モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
4月1日の2012年度シーズン初の日帰り乗馬に続き、4月8日も楽しい春の乗馬を満喫して、月曜日=筋肉痛の日、というのが定番になりそうです。
2010年から2011年秋まで家畜の世話をしてくれていた遊牧民一家(現委託遊牧民のオラーナ君のご両親含む)が、相次いで、家族に重い病人や怪我人が続出し、緊急でまとまったお金が必要だー!と言われ、助けなくっちゃ、と思いつつ・・・
私もキャッシュ不足が続く毎日。
なんとか色んな工面をしたものの、またもや生活費困窮の日々に突入の気配…
遊牧生活は、家畜と人間が元気なときは、自給自足率は60%を超えると思うのですが、ひとたび、労働力不足とか、何か大きなイベントやハプニングが生じたとき、自己資金でなんとかやりくりする、ってことに対しての「備えが」とても脆弱です。
その辺の資金繰り(というほどではなく、お金のやりくりってことね)なども含めて、自律経済生活を営めるための、マネジメントってことも少しずつは、指導しているんだけど。
遊牧民の皆さん、たいていが計算とか数字に弱い(私もね)です。
そして、目の前の危機に対して「とにかくなんとかしなきゃ」と後先考えず、あるもの全部つぎ込んで全力対応です(私も金銭的にはそういう傾向があるので、預金するときは定期預金にしています)。
つまりは、計画的に回転資金を使う、という環境やマインドがないのです。
これは、まぁ仕方がないといえば仕方がない。
なぜならば、社会主義時代は、「自分で考えての経営」っていうのはありえないサラリーマン人生だったから。
そして、90年代の市場経済化の移行期に、一番翻弄され、資金力的な自律性を奪われたのが「お国に従順だった平均的な遊牧民」だったわけで、必需品と欲しいものの区別がなかなかつかないまんま、いいように家畜の売り買いを商売人の言われるがままにやったあげく、資金力や資産という面での備えがかなり厳しい状況になってしまったのです。
そういう環境の中でサバイバルしてきた人たちは、年がら年中、現金不足な状況だけど、物欲はテレビやラジオ、新聞や雑誌などでの広告でぐらぐらにされちゃうから、とりあえず、買っちゃう、みたいな衝動買いをしてしまいがち。
楽天的なので、「なんとかなるよ」っていう感じで「なければないで仕方がない」っていう性格の遊牧民は憎めない、と思いつつも、いい大人がこんな状況では、いつまでたっても自立なんかできないよ、と。
遊牧民だけでなく、都会に住んでいるモンゴル人も大企業を起こした起業家や投資家・うまいことエンジェルというかパトロンを見つけた留学帰国組以外の8割がたのモンゴル人は、同様。
計画的な資金繰りには、「自己管理」や「自分を節制するマインド」が大事だって思うんだけど、誰もそんなこと、提案しないもんね。市場経済制でコマーシャリズムがようやく発達してきた今は、とにかく「ほしい!」を刺激することで経済がまわっているわけだから。
で、オラーナ君から昨日の乗馬ツアーの途中で言われたのが
「来週中(つまりは今週中)に150万トゥグルグ(約10万円)必要だ」ということ。
オラーナ君夫婦ではなく、彼のお母さんと弟が相次いで、病気と怪我をして、検査・入院・治療・静養が必要で、単純計算してみたら、そのくらいは必要だと。
私も会社の累積赤字(つまりは自腹で事業につぎ込んだ分)で、5階建てのアパート建てておけばよかったよ、的に、儲け話が苦手な人で、通訳・翻訳稼業やコーディネーターとしての、命を削るタイプのお仕事で稼いだお金を、エコツアーにつぎ込んでしまっている人なので、ここんところ、本気でお金を稼ぐだけでなく、ビジネスとして儲け、収益があがるビジネスモデルを構築しないと、会社経営している意味もない、という状況。
おまけに、現金がショート状態で、あてにしているODAの仕事が取れなかったら、完全にヤバイという切羽詰まった状況なわけです。
軽く言ってくれるよな・・・
道楽で家畜飼ってるって思われてるんだろうか。
なんて不安と不満もわいてくる。
とはいえ、人の健康の問題となると、緊急を要するってところもあるしなー。
でもさ、私の資金繰りとか事業計画はどうなっちゃうわけ?
