モンゴルだるま@モンゴル語通訳・翻訳・プロジェクトコーディネーター・エコツアー仕掛け人兼業遊牧民です。
草原も都会もまだ氷点下なんだけど、お天道様のあったかい光によって氷や雪が融けて、春の兆しがここかしこでみられます。
2月ももう終わり。
あと2ヶ月くらいがんばれば、緑の若草が芽を出します。
雪原も雪が融けて、平原というか枯れ草の原っぱぐらいの感じになり、放牧中の馬にとっても、かなり放牧される甲斐があるってものですね。
モンゴルでも「お馬の親子は仲良しこよし」と決まっています。
他の家畜だってもちろん、母子は仲良しなのですが、確かにお馬の親子は他の家畜にない強い絆がある感じです。
ラクダの親子だってもちろんそうなんだろうけれど、私はラクダは飼ったことがないので、よくわかりません。大体、ラクダって荷役・乗用ラクダ以外はかなりリバティに生きてるから、ラクダ飼いの遊牧民だって、毎日毎晩、自分のラクダにあってるってそうそうないみたいです。
ラクダの乳搾りもゴビ地方ではやっておりますし、子馬を繋ぐように、子ラクダも繋がれているし、夕方くらいに子ラクダがお母さんを呼ぶ声は、それはそれは切なく、必死な感じで感動的なんだけど。
まぁ、身近な家畜の中でも、とりわけ、感情移入がしやすいのは、私にとっては馬なのです。
夏はこんなでした。朝6時半から夜8時半までゼルという地面を這うようにはった繋ぎ紐につながれていました。馬の乳搾りをするためです。
2012年になってからのハナシロちゃん。冬は馬の乳搾りはしないので、子馬は母乳を独り占めです。
他の子馬ちゃんたちは大人の馬と一緒に放牧地にいるのですが、ハナシロちゃんとお母さんはいつも家畜小屋の近くをうろついています。
特に、子馬って可愛い!
大人の馬ってなかなかなついてくれなくって、馬具装着させしてれば、乗せてくれるし、甘えてもくるけれど、それって、「制服着てるOLさんが上司の命令には従いますが、プライベートは別物よ」みたいな感じなんですよね。
馬具とかつけてなくって、チュドゥルっていう足かせもつけてない状態だと、草原で再会しても、「あら、来たの?」ぐらいの反応は見せてくれるけど、乗馬クラブの馬とか、いろんなブログで馬飼ってる人が書いてるみたいな感じで、近寄ってきてくれるってことは皆無。
あんまり日常的に世話してるってわけじゃないからかなぁ・・・と思いつつも、ちょっぴり残念なのです。
鞍がついていても、私の鞍じゃなくて、オラーナ君の鞍がついているときは、せっかく干草もって、近づいても、「お前、なんだよ。オレ、疲れてるんだよ、ほっといてくれよ」的に首をぶわっとふられたりすることもあるわけで、やっぱ、普段から世話したりコミュニケーションとってないと、夏はあれほど仲がよかったはずなのに、冬になったら冷たいのね、と内心傷ついたりするのです。
子馬はその点、能天気で警戒心がないので、干草持ってるだけで、おっかなびっくり近寄ってきて、「くれるの?くれるの?」的に口をパクパクさせたりと面白いアクションを見せてくれます。
干草をハムハムするのに夢中で、ふわふわの首筋とかをなでててもお構いなし。
ハナシロちゃんという名前は、この鼻面半分(しかも左右非対称)が白いからです。
この子もカメラ目線になりやすい子になりました。
きゅーん、となるのです。
あー、馬をゲットしてよかったなー!!と嬉しくなる瞬間。
とはいえ、ママが
「こら、なにやってるの?」みたいにブルルンって鼻水飛ばしながらいななくと、
「あ、ママが呼んでる」と一目散に母馬のところにいっちゃうんだけどね。
