モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
去年の秋からこの冬の間中、ずーっとゴタゴタしていた問題=委託遊牧民の家畜横領事件が一昨日、突然、解決しちゃいました。
羊28頭、馬2頭、種オスヤギのモートンを、家畜委託契約をしていたオラーナくんがトラック欲しいという私利私欲の暴走で売り払われちゃったことが判明し、さらにオラーナくんが28歳の奥さんを捨てて、40歳、3人の子持ちの人妻(旦那は現在、家畜泥棒と傷害事件で拘置所暮らし。求刑は懲役8年でまだ裁判中)との愛欲生活に溺れちゃった、ということで、なんとかオラーナくんに「他人のものは盗っちゃダメなんだ。」という罪の認識と、更生をしてほしくてがんばりましたが、結局「金で解決すりゃいいんだろ」という姿勢の彼をかえることはできませんでした。


でも、とにかく、ずーっと彼がみとめなかった種オスヤギの取り替えを専門的な機関などの調査・検査によって科学的に証明することができ、モートンはかえってこなかったけど、お金は取り戻すことができました。

また馬・羊の盗んだ頭数については、全部認めさせることができて、お金が返ってきた、ということで私たちも、この問題にケリをつけ、とっとと次のステップにいったほうがマシ、という判断をしたのです。

今回の事件によって、モンゴルの警察・司法の制度的なところで、外国人がモンゴルでなんらかのトラブルの被害者になったときに戦いづらい理由もよくわかりました。

ひと冬分の時間と燃料代・道路通行料等のちまちまと「塵も積もれば山となる」といった感じの大金をはたいて、外国人がAwayなモンゴルで自分たちの正当な権利である「損害を取り戻す」を主張し、権利を守るための法的根拠を勝ち取るための戦略とか作戦とか交渉方法をつかみました。

今回の問題は、たまたま「家畜」の横領という、ローカル中のローカルな舞台からスタートしたけれど、これは、「投資」とか「株」とか「業務提携」とか「融資」など都会でも行われる国際的なビジネスの交渉でも、起こりうる問題であり、そして、問題が生じる根幹部分は共通しています。

これから、ますますモンゴル国は、鉱山開発・鉱工業部門の発展、建設業、金融業などの分野で急成長していくでしょうし、「モンゴルは儲かる」ように見えるから、投資家さんの注目をあび、実際、日本や欧米諸国からの投資や銀行口座開設しての「財テク」とかはやるかもしれません。

経済成長のテコ入れがあるのは、よいことだと思いますが、その反面、忘れてはいけないのは、まだモンゴルは「資本主義」経済になれていない。資本・資産を築くプロセスや、国際ビジネスのルールにのっとって、他人の「財産・資産」の運用を「責任をもってする」ということに慣れていないということです。

「責任を取る」という感覚が、日本人に比べると希薄であることは否めません。
それは、今、大人になっている人でも、多くのモンゴル人は社会的に「責任」とか「自分の非を認める」ことが「良い」、「責任をとるのがよいことだ」という教育やしつけを受けていないからです。

社会主義時代からずっと「誰かのせい」にして、数字をごまかしたり、賄賂で解決したりして、責任逃れや罪の隠蔽、もみけしをするための処世術を磨いてきている。

その不正にたいして「No」を言う人は、社会的に淘汰されたり、なかなか出世できなかったりする。

逆に、遊牧については、家畜の管理は自己責任で、自分のものは自分で守る、のが基本。
だから、今回の横領事件などについては、「他人に預けた家畜は太らない」ものだ、といって、最初、警察でもとりあってもらえませんでした。家畜財産の30%にあたる被害にあったとしても、それは最初泣き寝入りしなければいけない、というところからのスタートでした。

「他人に預けたもの」がどうなったとしても、それは「預けた方の責任」という考え方がこの国にははびこってるのです。

こういう意識の差がスタート地点のハンディとなりました。

でも、この経験をしたのが私でよかった、と思います。
私は、こんなことぐらいでモンゴルを嫌いになったり、モンゴル撤退を考えたりしない。
そして、この経験が、これからモンゴルで投資や融資、ビジネスの進出をする日本人がトラブルにあったときや悩んだときに役立つと確信しています。