そう思うと、やっぱり、ここは小一時間というかちゃんと時間をとって、お金の流れとか資金繰りについての説明をしたうえで、話あわなければいけない。
そして、私自身もどういう基軸で事業を進めていけるのか、どうやったら遊牧民のこのピンチをサポートできるのか、を、ものすごい短時間で決断しなければいけないのであります。
最初の提案はオラーナ君一家の唯一の私有財産である、もうすぐ子牛が生まれる牝牛2頭(1頭あたり600,000tgで提案されている)を買ってくれ、と。
買ってくれ、といったところで、毎日、草原にいるわけではないから、牝牛の産物である乳製品やミルクを毎日私が100%思い通りにつかえるわけではなく、結局、所有権がうつったように見えても、彼らが世話をし、彼らがミルクや乳製品を利用するわけで、現状と全然変わらずなわけ。
今年、牝牛を買いたい、とは思っていたけれど、普通のモンゴル牛ではなく、改良品種で寒さに強く、乳成分や乳量もモンゴル牛よりもよいアルタオ種(モンゴルでの改良品種)かセンメンタール種(西洋の改良品種)を2-3頭購入するつもりでした。
モンゴル牛は一日の乳量も6リットル程度。
アルタオ種で一日15-20リットルとそのスペックは大きく違います。
でも冬場のエサ代や世話代など一頭あたりの維持管理費は変わらない。
そして、今年、牛を増やしたいと思った要因のひとつに、冬の子羊・子ヤギのための母乳が足りなくなった分を牛乳で補っていたのに、彼らのもっている牛だけでは足りなくなってしまい、そのせいで、結局、10頭以上を失う結果(頭数にすると1/3あまり)になったのでした。
寒かったとか、奥さんのつわりがひどかったなど、いろいろ理由はあるのでしょうが、やっぱりお父さん達にまかせていた時から比べて、今、無事に育っている子羊は半分以下。
これは私的には大きな財産ダメージで、シビアに考えなければいけません。
となってくると、牛を増やすというのもリスクが増えるだけなのかもしれない、ともいえる。
さらに、彼らが持ってる牛を購入することで、私が改良品種を買い付ける資金がショートすることにもなる。
ジレンマです。
それに彼らの私有財産を私が買い取るっていうのもどうなのかなぁ、っていう抵抗感もありました。
で、最初は委託飼育の報酬の前払いをしてあげようかな、と思ってたんです。
ところが・・・
家に帰って、資金計画の立て直しをしようとして書類を調べていて、びっくり!
オラーナ君たちにすでに今年の9月末までのヒツジ・ヤギと馬の委託飼育料を支払い済みだったのです。
そして、馬は仔馬1頭(2歳馬)を途中で餌と交換した、と言っていたから、本来は払わないでいいはずの1頭分の飼育料を8か月分も余計に支払っているわけです。
このパターンでいくと、今後もなんか、おかしなことになりそうです。
羊も数はあってるんだけど、私が2009年秋に移動させたときの成体がどうも違うのと変わっているような感じ。
素人だから、わからないって思っているかもしれないけれど、デジタルカメラで記録をし、1週間近くを歩いて、買い付けしたところから最初の自分たちの冬営地まで移動させる道中で芽生えた羊たちへの愛情ゆえに、その辺はごまかせないのですよ。
羊・山羊については、流動資産(つまりはすぐに現金化できちゃう家畜)ではあるので、文句はないっちゃーないのですが、やっぱり心配もないわけじゃない。
双方ともに悪感情とか悪気があるわけではないっていうのはわかるんだけど、やっぱりどうしたもんかなぁ、って考えちゃっています。
今日の夜か明日の朝、オラーナ君がお金をとりにウランバートルにやってきます。
支払う金額的には、まぁ、仕方がないんだろうな、とは思うんだけど、その内訳について、どう考えるべきか・・・
オラーナ君は2頭の牝牛を売るっていうのをやめて、1年分の家畜委託を欲しい、と言い出していて・・・
むー。。。
この辺はいくら仲良しというか良好な関係をといっても駆け引きであります。
オーナーとして、経営者として、私自身の判断力が試されているって感じです。
兼業遊牧民になるっていうのは、単純に、放牧してまーすとか乳搾りしてまーすっていう以上に、遊牧という生業スタイルでの経営術を構築するっていうことだ、と考えている私にとって、ある意味当然の試練なのです。
とはいえ、むー!
計算、苦手です。

計算は苦手だけど、馬も羊も大好きなのーに共感いただける方はぽちっと応援クリックを!
