのんびりポクポク+風がゆるい時にちょっと速歩で帰りました。
お子様がちょっと遅れ気味で心配だったんだけど、、、速歩すると「なんかお腹いたい」とのこと。でも「眠くなってきちゃった」とも言っていたので、久々の草原で「澄んだ空気」に「あたっちゃった」のかも?
それにちょっと馬が軽くパニクったのも怖かったのだと思ったので、マイペースで引き馬で・・・でベテランガイドのバチカさんに引っ張ってもらって、教え子のバスカには先に行った方々のケアを、、、と指示したら・・・
これまた8歳から馬に乗ってるよ、というだけのことはあり、すっとんでいきました。
馬と体の関係は感覚を掴んでいただくことが第一なんだけど、風が強くてなかなかお客様に指示も飛ばせず・・・「これは体で感じていただくことにして、あんまりごちゃごちゃいうのはやめようっと」ということで、時々、速歩、バランスが崩れそうになったら並足を繰り返して、午前の部は無事、終了。
お昼は持ち寄りポットラックランチ。
ご飯のあとはのんびりしつつ、「ちょっとだけ乗ってみたいな」という希望者の方を対象に、馬を交換して、「目標達成」のためのアクティビティに。
「自分で馬をコントロールしたい」というご要望のために、手綱さばきと体重移動のコツを体感していただくため、「羊・ヤギの群を誘導する」というルーティーン作業を手伝っていただきました。生まれたばかりで大人の放牧についていけない子ヤギや子羊たちをベースキャンプに残しているので、お母さん家畜たちの「授乳タイム」に家まで戻ってきてもらうという作業です。
おっぱいははってるけど、集団から離れて子供のところに行くのも嫌、という「集団心理」が羊やヤギにはあるので、群全体を誘導しなければいけないのです。
それほどたくさんの家畜がいるわけではないので、誘導はいつもは一人でやってるんだけど、これをお客様との共同作業でやることで、「自分の立ち位置」とか「誘導するための方向」などのコントロールができるようになります。
バチカさんの指示で手分けして誘導
馬たちにとってはいつもやっていることなので、「今、自分は羊やヤギの群を追うんだな」ということはわかっています。なので、乗り手の指示に従いつつ、暴走はしない。
これは去年から使っている方法なんだけど、なかなか楽しく効率的な方法です。
だって、人間は頭で考えて、「今、自分はこの羊を群に戻さなければいけない」って意識するから、その目的のために自然と体が動きます。バランスとったり手綱をうまく誘導して、馬も同じこと考えているから、気持ちを合わせやすいんですね。
これは、自分で家畜持ってるからできることだけど。
で、コントロール+「停止」が皆さんできるようになったなー、というところで、羊追い作業を終えて、「快感疾走チャレンジルート」を試してみることにしました。
風がビュービューなので、向かい風にすると馬が「風になりたい!」と暴走したとき、止めづらいので、追い風になるようにしてチャレンジ。
といいつつ、なかなか速歩から駆け足にリズムを変えるタイミングって慣れるまでは難しいんですよね。
いつもはすぐに並足からでも駆け足になる子達も、いつもと重心が違う、バランスがちょっとグラグラなお客様を乗せて、タイミングを逸してる感じがありあり。
指示を出す(心の中で走りたいって、リズムを刻む感じ)にならない限りは、あんまり駆け足にならないんですよね、うちの子達。
心が通ったなぁって馬の方も感じたところからはすごく軽快に動くので、傍目で見ていても楽しい。
安全で誰もが走りたくなる環境を作ってあげたら、あとは乗り手と馬が呼吸やタイミングを合わせれば駆け足はわりとさっくり出せます。
大事なのは、バランスを崩す前にスピードのコントロールをすること。
馬が一斉に駆け足になると、ついつい「競走心に火が付いた!」って状態になってしまうので、後ろから速歩でついていって「遅れても取り残されたりしないよ」という安心感を作っておいてあげることも大事だと私は考えています。
結果的に「一人で駆け足してみたい」とおっしゃっていたお客様たちは皆さん、目標達成です。
今回はお子様もご参加いただいたし、乗馬ガイドも「見習いくん」だし、風がビュービューで砂埃もひどくなってきていたし、思っていた以上に「天敵」なゴミが多くて、実はちょっぴりビビってました。(ビビリーのびびりが伝染したか?)
