モンゴルだるま@モンゴル語通訳・翻訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
1月末までは通訳のお仕事、その後もちょっとしたお小遣い稼ぎ(私じゃなくてドライバーさんたちがねw)の手配仕事に恵まれ、なんとか2月11日からのモンゴル旧正月「ツァガンサル」の準備資金が作れました。

いろんなことでバタバタしてたり、ブログで書いていいこともあれば、悪いこともあるよね、と日々、ぶっちゃけ記事を連発している私も考えちゃうこともあったので、ご無沙汰してしまいました。

さて、家畜横領事件ですが・・・
なんと地元のソム警察から、本来なら捜査機関であるトゥブアイマグの警察に私が提出した被害届がおくられていて、そろそろ捜査されているはず・・・だったのですがなんと、ソムのほうでストップだったようです。

多分、村から犯罪者を出したくない、とか、「家畜担当者」とかいう村役場のおばさんがローヤおじさんたちと同じ敷地内に住んでいる仲良しさんだという御縁で握りつぶし工作が行われた模様。

最初の被害届をガナーくんが提出してから3週間、私が提出してからも、15日間が経過していたので、「もう、ええやろ」と思い、あらためて,本来捜査してくれるはずの警察機構に捜査をしていただけるように被害届の再提出をしました。前回は、地元警察の人が書いたものに私がサインという形での提出でしたが、今回は、前回の経験を踏まえたうえで、自分なりに書き直して提出しました。結構、分厚くなっちゃったので、逆に詳細すぎて「めんどくさい」と思われたらそれはそれで困るけど・・・。

また、家畜犯罪対策協会の会長さんとやらも相談に乗ってくれて、昨日初めて直にお目にかかったわけです。

会長さんがいうには、ガナーくんと私が固執している「モートン」そのものを返還してもらうってことについては、望み薄だから、あんまり執着するな、と。

それ以上に、馬2頭、羊30頭以上っていうのは、被害額としても、やり方としても相当にタチが悪い。

家畜被害というのは私が想像していたとおり、私たちと同じように委託遊牧をしていて、預け先に横領されてしまうというケースなんだそうです。
身も知らぬ人がそのへんで放牧されている家畜を盗むというケースはめったにないらしい。

そして、口約束で契約書も交わしていないから、泣き寝入りするしかないケースばかり。

特に今回は、家畜所有者が外国人の私、ということで、村のほうも「地元民VS外国人」という構図で真剣にとりあつかわなくなる。

ここまで聞いて、私、暗澹たる思いになりました。
もう打つ手はないのか・・・

でも、会長さんからこんな提案。(モンゴル人から提案があるときは、大体、結構な額の出費が伴う)

モンゴル公営テレビに「モンゴル家畜犯罪対策」の取り組みの一つとして番組を作ってもらう。
また全国放送?のラジオ局で放送し、犯罪者が逃げられないように、また地元警察なども捜査をちゃんとやらないとシビリアンコントロールがあるんだよ、というプレッシャーをかける。

また家畜被害対策協会としても捜査機関に通報し、相談し、この事件にきちんと対応してもらうようにする。

ということ。お金がかかるのは、テレビ局での番組作り。30-40分くらいになるらしい。
ラジオのほうが10万トゥグルグ(7000円くらい)とか。

まぁ、これは寄付金と思えばいいや。

でも、ツァガンサル前に放送できるかどうか、わからないといっているし、そもそも、このクソ忙しい時期にテレビをのんびり見ている人もいないと思うから、むしろ、世間の人の目にさらされるツァガンサル以降でいいやと思っています。(この辺、視聴率を気にしながらお仕事していた元テレビ業界の底辺の人っぽいでしょ?)

