モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツアーガイド兼業遊牧民です。
明日から久々の馬旅です。
全部テント泊で草原と森と渓流と湿地帯を行きます。


馬に乗れる、というのと馬で旅するっていうのは、似て非なるもの。
日帰りで乗る時と、日々馬とともに移動する時では、ちょっと乗り方も変わります。
今回の旅では、そんなことを意識したコース作りと仕掛けを考えています。

私のモンゴル乗馬体験プログラムをざっくり大別してみました。

日帰りで馬に乗るときは、基本的に1日で「初心者でも独りで走れる(キャンター)ようになる」を目標に、「馬とのコミュニケーションや草原の風・馬の背中の高さからの視界を楽しんでいただく」ことを目的としています。

走れるようになるには、それなりに馬とともに過ごす時間が必要。
だから、比較的タップリ乗っていただくことになります。
決して無理はしないで「もうちょっと乗りたいな」ぐらいで止めるときもあれば、お客様がイケイケGoGoで夢中になってるときは「ひゃーーー、大満足」っていうくらいまで文字通り日暮れまで遊ぶこともあります。

一日ぐらいの乗馬なら、多少乗り手が未熟で乗るときの体重移動がうまくいかずに馬の背中を痛めそうになったとしても、ダメージはそれほどないし、午前ご午後で場合によっては馬を交換したりもできます。

ちょっとそのへんを一周するだけでいいわ、という方でも馬とのふれあいをお楽しみいただいて、「そのへん」なりのテーマを決めてご案内するようにしています。
新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-ちょっと馬でそこまで

ほんの1時間ほどの体験乗馬の場合は、初めての方は乗馬ガイドが引き馬。決して暴走ペースにならないようにユッタリと草原の風を楽しくポクポクと軽やかに走ります。
自由さを感じていただくために、ヘルメットやプロテクターなどは使わず、逆に馬もおとなしく暴走しない子達に乗っていただきます。



馬旅の場合は、まずはお客様の乗馬レベルに合わせて、天候や日数なども考慮にいれて、コースどりとペースを決めます。

連日馬に乗ることになりますから、それぞれの1日ごとにちょっとしたテーマを軽く決めておきます。

初日はわりと軽めのペースでできるだけ、足場がよいところで平坦な感じのコースを取り、馬との信頼関係を築き、お互いを理解できるような時間とする。
体が慣れていないと筋肉痛もひどくなるので、3-5時間程度乗ったら、キャンプできる場所を探します。

日が高いうちにもったいないなー、もっと移動したいなーというくらいで止めておくことで乗馬意欲がキープできる、ということもあります。
$新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-馬旅
 モンゴル民族衣装「デール」は馬旅に最適。ちょっとトイレに行きたいときの隠れ蓑・夜寝るときのお布団替わりにもなります



また馬の体調を見るということも。
普段、日がな一日自由に放牧されて草をモリモリ食べている馬も、お仕事中はほとんど草も食べなければ、水も飲みません。
だから、ちょっとの移動でも、自由きままに移動しているときに比べて、ちょっぴりストレスだったり、疲れがたまってたりするかもしれません。
なので、日が高いうちに休ませて、馬の休養をとらせます。

2日目からは徐々に移動距離を伸ばして、馬と人が気持ちよく移動できるようにしていきます。
ちょくちょく休憩をとって、モンゴルの自然が育む生態系や馬の生態などについての豆知識などをお伝えしながら、「馬とモンゴル」と旅することの楽しさや醍醐味などをお客様とシェアさせていただきます。

その後は、日数によって、まぁ、いろいろ。
だんだん馬のほうも旅を楽しんでくれるようになるし、毎日馬に乗る、ということがお客様にとっても「日常」のように慣れてくる。
新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-ダイナミックな馬旅
 初心者でもダイナミックな馬でしかいけないコースでの馬旅トレッキングを満喫いただけます。写真は、モンゴル最北の県・フブスグルでの旅です。


キャンプをはる場所をどこにするか、などもいろいろ考えますが、モンゴルは世界でも珍しい自由気ままにテントで馬旅ができる国なんじゃないかなぁ・・・。
逆に自由気ままにテント泊でキャンプできちゃうからこそ、自然に対するインパクトについては、気を使います。

日帰り乗馬を何度も経験することで得られるのは乗馬のテクニック。
馬旅を経験することで得られるのは、馬とのコミュニケーションの楽しさや自然・馬・遊牧民などに対する文化的・精神的な理解であり、自然とともに暮らす生活の知恵。

ざっくり言えばそんなところでしょうか。
馬旅のときには、大疾走はそんなにしません。
最終日に家に帰るときは馬も心がはやるからパーっと走ったりすると思うのですが、そういうスペシャルな場合以外は、基本的に、早足程度。

パカパカパカパカとジョギングぐらいのペースで進みます。

大疾走の醍醐味を味わいたい!という場合は日帰り乗馬か、ベースキャンプを決めていろんなコースを日替わりで楽しむ滞在型の旅。
馬と自然を満喫したい場合は馬旅トレッキング。

そんな感じで、短いモンゴルの夏を馬と遊牧民と一緒にお楽しみいただければよろしいかと存じます。

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