とはいえ、雨も降らず、無事乗馬アクティビティを終え、子家畜と遊んでいただいたり、自家製ヨーグルトも召し上がっていただけて、皆様にご満足いただけたようで、ほっとしました。
帰りの渋滞にはビックリしちゃったけど・・・これは私のせいじゃないもーん。
日帰り乗馬も楽しいけれど、お天気が良さそうで、星が綺麗に見えそうな時期は、1泊2日の「お泊り乗馬」もそろそろ始めたいなぁと思っています。
早く、風がやんでくれないかなー。
「ゲストゲル」を建てたいです・・・

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夏は乗馬トレッキングや自然観察ツアー、遊牧体験などのエコツアープログラムのインタープリターやガイドもやってます。
昨日5月12日は、2013年最初の日帰り乗馬トレッキングを開催しました。
羊の放牧とか、牛追いとか、日々の遊牧作業で交代交代で乗った馬の調子を見ながら、ようやく「お客様を乗せても大丈夫」」と気力・体力ともにいい調子になるのを待ってたら、去年より2ヶ月も遅いスタートになっちゃった。
でも、今年の馬たちはとても従順です。
ひと冬をほぼ毎日、ともに過ごし、餌をあげたり、ミネラル分(ホジル)をあげたり、スキンシップしたりとコミュニケートするように心がけていた成果・・・かな?
少なくとも、馬装した状態で反抗的な態度をとることはありません。
昨日は7名様(うち1名様がお子様)のご参加だったので、作業の合間に委託遊牧をお願いしているバチカさんにも手伝ってもらいました。
あとは今年の夏、うちの会社でインターン&アルバイトしてもらう予定の教え子(私、冬はモンゴル国立大学のエコツーリズム学科で非常勤講師もしています)も動員しました。
乗馬経験もマチマチな参加者だったので、まずはそれぞれの「今日の目標・やりたいこと」をお伺いしてから、馬の割り振りをしました。
ご機嫌な青空と草原をバックに集合写真
初心者の方からは
「馬を自分でコントロールできるようになりたい」
「パカランパカラン(キャンター)で走れるようになりたい」
など。
モンゴル在住も長くて、10回くらい乗ったことある人は
「乗馬を楽しみたい。のんびりマイペースでやりますわー」
「乗馬を満喫したい」
など。
お子様は「一人で乗れるようになりたい」と言っていたけれど、顔ががっちがちにこわばってて緊張状態なので、これは「今年の夏の目標だね」と思いました。
これまでも何度も乗馬はしていらっしゃるとのことでしたが、いつも「お兄さん(乗馬ガイドさん)に引き馬してもらってた」ということだったので、自信がないうちは無理しないでいいよと。
大人が無理にやらせようって思っても、子供って意外と慎重派で強情だったりするから、「自分でやってみたい」って明るく宣言するまではそっと楽しませてあげるのが一番だと思います。(変にけしかけて、こわい思いさせちゃった挙句、トラウマ作ってしまっても申し訳ないし)
朝は穏やかに晴れてたのに、いざスタートしたら、結構な強風。
あちこちで馬の「天敵」のレジ袋がまい飛んでいました。
私の愛馬「ビビリー」はもう右見ても左見ても、「レジ袋だらけーーーー」であわあわしながら、並足の皆さんにあわせて歩いていました。
ほんとは速歩とか駆け足になって走ることに集中しちゃえば、意外とビビリーも飛び跳ねとかはしなくなってきているのですが、集団で行動するときは、どうしても慎重になっちゃうんですね。
マイ鞍(しかもモンゴル鞍!)をご持参のKさんも「深夜まで打ち合わせで、お泊りになっちゃって寝不足なのー」という過酷な状態でご参加にもかかわらず、結構、参加者の方々にアドバイスしてくださったり、お気遣いいただきながら、のんびりと約10kmほど離れた冬営地まで行くのが第一部。
冬営地は比較的風が少なく、暖かいから、のんびりするのにうってつけ。
10kmの道のりを約1時間半かけてじっくり馬のリズムや動きを体感していただきながら進みました。
途中でしっぽに針金が絡まった馬がパニクったりしたみたいで、ちょっぴりビビりました。
冬のあいだというか、先週、コースの大掃除をしたはずなので、鉄条網とか針金なんかはないはずだったのですが、風で飛んできたのか、家畜泥棒野郎のオラーナくんたちが先週きてたって噂だから、マキビシよろしくまいていったのかはわからないけれど・・・
でも、教え子のバスカたちも周辺の馬もわりと冷静だったらしく落馬とかの事故はなかったです。
行きで馬の動きに慣れてきた感じだったので、帰り道は、ちょっと大回りで道がクリアで馬も「どこを走るのか」の目標が決めやすい轍ルートでとっとこ帰りました。
自分で「乗れちゃう」人は先に行ってもいいですよーということで・・・Goサイン出したらすっ飛んでった・・・
地盤がしっかりしているので、鉄条網などの不届き者の廃棄物さえちゃんと目視確認して避けていただければ、危ないことはないルートなので、安心して疾走を楽しんでいただきました。
で、私は初心者の方々とのんびりポクポク+風がゆるい時にちょっと速歩で帰りました。
お子様がちょっと遅れ気味で心配だったんだけど、、、速歩すると「なんかお腹いたい」とのこと。でも「眠くなってきちゃった」とも言っていたので、久々の草原で「澄んだ空気」に「あたっちゃった」のかも?