4月1日の2012年度シーズン初の日帰り乗馬に続き、4月8日も楽しい春の乗馬を満喫して、月曜日=筋肉痛の日、というのが定番になりそうです。
2010年から2011年秋まで家畜の世話をしてくれていた遊牧民一家(現委託遊牧民のオラーナ君のご両親含む)が、相次いで、家族に重い病人や怪我人が続出し、緊急でまとまったお金が必要だー!と言われ、助けなくっちゃ、と思いつつ・・・
私もキャッシュ不足が続く毎日。
なんとか色んな工面をしたものの、またもや生活費困窮の日々に突入の気配…
遊牧生活は、家畜と人間が元気なときは、自給自足率は60%を超えると思うのですが、ひとたび、労働力不足とか、何か大きなイベントやハプニングが生じたとき、自己資金でなんとかやりくりする、ってことに対しての「備えが」とても脆弱です。
その辺の資金繰り(というほどではなく、お金のやりくりってことね)なども含めて、自律経済生活を営めるための、マネジメントってことも少しずつは、指導しているんだけど。
遊牧民の皆さん、たいていが計算とか数字に弱い(私もね)です。
そして、目の前の危機に対して「とにかくなんとかしなきゃ」と後先考えず、あるもの全部つぎ込んで全力対応です(私も金銭的にはそういう傾向があるので、預金するときは定期預金にしています)。
つまりは、計画的に回転資金を使う、という環境やマインドがないのです。
これは、まぁ仕方がないといえば仕方がない。
なぜならば、社会主義時代は、「自分で考えての経営」っていうのはありえないサラリーマン人生だったから。
そして、90年代の市場経済化の移行期に、一番翻弄され、資金力的な自律性を奪われたのが「お国に従順だった平均的な遊牧民」だったわけで、必需品と欲しいものの区別がなかなかつかないまんま、いいように家畜の売り買いを商売人の言われるがままにやったあげく、資金力や資産という面での備えがかなり厳しい状況になってしまったのです。
そういう環境の中でサバイバルしてきた人たちは、年がら年中、現金不足な状況だけど、物欲はテレビやラジオ、新聞や雑誌などでの広告でぐらぐらにされちゃうから、とりあえず、買っちゃう、みたいな衝動買いをしてしまいがち。
楽天的なので、「なんとかなるよ」っていう感じで「なければないで仕方がない」っていう性格の遊牧民は憎めない、と思いつつも、いい大人がこんな状況では、いつまでたっても自立なんかできないよ、と。
遊牧民だけでなく、都会に住んでいるモンゴル人も大企業を起こした起業家や投資家・うまいことエンジェルというかパトロンを見つけた留学帰国組以外の8割がたのモンゴル人は、同様。
計画的な資金繰りには、「自己管理」や「自分を節制するマインド」が大事だって思うんだけど、誰もそんなこと、提案しないもんね。市場経済制でコマーシャリズムがようやく発達してきた今は、とにかく「ほしい!」を刺激することで経済がまわっているわけだから。
で、オラーナ君から昨日の乗馬ツアーの途中で言われたのが
「来週中(つまりは今週中)に150万トゥグルグ(約10万円)必要だ」ということ。
オラーナ君夫婦ではなく、彼のお母さんと弟が相次いで、病気と怪我をして、検査・入院・治療・静養が必要で、単純計算してみたら、そのくらいは必要だと。
私も会社の累積赤字(つまりは自腹で事業につぎ込んだ分)で、5階建てのアパート建てておけばよかったよ、的に、儲け話が苦手な人で、通訳・翻訳稼業やコーディネーターとしての、命を削るタイプのお仕事で稼いだお金を、エコツアーにつぎ込んでしまっている人なので、ここんところ、本気でお金を稼ぐだけでなく、ビジネスとして儲け、収益があがるビジネスモデルを構築しないと、会社経営している意味もない、という状況。
おまけに、現金がショート状態で、あてにしているODAの仕事が取れなかったら、完全にヤバイという切羽詰まった状況なわけです。
軽く言ってくれるよな・・・
道楽で家畜飼ってるって思われてるんだろうか。
なんて不安と不満もわいてくる。
とはいえ、人の健康の問題となると、緊急を要するってところもあるしなー。
でもさ、私の資金繰りとか事業計画はどうなっちゃうわけ?
