モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
今週は久々にウランバートルの自宅アパートで過ごしました。
週末は草原の我が家(先週の土日で秋営地に引っ越しました)に帰ります。
越冬準備、それなりに落ち着いたとはいえ、補助飼料の燕麦やフスマなども調達する必要があるので、最終的にどのくらいの量になるのかを試算・打ち合わせするため。
また今年の冬は雪が多く、寒さもかなり厳しいものになる、という噂が流れているので、暖房用の石炭を調達するための予算を概算するため、近くにあるナライハ炭鉱の石炭相場を調べる予定です。

ナライハ炭鉱の石炭はいわゆる褐炭と言われる質がそれほど良くない、安い石炭と言われていますが、その相場が需要と供給のバランスで変動するので、今年は本格的な厳寒期となって石炭が値上がりする前に、まとめ買いをしておく作戦。

去年は、ほとんどを薪でまかなっていました。
でも、今年はウランバートル市の大気汚染対策の一環としてゲル地区で配られている低炭素ストーブがもしも「余ったら」定価で調達して、冬の我が家で試してみようと検討中。

低炭素ストーブは、一般的なストーブに対して、約3-4倍の値段ですが、煙は80-90%カット、そして消費石炭量は従来のストーブの30%程度で済むとのこと。
ウランバートル市内の約6割がゲル地区に居住し、石炭を暖房用燃料として使っているということで、大気汚染対策・CO2削減のためにゲル地区住民はすっごい格安で購入することが可能です。(詳細は大気汚染対策プロジェクトの公式ホームページを参照のこと。http://cleanair.mn)

燃費が良くて、ゲル地区のプロジェクト対象地域の住民が購入できるストーブはコチラ

森が近い遊牧民は乾いた牛糞燃料=アルガルの代わりに地方行政の許可を得て伐採した薪を燃料としています。うちの委託遊牧民も牛糞より薪を使うのに慣れてしまっているのですが、やはり薪だと使う量が半端じゃない、というのが気になっていました。

ならばこの燃料代節約型の低炭素ストーブを草原でも導入したら、貴重な森林資源を守るためにも有効なのではないか、ということで、「もしも、今回の配布で申し込み台数よりも在庫が多かったら、分けて欲しい」と交渉中。

伝統的なシンプルな遊牧生活を、と思っていましたが、オラーナ君とムギさんという若い世代で熟練していない遊牧民にとっては、すべてを昔のとおり、と言われても酷な話。
伝統的な遊牧技術というのは熟練していればこそ、厳しい環境でサバイバルできるのであって、未熟な人たちが子供の頃の記憶を頼りに手探りで、「伝統的っぽい」やり方で失敗して、貴重な家畜を失うのも困ります。
あんまり厳しい要求をしすぎて、委託遊牧民がやる気を失って、「やーめた」となってしまっても困るので、根本的な遊牧民としての核の部分は大切にしつつ、遊牧民にも普及している技術は導入して、その効果を比較していこう、と今年から方針を変えることにしました。

低炭素ストーブは市販されていないようで、どこにいっても見当たりません。
カタログはあるのですが、問い合わせをしようにも連絡先は呼び出し音ばかりで誰も出てくれません。やっぱり一般人が定価で買いたい、といっても在庫が追いつかないってことなのかなぁ?

なんかストーブごときでこんなにワクワクするなんて・・・

といいつつ、大好きな「大草原の小さな家」のテレビシリーズで、主人公のローラが意地悪な商店の娘・ネリーに愛馬を売った代金で母さんのクリスマスプレゼントに「最新式ストーブ」を買う、というエピソードを思い出しました。

まだ10月初旬で過ごしやすい日々ですが、もう2ヶ月もしたら、しっかり氷点下の世界になるのですから、越冬準備は家畜の餌や小屋だけでなく、人間のための準備もしっかりしないとね。

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