モンゴルだるま@モンゴル語通訳・よろずコーディネーター兼業遊牧民です。
今週末は結構、がっつりと遊牧民な仕事してましたよー。
ほんとは4月27-29日で(29日が公休日というガセネタを掴んだため)3日間でお引越し作業するはずでした。
でも、29日が平日であることが判明し、さらに、27日に手伝ってくれるといってたガナーくんのお友達がのきなみドタキャン・・・
労働力不足のまま、引越し作業に着手することになりました。
人手不足なので、ここはやはり力仕事ができる人が優先的に仕事配分を決めることになります。
結果、
委託遊牧民4代目・バチカさん夫婦とガナーくんが、次のベースキャンプで家畜用の柵づくり、私とガナーくんの娘が冬営地周辺で、ヤギ・羊の放牧と、一旦、ママ家畜を昼に子ヤギ・子羊の授乳のためにベースに戻して、一休みさせたあとで、子無し家畜たちとは別の放牧地に子畜たちと一緒に放牧させる係でした。
軽く「そのへんで放牧させて、母家畜が一通り授乳させて、一休みしたら、残りの家畜とは別のところで、目に見える範囲で放牧させておけばいいから」と言われて、「はーい!」って軽く返事していたら・・・
エライ目にあいました。
牛小屋とか羊・ヤギ小屋の掃除をしているあいだ、ガナーくんの娘に「見張っててね」といっていたはずのヤギ・羊たちは、はるか高いおやまを超えて、どこにいるのかミッシング状態。
大慌てで、歩いて捜索活動。ガナーくん娘、途中までついてきてたんだけど、「飽きちゃった」らしく、ベースキャンプで子羊たちと遊んでるー、ととっとと帰ってしまいました。
ひとりで、なりふり構わず、ぜいぜいはぁはあ、で心臓爆発すんじゃね?ぐらいの山登り(でも空身)・山下りをすること3つ。約2時間後に発見した彼らは、元気に山の斜面で草を食べていました。
で、追いつこうとすると逃げていく、というので以前ひどい目にあった(冬にホワイトアウトの霧の中迷子になった)教訓を胸に、場所だけ目視確認して、一旦ベースキャンプに戻り、馬に鞍をつけて、本気の回収作業にチャレンジ。
馬だと楽だなー、とかなめていたら、とてもひどい目に。
ヤギはまさに山の羊。ひょいひょいとすんごいガレ場の急斜面を草を食べながら歩き回り、群は散開。まとめられない。馬も浮石にビビったり、そりゃもう大変。だって後ろで、でっかい石が、コローンコローンコローンって転がる音が谷底まで続いて、不気味なエコーがかかってたりするんだもん。
ヤギにくっついていった挙句、その先は「地面がないよ?」な絶壁に出ちゃって・・・
なんでヤギはそういうところを軽やかに、しかも何頭もが連れ立って降りられるんだろう?
にっちもさっちもいかなくなり、まさかの急斜面で馬のバック指示。後ろ見ながら、オーライオーライ・・・いやいや、こんなことバチカさんたちには絶対言えない。(日本語のできるモンゴル人、バチカさんに絶対言わないでね)
とりあえず、頭クラクラしながらの断崖絶壁バックをしつつ無事、下馬できる場所で足元を確保してから、馬からおりてホッと一息。
馬も私も落ち着いたね、一応、馬もオイラに不信感は抱いてないね(多分)というのを確認してから、歩いて馬と一緒に羊・ヤギをおっかける。
なんとか、普通の草場に群が降りたので、おとなりさんとの境界を超えないように、馬に乗って群を誘導。
そのまま、お母さんヤギ・羊たちだけ、なんとなく仕分けして、ベースキャンプまで連れ帰る。
んでもって、感動の親子再会。
大騒ぎしたあとで、親子の昼下がりの放牧へ。
ここで大失敗。実は乳の出が悪かったり、育児放棄されちゃった子羊3びきを残して牛が帰ってきたら、牛の乳搾りをして、哺乳瓶で授乳してね、って言われていたのに、3びきのうち1匹を残し間違えたー!!
ていうことは、あとでバチカさんの奥さんに指摘された。
とりあえず、母子の群を放牧に出す。
一緒になっちゃうと困るけど、同時にあちこち見られないので、別動部隊を、母子の群れといっしょにならない程度のところまで移動させ、私と馬はまんなかあたりで見張り番。
母子の群がひらけた草原の方に出て行っちゃったので、おっとっとー、と思っていたら、なんと小さい子ヤギがふっとんで転がっているではありませんか?
なに?波動砲?かめはめ波??