もうすぐ1歳になる当歳馬(オナガ)は、全部で3頭持っているのですが、そのうち、あけ1歳馬(ダーガ)のお姉ちゃんと一緒にやってきた「ハナシロ」ちゃんは、身体もちっちゃく、ひ弱です。
お母さん馬も、ハナシロちゃんだけでなく、12月の半ばくらいまでお姉ちゃん馬「ダーガ」にもおっぱいをあげていたため、身体が弱く、あまり太れない状態だったので、冬中ずっと、放牧だけでなく、干草や燕麦・フスマといった補助飼料をもらっています。
お姉ちゃんのダーガは、途中で、干草+ふすまという補助飼料と交換されちゃって、近くの遊牧民宅にいっちゃいました。
ママのおっぱい独り占め状態になったおかげか、「ハナシロ」ちゃんは、むくむくと1月になってからおっきくなってきていて、もうかなり元気いっぱいのいたずらっ子になっています。
去年の夏、はじめて「お馬の親子」や種馬、競走馬、乗用馬などを購入し、群として馬を増やしていこう、と決めたとき、正直、ちゃんと皆無事に越冬できるのか、がとても心配でした。
羊や山羊を購入するのと違って、馬は大型家畜で維持管理費も10倍以上高いし、餌代もかかるし、おまけに、そもそも1頭当たりの値段も高い!ので、気分的にも一財産。
正直、400kmほど走ったり歩いたりしながら、馬を連れて来て、無事、夏のキャンプ地に到着したときは、「もう後にひけない・・・」と嬉しさよりもプレッシャーが先にたっていたのです。
この冬は、近所に大きなオオカミの群ができてしまい、ベテラン遊牧民宅の馬や子馬、羊たちが、放牧先や家畜小屋付近でオオカミに襲われたっていう話をきくたびに、「次はうちか?」とドキドキはらはらだったし。
そんなわけで、子馬ちゃんの成長が目に見えてわかるくらいまで一緒にいられたことに感謝です。
お母さんのおっぱいを飲んでいないときは、大抵ゴロゴロ寝ています。頭のすぐ近くに転がっているやぶれた鉄鍋が「餌入れ」なのです。誰よりも餌入れの近くに寝転ぶ子・・・それがハナシロちゃんキャラです。

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草原も都会もまだ氷点下なんだけど、お天道様のあったかい光によって氷や雪が融けて、春の兆しがここかしこでみられます。
2月ももう終わり。
あと2ヶ月くらいがんばれば、緑の若草が芽を出します。
雪原も雪が融けて、平原というか枯れ草の原っぱぐらいの感じになり、放牧中の馬にとっても、かなり放牧される甲斐があるってものですね。
モンゴルでも「お馬の親子は仲良しこよし」と決まっています。
他の家畜だってもちろん、母子は仲良しなのですが、確かにお馬の親子は他の家畜にない強い絆がある感じです。
ラクダの親子だってもちろんそうなんだろうけれど、私はラクダは飼ったことがないので、よくわかりません。大体、ラクダって荷役・乗用ラクダ以外はかなりリバティに生きてるから、ラクダ飼いの遊牧民だって、毎日毎晩、自分のラクダにあってるってそうそうないみたいです。
ラクダの乳搾りもゴビ地方ではやっておりますし、子馬を繋ぐように、子ラクダも繋がれているし、夕方くらいに子ラクダがお母さんを呼ぶ声は、それはそれは切なく、必死な感じで感動的なんだけど。
まぁ、身近な家畜の中でも、とりわけ、感情移入がしやすいのは、私にとっては馬なのです。
夏はこんなでした。朝6時半から夜8時半までゼルという地面を這うようにはった繋ぎ紐につながれていました。馬の乳搾りをするためです。
2012年になってからのハナシロちゃん。冬は馬の乳搾りはしないので、子馬は母乳を独り占めです。
他の子馬ちゃんたちは大人の馬と一緒に放牧地にいるのですが、ハナシロちゃんとお母さんはいつも家畜小屋の近くをうろついています。
特に、子馬って可愛い!