そう思うと、やっぱり、ここは小一時間というかちゃんと時間をとって、お金の流れとか資金繰りについての説明をしたうえで、話あわなければいけない。
そして、私自身もどういう基軸で事業を進めていけるのか、どうやったら遊牧民のこのピンチをサポートできるのか、を、ものすごい短時間で決断しなければいけないのであります。
最初の提案はオラーナ君一家の唯一の私有財産である、もうすぐ子牛が生まれる牝牛2頭(1頭あたり600,000tgで提案されている)を買ってくれ、と。
買ってくれ、といったところで、毎日、草原にいるわけではないから、牝牛の産物である乳製品やミルクを毎日私が100%思い通りにつかえるわけではなく、結局、所有権がうつったように見えても、彼らが世話をし、彼らがミルクや乳製品を利用するわけで、現状と全然変わらずなわけ。
今年、牝牛を買いたい、とは思っていたけれど、普通のモンゴル牛ではなく、改良品種で寒さに強く、乳成分や乳量もモンゴル牛よりもよいアルタオ種(モンゴルでの改良品種)かセンメンタール種(西洋の改良品種)を2-3頭購入するつもりでした。
モンゴル牛は一日の乳量も6リットル程度。
アルタオ種で一日15-20リットルとそのスペックは大きく違います。
でも冬場のエサ代や世話代など一頭あたりの維持管理費は変わらない。
そして、今年、牛を増やしたいと思った要因のひとつに、冬の子羊・子ヤギのための母乳が足りなくなった分を牛乳で補っていたのに、彼らのもっている牛だけでは足りなくなってしまい、そのせいで、結局、10頭以上を失う結果(頭数にすると1/3あまり)になったのでした。
寒かったとか、奥さんのつわりがひどかったなど、いろいろ理由はあるのでしょうが、やっぱりお父さん達にまかせていた時から比べて、今、無事に育っている子羊は半分以下。
これは私的には大きな財産ダメージで、シビアに考えなければいけません。
となってくると、牛を増やすというのもリスクが増えるだけなのかもしれない、ともいえる。
さらに、彼らが持ってる牛を購入することで、私が改良品種を買い付ける資金がショートすることにもなる。
ジレンマです。
それに彼らの私有財産を私が買い取るっていうのもどうなのかなぁ、っていう抵抗感もありました。
で、最初は委託飼育の報酬の前払いをしてあげようかな、と思ってたんです。
ところが・・・
家に帰って、資金計画の立て直しをしようとして書類を調べていて、びっくり!
オラーナ君たちにすでに今年の9月末までのヒツジ・ヤギと馬の委託飼育料を支払い済みだったのです。
そして、馬は仔馬1頭(2歳馬)を途中で餌と交換した、と言っていたから、本来は払わないでいいはずの1頭分の飼育料を8か月分も余計に支払っているわけです。
このパターンでいくと、今後もなんか、おかしなことになりそうです。
羊も数はあってるんだけど、私が2009年秋に移動させたときの成体がどうも違うのと変わっているような感じ。
素人だから、わからないって思っているかもしれないけれど、デジタルカメラで記録をし、1週間近くを歩いて、買い付けしたところから最初の自分たちの冬営地まで移動させる道中で芽生えた羊たちへの愛情ゆえに、その辺はごまかせないのですよ。
羊・山羊については、流動資産(つまりはすぐに現金化できちゃう家畜)ではあるので、文句はないっちゃーないのですが、やっぱり心配もないわけじゃない。
双方ともに悪感情とか悪気があるわけではないっていうのはわかるんだけど、やっぱりどうしたもんかなぁ、って考えちゃっています。
今日の夜か明日の朝、オラーナ君がお金をとりにウランバートルにやってきます。
支払う金額的には、まぁ、仕方がないんだろうな、とは思うんだけど、その内訳について、どう考えるべきか・・・
オラーナ君は2頭の牝牛を売るっていうのをやめて、1年分の家畜委託を欲しい、と言い出していて・・・
むー。。。
この辺はいくら仲良しというか良好な関係をといっても駆け引きであります。
オーナーとして、経営者として、私自身の判断力が試されているって感じです。
兼業遊牧民になるっていうのは、単純に、放牧してまーすとか乳搾りしてまーすっていう以上に、遊牧という生業スタイルでの経営術を構築するっていうことだ、と考えている私にとって、ある意味当然の試練なのです。
とはいえ、むー!
計算、苦手です。

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