それにちょっと馬が軽くパニクったのも怖かったのだと思ったので、マイペースで引き馬で・・・でベテランガイドのバチカさんに引っ張ってもらって、教え子のバスカには先に行った方々のケアを、、、と指示したら・・・
これまた8歳から馬に乗ってるよ、というだけのことはあり、すっとんでいきました。
馬と体の関係は感覚を掴んでいただくことが第一なんだけど、風が強くてなかなかお客様に指示も飛ばせず・・・「これは体で感じていただくことにして、あんまりごちゃごちゃいうのはやめようっと」ということで、時々、速歩、バランスが崩れそうになったら並足を繰り返して、午前の部は無事、終了。
お昼は持ち寄りポットラックランチ。
ご飯のあとはのんびりしつつ、「ちょっとだけ乗ってみたいな」という希望者の方を対象に、馬を交換して、「目標達成」のためのアクティビティに。
「自分で馬をコントロールしたい」というご要望のために、手綱さばきと体重移動のコツを体感していただくため、「羊・ヤギの群を誘導する」というルーティーン作業を手伝っていただきました。生まれたばかりで大人の放牧についていけない子ヤギや子羊たちをベースキャンプに残しているので、お母さん家畜たちの「授乳タイム」に家まで戻ってきてもらうという作業です。
おっぱいははってるけど、集団から離れて子供のところに行くのも嫌、という「集団心理」が羊やヤギにはあるので、群全体を誘導しなければいけないのです。
それほどたくさんの家畜がいるわけではないので、誘導はいつもは一人でやってるんだけど、これをお客様との共同作業でやることで、「自分の立ち位置」とか「誘導するための方向」などのコントロールができるようになります。
バチカさんの指示で手分けして誘導
馬たちにとってはいつもやっていることなので、「今、自分は羊やヤギの群を追うんだな」ということはわかっています。なので、乗り手の指示に従いつつ、暴走はしない。
これは去年から使っている方法なんだけど、なかなか楽しく効率的な方法です。
だって、人間は頭で考えて、「今、自分はこの羊を群に戻さなければいけない」って意識するから、その目的のために自然と体が動きます。バランスとったり手綱をうまく誘導して、馬も同じこと考えているから、気持ちを合わせやすいんですね。
これは、自分で家畜持ってるからできることだけど。
で、コントロール+「停止」が皆さんできるようになったなー、というところで、羊追い作業を終えて、「快感疾走チャレンジルート」を試してみることにしました。
風がビュービューなので、向かい風にすると馬が「風になりたい!」と暴走したとき、止めづらいので、追い風になるようにしてチャレンジ。
といいつつ、なかなか速歩から駆け足にリズムを変えるタイミングって慣れるまでは難しいんですよね。
いつもはすぐに並足からでも駆け足になる子達も、いつもと重心が違う、バランスがちょっとグラグラなお客様を乗せて、タイミングを逸してる感じがありあり。
指示を出す(心の中で走りたいって、リズムを刻む感じ)にならない限りは、あんまり駆け足にならないんですよね、うちの子達。
心が通ったなぁって馬の方も感じたところからはすごく軽快に動くので、傍目で見ていても楽しい。
安全で誰もが走りたくなる環境を作ってあげたら、あとは乗り手と馬が呼吸やタイミングを合わせれば駆け足はわりとさっくり出せます。
大事なのは、バランスを崩す前にスピードのコントロールをすること。
馬が一斉に駆け足になると、ついつい「競走心に火が付いた!」って状態になってしまうので、後ろから速歩でついていって「遅れても取り残されたりしないよ」という安心感を作っておいてあげることも大事だと私は考えています。
結果的に「一人で駆け足してみたい」とおっしゃっていたお客様たちは皆さん、目標達成です。
今回はお子様もご参加いただいたし、乗馬ガイドも「見習いくん」だし、風がビュービューで砂埃もひどくなってきていたし、思っていた以上に「天敵」なゴミが多くて、実はちょっぴりビビってました。(ビビリーのびびりが伝染したか?)
とはいえ、雨も降らず、無事乗馬アクティビティを終え、子家畜と遊んでいただいたり、自家製ヨーグルトも召し上がっていただけて、皆様にご満足いただけたようで、ほっとしました。
帰りの渋滞にはビックリしちゃったけど・・・これは私のせいじゃないもーん。
日帰り乗馬も楽しいけれど、お天気が良さそうで、星が綺麗に見えそうな時期は、1泊2日の「お泊り乗馬」もそろそろ始めたいなぁと思っています。
早く、風がやんでくれないかなー。
「ゲストゲル」を建てたいです・・・

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