大人の馬ってなかなかなついてくれなくって、馬具装着させしてれば、乗せてくれるし、甘えてもくるけれど、それって、「制服着てるOLさんが上司の命令には従いますが、プライベートは別物よ」みたいな感じなんですよね。
馬具とかつけてなくって、チュドゥルっていう足かせもつけてない状態だと、草原で再会しても、「あら、来たの?」ぐらいの反応は見せてくれるけど、乗馬クラブの馬とか、いろんなブログで馬飼ってる人が書いてるみたいな感じで、近寄ってきてくれるってことは皆無。
あんまり日常的に世話してるってわけじゃないからかなぁ・・・と思いつつも、ちょっぴり残念なのです。
鞍がついていても、私の鞍じゃなくて、オラーナ君の鞍がついているときは、せっかく干草もって、近づいても、「お前、なんだよ。オレ、疲れてるんだよ、ほっといてくれよ」的に首をぶわっとふられたりすることもあるわけで、やっぱ、普段から世話したりコミュニケーションとってないと、夏はあれほど仲がよかったはずなのに、冬になったら冷たいのね、と内心傷ついたりするのです。
子馬はその点、能天気で警戒心がないので、干草持ってるだけで、おっかなびっくり近寄ってきて、「くれるの?くれるの?」的に口をパクパクさせたりと面白いアクションを見せてくれます。
干草をハムハムするのに夢中で、ふわふわの首筋とかをなでててもお構いなし。
ハナシロちゃんという名前は、この鼻面半分(しかも左右非対称)が白いからです。
この子もカメラ目線になりやすい子になりました。
きゅーん、となるのです。
あー、馬をゲットしてよかったなー!!と嬉しくなる瞬間。
とはいえ、ママが
「こら、なにやってるの?」みたいにブルルンって鼻水飛ばしながらいななくと、
「あ、ママが呼んでる」と一目散に母馬のところにいっちゃうんだけどね。
もうすぐ1歳になる当歳馬(オナガ)は、全部で3頭持っているのですが、そのうち、あけ1歳馬(ダーガ)のお姉ちゃんと一緒にやってきた「ハナシロ」ちゃんは、身体もちっちゃく、ひ弱です。
お母さん馬も、ハナシロちゃんだけでなく、12月の半ばくらいまでお姉ちゃん馬「ダーガ」にもおっぱいをあげていたため、身体が弱く、あまり太れない状態だったので、冬中ずっと、放牧だけでなく、干草や燕麦・フスマといった補助飼料をもらっています。
お姉ちゃんのダーガは、途中で、干草+ふすまという補助飼料と交換されちゃって、近くの遊牧民宅にいっちゃいました。
ママのおっぱい独り占め状態になったおかげか、「ハナシロ」ちゃんは、むくむくと1月になってからおっきくなってきていて、もうかなり元気いっぱいのいたずらっ子になっています。
去年の夏、はじめて「お馬の親子」や種馬、競走馬、乗用馬などを購入し、群として馬を増やしていこう、と決めたとき、正直、ちゃんと皆無事に越冬できるのか、がとても心配でした。
羊や山羊を購入するのと違って、馬は大型家畜で維持管理費も10倍以上高いし、餌代もかかるし、おまけに、そもそも1頭当たりの値段も高い!ので、気分的にも一財産。
正直、400kmほど走ったり歩いたりしながら、馬を連れて来て、無事、夏のキャンプ地に到着したときは、「もう後にひけない・・・」と嬉しさよりもプレッシャーが先にたっていたのです。
この冬は、近所に大きなオオカミの群ができてしまい、ベテラン遊牧民宅の馬や子馬、羊たちが、放牧先や家畜小屋付近でオオカミに襲われたっていう話をきくたびに、「次はうちか?」とドキドキはらはらだったし。
そんなわけで、子馬ちゃんの成長が目に見えてわかるくらいまで一緒にいられたことに感謝です。
お母さんのおっぱいを飲んでいないときは、大抵ゴロゴロ寝ています。頭のすぐ近くに転がっているやぶれた鉄鍋が「餌入れ」なのです。誰よりも餌入れの近くに寝転ぶ子・・・それがハナシロちゃんキャラです。

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