モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
今日は、草原のお引越しに行ってきま・・・したが、今日は強風が砂嵐に発展し、断念。
とりあえず、新しく買ったゲルのウッディパーツ(つまりは木材パーツね)の組み立てと、引っ越し先候補のところに、シャブ(別にらりらり用のクスリではない)=ここに家、建てますけん、という土地神様への印(ほかの遊牧民の皆さんも、この印を見たら、その場所は避けることになってるを積んできました。

要は、その辺に転がってる石っころを自分たちが使う予定の夏のベースキャンプ地の真ん中になるあたりに集めて積み上げておくだけなんですけどね。

それにしても、新しいゲルパーツ、組み立てだけで一仕事でした。
というのも、新しいから、ハナという蛇腹状になってる壁パーツをちゃんと円形に組み合わせることから始まり、ハナとドアパーツのジョイント部分を削ったり、切ったり、穴あけたり、紐を通したりというのは、購入者のお仕事なんですね。

さらには、バガナという柱パーツとドアパーツがきっちりパラレルになるようにし、さらにさらに、トーノという天井部とハナとオニという梁がねじれないようにきっちりはめていくという作業があります。

このトーノ・オニ・トトコ(ドアの上部分)・ハナのそれぞれの相関関係が正しくないと「ゲルがねじれる」というわけで、ちゃんと建てられなくなってしまうのです。

ゲルを建てる、というのはそれこそ、毎年何度もやる作業なので手順はわかっていますが、細かいひとつひとつの作業をつぶさに見たのは久々です。

というのも、この切ったり、はったり、削ったり、という作業は新品のゲルの時にやるもので、その後は、ずーっと建ってるゲルを解体し、別の場所に移すだけなので、パーツ組み作業は引っ越しと一連だからです。

引っ越し作業は一気にゲルは運んで建てるところまでやることになるので、新品ゲルに時間を無駄に取られるわけにはいかないんです。

結局、砂嵐がすごいことになっちゃったので、木組みが終わったところで、皆で今暮らしているゲルに避難。

髪の毛の間、耳や鼻、唇の端っこ、首のしわしわ、鎖骨のくぼみ・・・などなど穴という穴、くぼみというくぼみすべてが、細かい砂粒でシャリシャリになっちゃいました。

夏のキャンプ地へのお引越しは、5月に入る前からの懸案事項なのですが、そのたびに、砂嵐や吹雪に阻まれています。

気温自体は、立派に「夏」なのですが、時折襲ってくる、風によって、寒さだったり、砂だったり、雪だったりで、なかなか完全な夏気分にはなれませんです。

お引越しの手伝いに来てくれていたオラーナ君のお父さん・ローヤおじさんが、ベッドにごろりと横になり、天窓の先の空模様を見上げながら、
「あーあ、これだけ風がふいたなら、しっとりとした雨が降れば言うことないのにな」とつぶやいたのが印象的でした。

気温も日照も十分なので、あとは降水があれば、草原は一気に青々と輝く緑色に変身できるんです。
雨、降ってほしいです。

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