訳がわからないのですが、子ヤギ・子羊がぶわーーーっとパニックで散らばり、群が変な移動を始めちゃったので、あわてて、おっかけに行く。(馬に乗って来といてよかった)
うわーーーー、すごい風!!
冬営地やその周辺の谷間だと気がつかなかったけど、平原はすごい強風だったのです。
とにかく、なんとか羊・ヤギをまとめて、理想の場所(あとでバチカさんたちが帰ってきた時に伝えやすい場所)まで誘導。
この辺、ぶっちゃけ、馬まかせ。
まとめるっていっても、あんまりくっつきすぎると、なんか草の食いが悪いのです。
放牧しているからには、しっかり草を食べていただかないといけません。
そのへんの加減は、むしろ馬のほうがよくわかってるっぽい。
とりあえず、羊・ヤギともにいい感じで落ち着いてきたようなので、ベースキャンプに戻って、牛の餌の準備とチョビ(ハスキー犬 生後6ヶ月)をつなぐなどのよくやってる作業。
で、牛が帰ってきたところで、乳搾り。
で、もう一回、羊たちの群が落ち着いているところを確認しにいって、帰ってきたところで、バチカさんたちも戻ってきたのでした。
なんか先月に比べて、えらい放牧が大変だったんだけど・・・と報告したところ、
「ヤルゴイ(モウコオキナグサ)が生えてきたからしょうがない」と言われました。
なんだかんだで、軽く徒歩で8km弱。馬でも20kmの山登り・山下りコースで丸一日が過ぎました。
あらためて、遊牧民って大変だなぁって思いました。
でも、これ日常的にやってたら、絶対、心肺機能とか筋力・持久力と精神力が劇的にアップすると思います。
(といいつつ、春・夏営地に移動したら、羊・ヤギの放牧場所も必然的にかわってくると思うから、こんなにアップダウンがあるのは今だけかも?)
・・・あーーー。写真撮り忘れた、というか、電池切れで撮影できませんでした。
さらに想定外の乗馬・下馬の繰り返しで、あわあわすることも多かったため、どこでなくしたのかわからないけれど、トイレットペーパー半巻分とお気に入りのピーチスキンの乗馬用手袋を落としちゃいました。
そんな長い一日・・・
といいつつ、こんなことで遊牧民の一日は終わらないのでした。つづく

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今週末は結構、がっつりと遊牧民な仕事してましたよー。
ほんとは4月27-29日で(29日が公休日というガセネタを掴んだため)3日間でお引越し作業するはずでした。
でも、29日が平日であることが判明し、さらに、27日に手伝ってくれるといってたガナーくんのお友達がのきなみドタキャン・・・
労働力不足のまま、引越し作業に着手することになりました。
人手不足なので、ここはやはり力仕事ができる人が優先的に仕事配分を決めることになります。
結果、
委託遊牧民4代目・バチカさん夫婦とガナーくんが、次のベースキャンプで家畜用の柵づくり、私とガナーくんの娘が冬営地周辺で、ヤギ・羊の放牧と、一旦、ママ家畜を昼に子ヤギ・子羊の授乳のためにベースに戻して、一休みさせたあとで、子無し家畜たちとは別の放牧地に子畜たちと一緒に放牧させる係でした。
軽く「そのへんで放牧させて、母家畜が一通り授乳させて、一休みしたら、残りの家畜とは別のところで、目に見える範囲で放牧させておけばいいから」と言われて、「はーい!」って軽く返事していたら・・・
エライ目にあいました。
牛小屋とか羊・ヤギ小屋の掃除をしているあいだ、ガナーくんの娘に「見張っててね」といっていたはずのヤギ・羊たちは、はるか高いおやまを超えて、どこにいるのかミッシング状態。
大慌てで、歩いて捜索活動。ガナーくん娘、途中までついてきてたんだけど、「飽きちゃった」らしく、ベースキャンプで子羊たちと遊んでるー、ととっとと帰ってしまいました。
ひとりで、なりふり構わず、ぜいぜいはぁはあ、で心臓爆発すんじゃね?ぐらいの山登り(でも空身)・山下りをすること3つ。約2時間後に発見した彼らは、元気に山の斜面で草を食べていました。
で、追いつこうとすると逃げていく、というので以前ひどい目にあった(冬にホワイトアウトの霧の中迷子になった)教訓を胸に、場所だけ目視確認して、一旦ベースキャンプに戻り、馬に鞍をつけて、本気の回収作業にチャレンジ。
馬だと楽だなー、とかなめていたら、とてもひどい目に。
ヤギはまさに山の羊。ひょいひょいとすんごいガレ場の急斜面を草を食べながら歩き回り、群は散開。まとめられない。馬も浮石にビビったり、そりゃもう大変。だって後ろで、でっかい石が、コローンコローンコローンって転がる音が谷底まで続いて、不気味なエコーがかかってたりするんだもん。
ヤギにくっついていった挙句、その先は「地面がないよ?」な絶壁に出ちゃって・・・
なんでヤギはそういうところを軽やかに、しかも何頭もが連れ立って降りられるんだろう?
