在モンゴル日本大使館のホームページにあった注意喚起です。
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モンゴルに滞在及び旅行中の皆様へ
先日,邦人旅行者が地方でキャンプ中にたき火をしたところ,周囲の草木に火が燃え広がり,付近の建造物を全焼させるという事案が発生しました。
風が強く,乾燥している気候条件のため,不用意な火の取り扱いが思わぬ大火事の原因になることがあり,特に国立公園や国定公園内でこのような事案を起こせば厳しく罪に問われることになります。
これからの季節バーベキューやキャンプ等を楽しむ機会が増えますが,屋外で火気を使用する場合には,周囲の状況や気象条件を十分にお考えいただき,たばこをはじめ火の始末には十分にご注意下さい。
とのことです。
以上、引用終わり。
こっからは、私の私見です。
火の不始末が大惨事を引き起こす、というのは、モンゴル国のように人口密度が超低いところでは、よくあっちゃ困ることです。
特に今年は、当ブログで嘆いているほど、例年に比べて雨が少なく乾燥しています。
そして、雨は降らないくせに、やたらと低気圧が発生し、生暖かい強風が吹き荒れる傾向があるので、ちょっとした火の粉でも、大火事に発展する危険性があるのです。
大抵、ニュースになってるのは、密猟者とか木材の違法伐採者のたばこの不始末とか焚火の火を消しきらなかったことから起きる草原や森林火災です。
でも、今回は、どうやら邦人旅行者によるという。。。
付近の建造物ってたぶん空き家なんじゃないかと・・・でも、やっぱり全焼ってひどい。
木材もわりと高い(地元で伐採するにせよ、地元行政に伐採許可を申請し、伐採料を支払わないといけないし)し、ほとんどがセルフビルドなわけで・・・手間暇も大変なのです。
被害額もなかなか決定しづらいし・・・でもちゃんと海外旅行保険で賠償責任とっていただきたいものです。
モンゴル人も火には神様が宿る、といって、上から水をかけて消す、ということを嫌がります。
土とかをわさわさかけて、周りに水をまいておけば、「大丈夫」と主張します。
でも、森林の場合、主にカラマツ林が多いから、乾燥した針葉がふかふかと堆積した地面での焚火は、一見、火が消えたように見えても、土の中や腐葉土・積み重なった針葉の下でくすぶってたりするのです。
そして、一瞬の風で酸素が吹き込まれれば、一気に発火。
そして、乾燥してる針葉や落ちた枝、そして、油脂分たっぷりで火のつきがよいカラマツは生木でも、あっという間に燃え広がります。
大使館の記事ですと、国定公園等の自然保護区での火災に対する厳罰について言及していますが、最近は、普通のところでも火災を引き起こした犯人には、賠償責任を課しています。
悪質な場合は、「放火」と「過失」の中間ぐらいでも刑事罰が科せられるのです。
刑罰の対象かどうか、とか賠償責任がどうとかいうだけでなく、とにかくモンゴルの森林資源はとても脆弱で、全国土の5-6%になってしまっている、ということをご理解いただきたいのです。
私だって、会社起業したばかりのころは、1年のうち半年近くが乗馬トレッキングキャンプという感じで、しょっちゅう、野宿&キャンプで焚火で串にさした魚とか鹿肉とかを焼いて食べる生活でした。
でも、同行している乗馬ガイドのほとんどが、狩りで生活をたてているハンター兼業遊牧民たちだったので、火の始末についてはとっても入念でした。乗馬トレック中に、山火事になりかかってる現場をみつけて消火活動をしたことも何度もあります。
火はとても怖いもので、便利だけど、手におえないという感じがします。
今でこそ、乾燥させた牛糞だろうが、薪だろうが、石炭だろうが、ストーブさえあれば、マッチ一本で火を起こせるようになりましたが、最初のうちは、やれ薪が湿ってるだ、石炭の火がつきにくいだと言い訳ばかりでした。
最近は日本からのライターの持ち込みが禁止されているため、モンゴル国内で手に入るマッチか、中国製のライターを使うことになるので、これまた慣れていないと、着火時にも危険が伴います。
突然、火がついたまま折れちゃうマッチや、かるくこすっただけで、業火が噴き出るライター(しかも着火ボタン付近が異常に熱くなって持ってられなくなる)などで、思わず、火をつけたまま、放り出したくなるような危険(つまりは手や顔がやけどしそうになってびっくりする)もあるのです。
カセットコンロのカセットガスの処理(穴をあけてガスを完全に抜く)もあまり徹底しないまま、ポイポイと捨ててしまう人も多いので、これもまた危険です。
モンゴル国土の約80%が砂漠化傾向にある、ということからもわかるように、モンゴルって内陸乾燥地なんですね。
そして、ただの主なき大草原とか原生林といっても、貴重な共有の資源なのです。
私たちにとっては、草や木は水と同じような生命線なのです。
異国にきて、「ワイルドだぜー」とアウトドアライフを楽しみたい、って気持ちはわかるし、草原での焚火やキャンプファイヤーは「モンゴルならではー!」って気持ちもわかる。
でも、わざわざ国境超えて、大枚はたいて訪れた異国で、誰かの迷惑になる行為をする必要もない、というのは、たぶん、日本の幼稚園児だって理解できることですよね。
火の始末を徹底すること。
それは、ガイドやドライバーといったモンゴル地元の人たちや、添乗員か通訳ガイドか、なんとなくそのグループのリーダー的になっちゃった人とか、「お母さん」的になっちゃった世話好きな人の責任ではなく、その場に居合わせたすべての人の責任だってこと。
モンゴル国以外でだって、基本中の基本ですから、よろしくお願いしますね。