いろいろ悔しいことや悲しいこともなかったわけではないけれど、とりあえず、淡々とこの事件に対応しながらも、お仕事に恵まれたり、今後のお仕事につながりそうな方々との御縁に恵まれたり、ツァガンサル用のボーズ用の肉とか小麦粉とか、ヘビンボーズ(鏡餅みたいなもの)一式とか、とりあえずのお正月の準備もできるくらいの臨時収入は入ってきたし(といってもいつも臨時収入なんだけど。今年はもうちょい安定的な仕事にとりくまなきゃね)、元気に楽しくやってます。

これからはホントの意味で司法の手に委ねられるため、私たちも捜査状況とかはわからなくなっちゃうんだと思うけれど、当ブログの読者の皆様のなかには、この件「ハラハラどきどき」見守ってくださる方も大勢いらっしゃると思うので、まずはご報告まで。

今回の事件で私が学んでいることは、
「自分が失ったとか思って落ち込まず、淡々と暮らしていれば、意外と精神的なダメージとかストレスに襲われることはない」ということです。

人によっては、私がいつも「モンゴル人に騙されてる」「モンゴル人といつも戦っている」人だと誤解しているようですが・・・(大学の後輩で、去年まで中途採用で外務省に入省した「堅実人生のお手本」みたいな大使館員に言われて、相当にショックだった・・・)
私個人がモンゴル人相手に戦ってる、というよりは、モンゴル人社会にはびこっているいろんなトラブルに対しての対処法を身をもって経験することで「前車の轍を踏まないでねー」っていうことで、具体的に、トラブルに見舞われた人のサポートができるように、という活動のひとつと捉えていただけるとありがたいです。

漏水とか停電、漏電、モンゴル人とのお金の貸し借り、恋愛のもつれ、失恋、ストーカー、詐欺、めんどくさい書類仕事、仕事上の人事トラブル、渋滞対策、タクシーの乗り方、美味しいレストラン、まずくてサービスの悪いレストラン、気持ちのよいホテル、危ないホテル、地方での暮らし方、遊牧文化、旅行、起業、犬などペットの飼い方、馬や牛との付き合い方、ハートブレイクしたときの癒し方などなど。

自分がいろんなパターンを経験したからこそ、そして、失敗例(うまく行かずに「負けた」とか「悔しかった」とか「屈辱感で涙した」とか)と成功例(うまく対処して皆がハッピーになれたとか、自分のなかで、「いいこと学びました」の満足感が得られた)をそれぞれいろんな形でつかめています。

理屈や法律上の手続きなどでの対応だけでなく、心のメンテナンスとか、人間関係の潤滑油的な対応とかも、モンゴル国に限らず、人間社会では大事でしょ?

めんどくさくなったり、「お金で解決」できちゃったり「有力者・権力者」人脈でなんとかしちゃったり、ということのほうが外国人の場合、多いとは思うんですけどね。

でも、底辺で庶民的な生活をしている人が、地道に奮闘するってことも少なくないはず・・・

なので、マイナー思考な私がひとつひとつ、体験することで、参考事例を作っていくことは、まぁ、多分、活用されることも少ないとは思うけど、でも無駄なことにもならんじゃろ、と。

今回の家畜騒動については、私も想定外な方向にどんどん迷走するので、「なにこれ?面白すぎ!!」って展開ばかりで、被害総額は決して小さくはないんだけれど、「なんか元とれちゃってるんじゃないの?」という気分のほうが大きいため、なんだか楽しんでいる自分もいるのです。

ちょっと心配していただけると心の慰めになるけれど、あんまり心配して大げさに取られて、「モンゴル人ってだから嫌い」とか「ひどい国だなぁ」とか思われちゃうと、「いや、そんなこと全然意図してませんから!」ときっぱり否定したいです。

私、今のような状況(以前に、今以上に強烈に悲惨な目にあったこともある)に遭遇したからといって、落ち込んでモンゴル人を恨んだり、モンゴルから撤退しようとか、家畜を飼うのは諦めようとか思ったことは一度もないのです。

波乱万丈こそ我が人生・・・カルマを解消するための修行の一貫と思って、楽しみながら一生懸命生きようと思っております。応援してねw

そんなわけで、今日からハッピー気分でお正月の準備にとりかかります。

「雪原の我が家」では、また子羊が生まれているそうです。

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