にっちもさっちもいかなくなり、まさかの急斜面で馬のバック指示。後ろ見ながら、オーライオーライ・・・いやいや、こんなことバチカさんたちには絶対言えない。(日本語のできるモンゴル人、バチカさんに絶対言わないでね)
とりあえず、頭クラクラしながらの断崖絶壁バックをしつつ無事、下馬できる場所で足元を確保してから、馬からおりてホッと一息。
馬も私も落ち着いたね、一応、馬もオイラに不信感は抱いてないね(多分)というのを確認してから、歩いて馬と一緒に羊・ヤギをおっかける。
なんとか、普通の草場に群が降りたので、おとなりさんとの境界を超えないように、馬に乗って群を誘導。
そのまま、お母さんヤギ・羊たちだけ、なんとなく仕分けして、ベースキャンプまで連れ帰る。
んでもって、感動の親子再会。
大騒ぎしたあとで、親子の昼下がりの放牧へ。
ここで大失敗。実は乳の出が悪かったり、育児放棄されちゃった子羊3びきを残して牛が帰ってきたら、牛の乳搾りをして、哺乳瓶で授乳してね、って言われていたのに、3びきのうち1匹を残し間違えたー!!
ていうことは、あとでバチカさんの奥さんに指摘された。
とりあえず、母子の群を放牧に出す。
一緒になっちゃうと困るけど、同時にあちこち見られないので、別動部隊を、母子の群れといっしょにならない程度のところまで移動させ、私と馬はまんなかあたりで見張り番。
母子の群がひらけた草原の方に出て行っちゃったので、おっとっとー、と思っていたら、なんと小さい子ヤギがふっとんで転がっているではありませんか?
なに?波動砲?かめはめ波??
訳がわからないのですが、子ヤギ・子羊がぶわーーーっとパニックで散らばり、群が変な移動を始めちゃったので、あわてて、おっかけに行く。(馬に乗って来といてよかった)
うわーーーー、すごい風!!
冬営地やその周辺の谷間だと気がつかなかったけど、平原はすごい強風だったのです。
とにかく、なんとか羊・ヤギをまとめて、理想の場所(あとでバチカさんたちが帰ってきた時に伝えやすい場所)まで誘導。
この辺、ぶっちゃけ、馬まかせ。
まとめるっていっても、あんまりくっつきすぎると、なんか草の食いが悪いのです。
放牧しているからには、しっかり草を食べていただかないといけません。
そのへんの加減は、むしろ馬のほうがよくわかってるっぽい。
とりあえず、羊・ヤギともにいい感じで落ち着いてきたようなので、ベースキャンプに戻って、牛の餌の準備とチョビ(ハスキー犬 生後6ヶ月)をつなぐなどのよくやってる作業。
で、牛が帰ってきたところで、乳搾り。
で、もう一回、羊たちの群が落ち着いているところを確認しにいって、帰ってきたところで、バチカさんたちも戻ってきたのでした。
なんか先月に比べて、えらい放牧が大変だったんだけど・・・と報告したところ、
「ヤルゴイ(モウコオキナグサ)が生えてきたからしょうがない」と言われました。
なんだかんだで、軽く徒歩で8km弱。馬でも20kmの山登り・山下りコースで丸一日が過ぎました。
あらためて、遊牧民って大変だなぁって思いました。
でも、これ日常的にやってたら、絶対、心肺機能とか筋力・持久力と精神力が劇的にアップすると思います。
(といいつつ、春・夏営地に移動したら、羊・ヤギの放牧場所も必然的にかわってくると思うから、こんなにアップダウンがあるのは今だけかも?)
・・・あーーー。写真撮り忘れた、というか、電池切れで撮影できませんでした。
さらに想定外の乗馬・下馬の繰り返しで、あわあわすることも多かったため、どこでなくしたのかわからないけれど、トイレットペーパー半巻分とお気に入りのピーチスキンの乗馬用手袋を落としちゃいました。
そんな長い一日・・・
といいつつ、こんなことで遊牧民の一日は終わらないのでした。つづく

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