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モンゴルに滞在及び旅行中の皆様へ
先日,邦人旅行者が地方でキャンプ中にたき火をしたところ,周囲の草木に火が燃え広がり,付近の建造物を全焼させるという事案が発生しました。
風が強く,乾燥している気候条件のため,不用意な火の取り扱いが思わぬ大火事の原因になることがあり,特に国立公園や国定公園内でこのような事案を起こせば厳しく罪に問われることになります。
これからの季節バーベキューやキャンプ等を楽しむ機会が増えますが,屋外で火気を使用する場合には,周囲の状況や気象条件を十分にお考えいただき,たばこをはじめ火の始末には十分にご注意下さい。
とのことです。
以上、引用終わり。
こっからは、私の私見です。
火の不始末が大惨事を引き起こす、というのは、モンゴル国のように人口密度が超低いところでは、よくあっちゃ困ることです。
特に今年は、当ブログで嘆いているほど、例年に比べて雨が少なく乾燥しています。
そして、雨は降らないくせに、やたらと低気圧が発生し、生暖かい強風が吹き荒れる傾向があるので、ちょっとした火の粉でも、大火事に発展する危険性があるのです。
大抵、ニュースになってるのは、密猟者とか木材の違法伐採者のたばこの不始末とか焚火の火を消しきらなかったことから起きる草原や森林火災です。
でも、今回は、どうやら邦人旅行者によるという。。。
付近の建造物ってたぶん空き家なんじゃないかと・・・でも、やっぱり全焼ってひどい。
木材もわりと高い(地元で伐採するにせよ、地元行政に伐採許可を申請し、伐採料を支払わないといけないし)し、ほとんどがセルフビルドなわけで・・・手間暇も大変なのです。
被害額もなかなか決定しづらいし・・・でもちゃんと海外旅行保険で賠償責任とっていただきたいものです。
モンゴル人も火には神様が宿る、といって、上から水をかけて消す、ということを嫌がります。
土とかをわさわさかけて、周りに水をまいておけば、「大丈夫」と主張します。
でも、森林の場合、主にカラマツ林が多いから、乾燥した針葉がふかふかと堆積した地面での焚火は、一見、火が消えたように見えても、土の中や腐葉土・積み重なった針葉の下でくすぶってたりするのです。
そして、一瞬の風で酸素が吹き込まれれば、一気に発火。
そして、乾燥してる針葉や落ちた枝、そして、油脂分たっぷりで火のつきがよいカラマツは生木でも、あっという間に燃え広がります。
大使館の記事ですと、国定公園等の自然保護区での火災に対する厳罰について言及していますが、最近は、普通のところでも火災を引き起こした犯人には、賠償責任を課しています。
悪質な場合は、「放火」と「過失」の中間ぐらいでも刑事罰が科せられるのです。
刑罰の対象かどうか、とか賠償責任がどうとかいうだけでなく、とにかくモンゴルの森林資源はとても脆弱で、全国土の5-6%になってしまっている、ということをご理解いただきたいのです。
私だって、会社起業したばかりのころは、1年のうち半年近くが乗馬トレッキングキャンプという感じで、しょっちゅう、野宿&キャンプで焚火で串にさした魚とか鹿肉とかを焼いて食べる生活でした。
でも、同行している乗馬ガイドのほとんどが、狩りで生活をたてているハンター兼業遊牧民たちだったので、火の始末についてはとっても入念でした。乗馬トレック中に、山火事になりかかってる現場をみつけて消火活動をしたことも何度もあります。
火はとても怖いもので、便利だけど、手におえないという感じがします。
今でこそ、乾燥させた牛糞だろうが、薪だろうが、石炭だろうが、ストーブさえあれば、マッチ一本で火を起こせるようになりましたが、最初のうちは、やれ薪が湿ってるだ、石炭の火がつきにくいだと言い訳ばかりでした。
最近は日本からのライターの持ち込みが禁止されているため、モンゴル国内で手に入るマッチか、中国製のライターを使うことになるので、これまた慣れていないと、着火時にも危険が伴います。
突然、火がついたまま折れちゃうマッチや、かるくこすっただけで、業火が噴き出るライター(しかも着火ボタン付近が異常に熱くなって持ってられなくなる)などで、思わず、火をつけたまま、放り出したくなるような危険(つまりは手や顔がやけどしそうになってびっくりする)もあるのです。
カセットコンロのカセットガスの処理(穴をあけてガスを完全に抜く)もあまり徹底しないまま、ポイポイと捨ててしまう人も多いので、これもまた危険です。
モンゴル国土の約80%が砂漠化傾向にある、ということからもわかるように、モンゴルって内陸乾燥地なんですね。
そして、ただの主なき大草原とか原生林といっても、貴重な共有の資源なのです。
私たちにとっては、草や木は水と同じような生命線なのです。
異国にきて、「ワイルドだぜー」とアウトドアライフを楽しみたい、って気持ちはわかるし、草原での焚火やキャンプファイヤーは「モンゴルならではー!」って気持ちもわかる。
でも、わざわざ国境超えて、大枚はたいて訪れた異国で、誰かの迷惑になる行為をする必要もない、というのは、たぶん、日本の幼稚園児だって理解できることですよね。
火の始末を徹底すること。
それは、ガイドやドライバーといったモンゴル地元の人たちや、添乗員か通訳ガイドか、なんとなくそのグループのリーダー的になっちゃった人とか、「お母さん」的になっちゃった世話好きな人の責任ではなく、その場に居合わせたすべての人の責任だってこと。
モンゴル国以外でだって、基本中の基本ですから、よろしくお願いしますね。

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