モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
春は家畜の出産シーズン。まだまだ外は寒いけど、予定通り、羊やヤギが続々誕生しています。
春は季節の変わり目で、強い風が吹いたり、急に暑くなったり寒くなったり不安定。
ぽかぽか陽気の数時間後に猛吹雪ということがあっても、モンゴル人は誰も驚かない。
春はそんな季節です。
なので、遊牧民にとっては、結構、朝から晩まで気が抜けない季節ともいえます。
朝、家畜を放牧に出すときに、まず、出産間近な家畜を見極めて、群とは別にしなければいけません。
まだヨチヨチ歩きで体力のない赤ちゃんたちが、お母さんの放牧にくっついていかないように選り分けて、子家畜用の囲いに隔離します。
お母さんたちが放牧に出てる間に赤ちゃんがおなかがすかないよう、赤ちゃんにしっかりおっぱい吸わせておきます。
乳の出が悪い母家畜の子供は、「おっぱい母さん」(おもにヤギ)に貰い乳をしています。
とはいえ、「なんで私が赤の他人の子におっぱいあげなきゃいけないのよ!」と赤ちゃんなのに容赦なく角でどつく山羊もいるので、遊牧民は「チャイクチャイク」とか「ぷるる、ぷるる」(唇を振動させて出す音)と声を出しながら、赤ちゃんがしっかり「乳母」からおっぱいを飲めるようにします。この辺は、長い長い歴史と共に培ってきた遊牧民の智慧なんだなぁって思う。
元気な子ヤギとかだと、ママのおっぱいもしっかりもらってるのに、押さえつけられて身動きが取れなくなってる乳母山羊から、「盗み飲み」する輩もいます。
山羊の乳首は2個ついてるんだけど、1個を虚弱な子が飲んでるすきにもう一方の乳首にしゃぶりついてるってわけ。
ほんの数日の差でも赤ちゃん家畜の成長の差は大きいんですね。
さて、そんな保育園状態の家畜小屋の居残り組の「出産控え」の家畜。
いったい、どの辺で出産間近かどうかを見極めるのか?
牛なんかは私でもなんとなくわかるんですけどね。
お尻の穴じゃない方の膣の周りの陰唇がぶわーっと赤く充血して、ふるふるに柔らかくふくらんでくると、「そろそろかな?」となります。
あと、乳房がぱっつんぱっつんにミルクで張るのです。
そして、おなかの中の赤ちゃんも「動くよ、そろそろ出ちゃうよ」という感じで、おなかをさすると、反応してくる。
でも羊やヤギって、あんまりよくわかんない。
表情がないから。
ただ、そわそわして、よくたったり座ったりを繰り返し、ぐるぐると歩き回るようになってるのは、「そろそろかも?」と放牧に出さないようにしています。
2009年の秋に初めて家畜(羊の母子80組、山羊の母子60組)を購入し、歩いて、最初の冬営地まで移動したときの仲間(と私はすごく親近感を持ってる)のヤギが、出産間近っぽかったので、ずーーーっと見守ってました。
「見ている山羊は出産しないよ」と言われたので、気がかりだったのですが、なんだかとっても苦しそうなのに、私が見守ってるばかりに出産できない、難産になったら申し訳ないな、と思ったので、子牛に干し草やったり、ゲル周りの牛糞を片付けたりと別作業をしつつ、ゲルの中でお茶を飲んだりしてました。
牝牛のハラーのときも、こんな風にお茶を飲んだりのんびりしてる間に、気がついたら、スルリと産んじゃってて立ち会えなくて悔しい思いをしたので、なんとか山羊の出産シーンは見てみたいなーと思いつつ・・・どうなるんだろ?
とにかく毎日2-3頭ずつ生まれているのに、ほんの一瞬目を離すと、「今だ!敵が油断したぞ」とでも思ってるかのように、すっと産んじゃってるのです。
今回こそ、絶対、その決定的瞬間を見てみたい!!
もう既に過去4回の出産シーズン中に何十回も見損なっているので、その執念もピークに達するってなもんです。
モンゴル人の遊牧民は特にそこまでは思い入れないみたいなんだけど。
さて、モンゴルの春。
ごたごた解決して、これから再生・復興をめざすモンゴルだるま牧場で、私は山羊の出産に立ち会えるのでしょうか??
とか、ひっぱっとく。
読者の皆様の中にも、せっかくだから見てみたいって人もいらっしゃるかなぁ・・・って。
ここまでひっぱれば、きっと「立ち会えたんだろ」と思うでしょ?

