モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。

基本的にノンポリの私ですが、なんともはや、な事件に戸惑いを覚えます。


本日4月13日早朝5:40に大統領の父親の実家(と報道されている)に押し入った逮捕部隊の動画を先程、更新させていただきましたが、その後、護送車にのせるまでも、目を疑うようなひどい逮捕劇でした。


N.エンフバヤル前大統領・現モンゴル人民革命党党首を逮捕・送還の動画


靴ぐらい履かせてあげてよ。

逮捕拘束の時の動画をみると途中で報道陣もカメラを止めさせられていてよくわからないのですが、逮捕時に読み上げるのがお約束の、被疑者の権利についての説明もなく、まるで革命家を取り押さえるかのような状況でした。

私は民主主義の法治国家における「推定無罪」は尊重すべきであり、どれほど酷い悪業を働いた輩であったとしても、逮捕する立場の人間は「悪を憎んで人を憎まず」の態度を貫くのが人の道だろう、と思って育ってきたので、「こりゃ、ないよ」という感情が湧いています。

それは、サダム・フセインやカダフィ大佐の最後とも同じです。

まさか無血革命によって、共産主義から民主主義国家への移行を果たしたモンゴル国で司法機関がこのような狼藉を働いていたとは。

このような司法機関が、今後拘置所でどのような待遇で前大統領を扱うか…。

別にエンフバヤル親派でもなんでもないし、むしろ、2008年7月1日暴動で尊い命が失われ、かつ警察官もまた命令に従って丸腰の市民に発砲せざるを得なくなった、不正選挙が招いた暴走の果ての悲劇であるってことは公然の事実だし、この4年弱の期間、誰も責任を取ることなく、うやむやになっていたことのほうが驚き。

でも、基本的人権の保護・尊重はどんな国家であっても守られるべき権利であってほしいと思うのです。

これらの狼藉が、不当逮捕かどうか、わかりません。罪状に対して、きちんとした物証・根拠を得ての逮捕なのかもしれません。

そして、このような動画・報道ができるようになっている、ということだけでも20年以上前のモンゴル国では考えられない自由であることも重ねて強調しておきたいことです。

いろいろな規制や誘導はあるにせよ、報道の自由と公正な報道に対するジャーナリストの意識、シビリアンコントロールは、モンゴルにもあるんだということも、同時にいえるのだということ。

そして、街の中もおおむね平和で、犬の散歩をのんきにすることができる状況だってこともお伝えしておきます。

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