時間もお金も結構費やして、疲労困憊にはなりましたが、痛みや悔しさ、不安などを全部自分で引き受けたおかげで、この経験はゆるぎない自信となっています。

モンゴルで何かトラブルを抱えてしまったとき、なかなか「誰に相談すればいいの?」と悩んでしまう人、多いと思います。

そんなときに、モンゴルだるま=私のことを思い出していただけたら嬉しいです。

フェイスブックではわりと逐一報告し、弁護士さんそのほか、いろんな人たちからご助言をいただき、ご支援もいただきました。

相談相手がいる、応援してくれる、協力してくれる人がいる。
サポートに乗り出してくれる人がいる、というだけでも、すごく心強く、勇気をもって戦うことができました。

困った人に対してのサポート、というのは日本人もモンゴル人も関係ない。
引き際や解決のゴールをどこに設定するか、などなど、専門的なアドバイスもあれば、ほんとに私のことを心配し、心の根っこの部分を支えてくれた人たちもいました。

こういう方々の御厚意に報いるためにも、私が今度は誰かをサポートしていく番です。

「モンゴルでは外国人は泣き寝入りするのが当たり前」と諦める前に、まずご相談いただけたら嬉しいです。

今回は一応「全額取り戻す」ことができましたが、以前に私はとても信頼していたビジネスパートナーにがっつり騙されて「華麗なる大敗北」の苦渋を味わったこともあります。
勝ったり負けたりしながら、だんだん戦い、紛争の戦術や戦略、解決の手段を会得してきました。

スムーズにトラブルなく経営、活動ができれば一番いいのかもしれないけれど、七転八倒、七転び八起きで獲得していく「生身ならではの経験」が私の一番の強みかもしれません。
名前も「モンゴルだるま」ですからね。悟りはなかなか開けないけれど、

どこまでこのブログでこのトラブルについてを語り続けていたのか、忘れちゃったんだけど、ともかく、解決したよ、ということ。

そして、この経験を武器に、モンゴルと日本の両国の交流が深まることで生まれる軋轢やトラブルを解決するサポート業務・コンサル業務もこれからはやっていけるなー、って手応えを掴んだことのご報告です。

これまで何度も、いろんな方々から、「コンサル業務やアドバイザーも仕事として稼げばいいのに」ってご助言いただいていました。

そのたびに「日本でビジネスの経験もないし。」と尻込みしていました。
そうやって尻込みしながらも、実は「今回のこの家畜横領事件をきちんと納得できる着地点まで自力でもっていって、解決、というか最後まで戦い続けることができたら、やってみよう」と考えていたのです。

今回は弁護士さんとか「裏の手」とか個人的なコネとか一切使わず、正攻法で戦いました。
だから、ほかの方のトラブルにも応用できる、っててごたえがあるのです。

悩みがあっても、なかなか他人に打ち明けられない方もいる。
特にモンゴルでビジネスやろう!ってがんばって進出してきて、誰かに「騙された」っていうのは世間体が悪いとか、恥ずかしいって思っちゃったりすることもあると思う。
どうせ、やっても無駄だって周りの人から言われて、自分も「あきらめよう」ってことで本来取り戻せるはずの財産も自らの意思で捨てちゃう人もいると思う。

「負けるが勝ち」というときもあると思うんだけど、時と場合による。

いつもいつも外国人が「負ける」ことを自分の意思で選択し続けることで、ますます、同じパターンの犯罪がはびこり、犯罪者は野放しのままでどんどん肥え太っていく。成り上がっていく。

そんなへんてこな社会がどうやって国際的なビジネスや国際協調をやっていけるか?

そういう意味で、ほんとにモンゴルの発展や成長を望むならば、一緒にWin-winの関係を築いていこうと思うならば、「ダメなものはダメ」ということをきっぱり主張したほうがいい。
その「ダメなものはダメ」ということをモンゴルのシステムのなかでどうやって主張し、通していくか?

このノウハウやマインドが私がご提供できるサービスです。

ご相談のある方はmongolhorizon*gmail.com (*を@にかえてくださいね)まで、「ブログ読みました」って一言おかきそえの上ご連絡ください。

モンゴルと日本が共存共栄できるように、健全なビジネス活動で、経済活性化ができるよう、一緒にがんばりましょう。

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