モンゴルだるま@モンゴル国で兼業遊牧民です。
昨日は、旧正月前に、干草12ブロックを草原まで届けてきて、ついでに家畜の面倒を見てもらっている委託遊牧民の奥さんが大晦日を実家に戻るってことでウランバートルまで一緒に帰ってきました。
先週、半年以上分(今年の9月まで+ボーナス1か月分)の委託報酬を支払ったのですが、なんと、CD/DVDコンポとスピーカーセットを購入したら、「お金、なくなっちゃった」と、奥さんの帰省に際し、さらなる10万トゥグルグの前借り要求があり、ちょっと驚きました。(1ヶ月後に返すから、と言われたけど、既に9月分まで給料を前借りしており、さして現金化できる資産を持ってるわけでもない彼らが「どうやってそのお金を調達するの?」というのが疑問。まさかうちの家畜を売りさばいたりしないよね?とか。)
とはいえ、遊牧民にとっては、ナーダムと旧正月というのは、特別な2大イベント。
特に、この奥さんにとっては、嫁入り後の初めての実家帰省なのです。やっと望んだオメデタってことで実家の両親も心配していることだろうし、まぁ、なんか「お姑さん」な気分で、気持ちよく送り出さねば、と年始周り用とか、いろいろ「何かあったとき用」にキープしていたヘソクリを供出することにしました。
遊牧民とのおつきあいで、「みみっちい」というのは、歓迎されないこと。
それに、ハレの日、縁起のよい日のためのことなので、ケチってはね。
それに彼らのおかげで、私は楽しさ爆裂の一時帰国を1ヶ月も楽しめたのですから、あまり1万円前後のことでごちゃごちゃ言ったり、クヨクヨしたりするのはやめよう、と。
投資と浪費の区別がつきづらいのが草原の暮らし。
人の気持ちは、損得勘定だけでは割り切れないことである。
日々の遊牧作業についてはまだ、モンゴルでも相場というのがハッキリしていないし、金銭的査定のしづらい部分であるので、あまりキリキリしたこと言われて、「賃上げ要求」など労働闘争を仕掛けられても困ります。
未だ夏の乗馬ツアーで稼いだ収入は、去年がんばった割りに、既に餌代と委託遊牧料という支出を考えると、「赤字」先行しています。
「お金」は「あればあるだけ使っちゃう(しかも瞬時に)」という遊牧民の生活パターンは今に始まったことではありません。じゃ、いつからこうなの?といわれると、よくわからないので、遊牧民が皆「サラリーマン」だった社会主義時代の遊牧経済っていうことも振り返る必要があるのかなあ、と。
(といっても社会主義時代は、国家自体が、コスト度外視のコメコン経済の一部となっていたので、それが今、どれだけ参考になるのかってのも微妙だけど)
大学でエコツーリズムについて教えることになったりしたせいか、ちょっぴり研究意欲がわいてきています。

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昨日は、旧正月前に、干草12ブロックを草原まで届けてきて、ついでに家畜の面倒を見てもらっている委託遊牧民の奥さんが大晦日を実家に戻るってことでウランバートルまで一緒に帰ってきました。
先週、半年以上分(今年の9月まで+ボーナス1か月分)の委託報酬を支払ったのですが、なんと、CD/DVDコンポとスピーカーセットを購入したら、「お金、なくなっちゃった」と、奥さんの帰省に際し、さらなる10万トゥグルグの前借り要求があり、ちょっと驚きました。(1ヶ月後に返すから、と言われたけど、既に9月分まで給料を前借りしており、さして現金化できる資産を持ってるわけでもない彼らが「どうやってそのお金を調達するの?」というのが疑問。まさかうちの家畜を売りさばいたりしないよね?とか。)
とはいえ、遊牧民にとっては、ナーダムと旧正月というのは、特別な2大イベント。
特に、この奥さんにとっては、嫁入り後の初めての実家帰省なのです。やっと望んだオメデタってことで実家の両親も心配していることだろうし、まぁ、なんか「お姑さん」な気分で、気持ちよく送り出さねば、と年始周り用とか、いろいろ「何かあったとき用」にキープしていたヘソクリを供出することにしました。
遊牧民とのおつきあいで、「みみっちい」というのは、歓迎されないこと。
それに、ハレの日、縁起のよい日のためのことなので、ケチってはね。
それに彼らのおかげで、私は楽しさ爆裂の一時帰国を1ヶ月も楽しめたのですから、あまり1万円前後のことでごちゃごちゃ言ったり、クヨクヨしたりするのはやめよう、と。
投資と浪費の区別がつきづらいのが草原の暮らし。
人の気持ちは、損得勘定だけでは割り切れないことである。
日々の遊牧作業についてはまだ、モンゴルでも相場というのがハッキリしていないし、金銭的査定のしづらい部分であるので、あまりキリキリしたこと言われて、「賃上げ要求」など労働闘争を仕掛けられても困ります。
未だ夏の乗馬ツアーで稼いだ収入は、去年がんばった割りに、既に餌代と委託遊牧料という支出を考えると、「赤字」先行しています。
「お金」は「あればあるだけ使っちゃう(しかも瞬時に)」という遊牧民の生活パターンは今に始まったことではありません。じゃ、いつからこうなの?といわれると、よくわからないので、遊牧民が皆「サラリーマン」だった社会主義時代の遊牧経済っていうことも振り返る必要があるのかなあ、と。
(といっても社会主義時代は、国家自体が、コスト度外視のコメコン経済の一部となっていたので、それが今、どれだけ参考になるのかってのも微妙だけど)
大学でエコツーリズムについて教えることになったりしたせいか、ちょっぴり研究意欲がわいてきています。

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