モンゴルだるま@モンゴル語通訳・翻訳・エコツーリズム仕掛け人兼業遊牧民です。

暫定的4代目委託遊牧民のおじさんは順調に仕事に慣れつつあるようです。

3代目委託遊牧民オラーナくんとその父親で2代目委託遊牧民ローヤおじさんの家畜虐待がどれほどひどかったか、わかった気がする、とガナーくん。

追加の装備や家畜用のミネラル(ホジルという塩分・マグネシウムなどの塊)と石炭(オラーナくんがひと冬分の薪として私が資金供出して伐採したはずのものを自分たちの分を残して全部売却しちゃったから)などの調達のためにウランバートルに戻ってきたわけですが、ほんと、私がモンゴルに戻ってきてからの出費は相当なもの。本来、契約通り、まともに3代目が働いていてくれればこんなことにはならなかったのに、と思うと腹が立つ。

けど、遊牧民チェンジしてよかったと思います。

改良品種「アラタオ」の種オス(3歳)に水をあげたところ、なんと5分も経たないうちに20リットルの水を一気に飲み干したというのです。

牛は反芻動物なので、冬でもたくさんの水を必要とします。反芻するためには、食べ物(この場合は干し草とフスマと凍ったカブ)を消化しながら、反芻胃のあいだをいったりきたりさせるために、ブツをドロドロにしておく必要があります。ドロドロにさせてなめらかにするために水が必要なのです。

羊やヤギも反芻動物ですが、彼らは放牧中に枯れ草と一緒に雪を食べて自分で水分補給ができます。

牛は食べる量も飲む量も羊やヤギに比べて、10倍以上。

なので、家畜の中では冬は一番手がかかります。
冬の遊牧民の仕事で一番時間がかかるのが、雪を融かしての水づくりです。
あるいは、近く(といってもこの場合は約10kmほど)の井戸まで1日おきに牛を連れて行って水を飲ませることになります。

雌牛たちは水も飲めず、餌も放牧中の枯れ草のみで反芻できず、おまけに乳搾りの際に、ローヤおじさんの奥さんに蹴られたり、殴られたりしているうちに、乳が出なくなったというわけ。

でも、水を飲ませて、餌を上げて可愛がってあげていたら、またオチチを出してくれるようになるかも?一応、仔牛たちはまだおっぱい飲んでいるようですから、乳が出ていないわけではないはず。

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 この仔牛たちにとって、初めての越冬は随分と厳しいものになってしまいました。
でも、夏に蓄えた体力で乗り切って欲しいです。


ガナーくんたちが確認したところによると、羊・ヤギと馬はそれほど衰弱した感じはないとのこと。
問題は、水が飲めないうえに、補助飼料も干し草ももらえていなかったり、ネムネー(防寒用カバー)もかけてもらっていなかった牛たちでした。
でも、この心配も、世話係を替えたことで徐々に改善されるはずと期待しています。


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