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春は家畜の出産シーズン。まだまだ外は寒いけど、予定通り、羊やヤギが続々誕生しています。
春は季節の変わり目で、強い風が吹いたり、急に暑くなったり寒くなったり不安定。
ぽかぽか陽気の数時間後に猛吹雪ということがあっても、モンゴル人は誰も驚かない。
春はそんな季節です。
なので、遊牧民にとっては、結構、朝から晩まで気が抜けない季節ともいえます。
朝、家畜を放牧に出すときに、まず、出産間近な家畜を見極めて、群とは別にしなければいけません。
まだヨチヨチ歩きで体力のない赤ちゃんたちが、お母さんの放牧にくっついていかないように選り分けて、子家畜用の囲いに隔離します。
お母さんたちが放牧に出てる間に赤ちゃんがおなかがすかないよう、赤ちゃんにしっかりおっぱい吸わせておきます。
乳の出が悪い母家畜の子供は、「おっぱい母さん」(おもにヤギ)に貰い乳をしています。
とはいえ、「なんで私が赤の他人の子におっぱいあげなきゃいけないのよ!」と赤ちゃんなのに容赦なく角でどつく山羊もいるので、遊牧民は「チャイクチャイク」とか「ぷるる、ぷるる」(唇を振動させて出す音)と声を出しながら、赤ちゃんがしっかり「乳母」からおっぱいを飲めるようにします。この辺は、長い長い歴史と共に培ってきた遊牧民の智慧なんだなぁって思う。
元気な子ヤギとかだと、ママのおっぱいもしっかりもらってるのに、押さえつけられて身動きが取れなくなってる乳母山羊から、「盗み飲み」する輩もいます。
山羊の乳首は2個ついてるんだけど、1個を虚弱な子が飲んでるすきにもう一方の乳首にしゃぶりついてるってわけ。
ほんの数日の差でも赤ちゃん家畜の成長の差は大きいんですね。
さて、そんな保育園状態の家畜小屋の居残り組の「出産控え」の家畜。
いったい、どの辺で出産間近かどうかを見極めるのか?
牛なんかは私でもなんとなくわかるんですけどね。
お尻の穴じゃない方の膣の周りの陰唇がぶわーっと赤く充血して、ふるふるに柔らかくふくらんでくると、「そろそろかな?」となります。
あと、乳房がぱっつんぱっつんにミルクで張るのです。
そして、おなかの中の赤ちゃんも「動くよ、そろそろ出ちゃうよ」という感じで、おなかをさすると、反応してくる。
でも羊やヤギって、あんまりよくわかんない。
表情がないから。
ただ、そわそわして、よくたったり座ったりを繰り返し、ぐるぐると歩き回るようになってるのは、「そろそろかも?」と放牧に出さないようにしています。
2009年の秋に初めて家畜(羊の母子80組、山羊の母子60組)を購入し、歩いて、最初の冬営地まで移動したときの仲間(と私はすごく親近感を持ってる)のヤギが、出産間近っぽかったので、ずーーーっと見守ってました。
「見ている山羊は出産しないよ」と言われたので、気がかりだったのですが、なんだかとっても苦しそうなのに、私が見守ってるばかりに出産できない、難産になったら申し訳ないな、と思ったので、子牛に干し草やったり、ゲル周りの牛糞を片付けたりと別作業をしつつ、ゲルの中でお茶を飲んだりしてました。
牝牛のハラーのときも、こんな風にお茶を飲んだりのんびりしてる間に、気がついたら、スルリと産んじゃってて立ち会えなくて悔しい思いをしたので、なんとか山羊の出産シーンは見てみたいなーと思いつつ・・・どうなるんだろ?
とにかく毎日2-3頭ずつ生まれているのに、ほんの一瞬目を離すと、「今だ!敵が油断したぞ」とでも思ってるかのように、すっと産んじゃってるのです。
今回こそ、絶対、その決定的瞬間を見てみたい!!
もう既に過去4回の出産シーズン中に何十回も見損なっているので、その執念もピークに達するってなもんです。
モンゴル人の遊牧民は特にそこまでは思い入れないみたいなんだけど。
さて、モンゴルの春。
ごたごた解決して、これから再生・復興をめざすモンゴルだるま牧場で、私は山羊の出産に立ち会えるのでしょうか??
とか、ひっぱっとく。
読者の皆様の中にも、せっかくだから見てみたいって人もいらっしゃるかなぁ・・・って。
ここまでひっぱれば、きっと「立ち会えたんだろ」と思うでしょ?

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