モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
今日も草原の我が家で乗馬三昧の一日でした。

予定では、ゲルを建てる体験も盛り込んでいたのですが、まずウランバートルからゲルパーツを持ってくる部隊(前日に軽トラで単純にゲルを積み込んでいたので、ただ現場に届けて、建てたら帰るって予定だった)の出発が遅くなってしまい、なんだか間延びしたスケジュールになりそうだったです。

で、軽食を食べて待ってみたけれど、せっかく乗馬に来ているのに、ゲル建て経験という所要時間1時間程度のサイドディッシュ待ちで、せっかくの乗馬タイムを無駄にするのももったいない、とささっと馬で出発することにしちゃいました。

風が強いので、ちょっと天気が安定するのを待ちたい、という気持ちもありました。

まぁ、風はあるけれど、暖かい日だったので、牧場から10㎞弱離れたところにある「トゥンニュク遺跡」まで行きました。
行きは並足と軽く速歩で順調に進みました。

鐙の長さが合わない、背負ったデイバッグのチャックがかっぱり開いちゃったというハプニングもありましたが、(通常は鞍に乗った段階で鐙の長さの調節をするのですが、人数もそこそこ多かったし、「ま、このくらいは我慢できるか」と遠慮したり、気がつかないでスルーしちゃう人もいるので、道中でもちょっとでも「痛いなぁ」ということがあれば、まずは相談し、鐙の長さのチェックをします。

鐙の長さがあっていても、慣れていない人の場合、膝のスプリングの使い方が適切でない場合や、同じ姿勢、同じ状態で足を固定してしまっている場合、しびれたような感じになって、馬から降りた後、足のしびれ感覚や痛い!と感じる場合もあります。その場合は、「なれるしかない」という結論になっちゃうんだけど、その場合でもやや長めにすることで、血行などを妨げないようにします。

初心者の方と経験者の方の混合グループだったので、ベテランガイドのラグチャーさんに馬をお借りしつつ、同行をお願いしました。

今回は、初心者の方もトンニュック遺跡からの復路は一人乗りにチャレンジしました。

わりと筋がよい方だったし、乗っていただいた馬がツォーホル(我が家の馬の中では一番癖がなくて乗りやすい、乗り手のレベルにある程度合わせて走ってくれる気配り系)だったので、速歩の練習をしてみました。

向かい風だったのと、帰路であったこともあって、馬の足取りも軽かったのですが、ラクチャーさんの馬が若干暴走気味になり、かなり私たちも焦りました。

ガナー君に撮影部をお願いして迎えにきてもらい、オラーナ君が馬でダッシュで、カメラを渡す間、私たちはゆっくり歩いてペースを作る、という感じで行こう、と考えていたのですが、オラーナ君のダッシュに反応しちゃったラクチャーさんの馬が止まらなくなっちゃったのです。

乗り手がコントロールできる実力を持っていて、馬と人の気持ちが通いあった状態での、駆け足はとっても気持ちがよく、速歩の数倍、乗りやすいものです。

でも、未熟な人が、馬の気持ち先行で、「気がついたら、駆け足になっていて、スピードダウンができなくなっちゃった」という状態は、リズムが合わず、上半身のバランスが悪くなって左右に揺れる感じになり始めます。
この左右の揺れが始まった段階で、何が何でもスピードダウンしてもらわないと、ダッシュ状態でコントロールができなくなり、落馬にいたるのです。
人体にとっても馬体にとっても危険なこと。

ただ、ダッシュってやってみないと、大丈夫かどうかわからないですからねー。
馬に乗ったら、「暴れん坊将軍」の若様みたいに走りたいっていう気持ちもわかる。

でも、以下の場合は、無理な駆け足は、多少、厳しい口調を使ってでも阻止します。

●風が強い向かい風の場合
●何頭かの馬が一緒に走っている場合
●誰かのゲルや家畜小屋の周辺を走っている場合
●近くや視界に馬そのほかの家畜の群が見える場合

必ずどのコースを通ったとしても、乗馬ガイドと私(通訳ガイド)が同行していて大丈夫、と感じた場合は、指示を出して、駆け足ダッシュを体感してもらえるようにしています。

ガナー君は車で並走しながら、馬で走ってる私たちの写真やビデオをとるのがなかなか上手です。

毎年、ナーダムの競馬レースの並走や乗馬トレックの並走で鍛えていることもあるし、もともとの撮影センスがいいのです。

今回は特にビデオで動画も撮ってくれてたので、昼食時に皆で見ながら、それぞれのレベルでの改善点や注意点などを話し合いました。

昼食を食べた後で、課題を決めて、それらの課題克服ができそうなルートをとおって、1時間ほど練習してみます。

今回は、「ドタキャン禁止令」を出していたため、前夜から朝にかけて、体調を崩して微熱があった、という方が、がんばって参加してくださっていました。そんな無理を・・・と恐縮でしたが、まぁ、ぎりぎりコストでやっているので、助かりました。

でも、風も強いし、初心者ですでに2時間半ぐらい乗っていただいていたので、翌日以降の筋肉痛が、今の微熱をさらに悪化させるかもしれないし、汗が冷えたら、風邪をこじらせてしまうので、ゲルのモンゴルベッドで休んでいただくことにしました。

ウランバートルで活動していらっしゃる方なので、またの機会もありますしね。
初回としては十分すぎるくらいたくさんのプロセスをクリアなさっていたので、今後の上達がすごく楽しみです。

今回は、チョイル・ダルハンと地方都市からのご参加があり、嬉しい限りです。
日本でも馬に乗っていらっしゃった方はさすがにお上手で、「言うことなし!」って安定感ですが、やっぱりモンゴルにいるからには「モンゴル式乗馬」もマスターしたいですよね。

これは、私も同じ課題を持って、毎回チャレンジしているので、また一緒に経験をシェアしていきたいと思います。

先々週、ご参加いただいたキタさんもかなり慣れていらっしゃいました。
思ったことをすぐ口に出してくださるので、何をどうすればよいのか、という課題ポイントもお話しやすいです。

コントロールが効かない状態で、(ついでに馬の耳に念仏状態・・・)で独りで「わが道」を行かれてしまうので、ときどきハラハラしちゃうんですけどね。

馬はどれだけ大人しく、人に従順で、慣れているコースを走っているから初心者でも安心して、草原大疾走も満喫していただけます。
でも、やっぱり言葉がしゃべれない、とっても繊細な大型動物なので、とっさの動きが思わぬ危険につながることがあります。

ちょっとしたことにビックリして、横っ飛びになったり、暴走したり、大暴れで飛び跳ねたりすることもあります。
こういうパニクり状態のときは、馬自身も「ぼく、どうしていいかわかんない」と怖くて仕方がない状態ですから、乗り手がコントロールしてあげなければいけません。

このコントロールをどうやって行うか。
これが、まぁ、キーポイントですね。

この話はまたおいおい。

ともあれ、みなさんが口ぐちに「あー、楽しかった」「こんなに馬にいっぱい乗ったの初めて」「また乗りたいなぁ」と言っていただけたのが嬉しかったです。

ガナー君から動画とデジカメをゲットしたら、まずはお客様とシェアし、許可をいただけたら、ブログの読者様にもご紹介させていただこうと思います。

あー、それにしても、今日はホントにほんとに「リア充」でした。
うっしっし!

ご参加いただいた皆様、あったかいお風呂とストレッチ、しっかり満喫してくださいませ。
素敵な時間を共に過ごせたことに感謝です。ありがとうございました。

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