モンゴルだるま@モンゴルです。
モンゴル人にも「どこの地方の子?」と間違えられる
田舎っぽいりんごほっぺがチャームポイントです。
オールラウンドにマルチ分野で
モンゴル語通訳やプロジェクトコーディネーターとして
20年間ほど活動しております。
2009年秋にゲルと羊・ヤギと馬を購入し、
兼業遊牧民として3回目の冬を迎えております。
今年の冬はとても厳しくなる、と
渡り鳥の皆さんに知らされてはいたものの、
11月半ばまで比較的、ぬくい日々が続いていたため高をくくっておりました。
自然界の生き物は皆、ほんとに自然の流れを把握しております。
さて、今年の冬の寒さや放牧地の餌不足については、
対策バッチリとったつもりなのですが、、、
冬営地(冬のベースキャンプ)周辺のオオカミばかりはいかんともしがたい。
11月初旬くらいから群の足跡を見つけて2週間ごとに巻き狩りをしていますが、1頭、2頭倒したぐらいじゃ群の勢いはとまらないようで気が抜けません。
今日は、別の地域のオオカミハンターさんの助っ人として参加したオオカミ狩りでゲットした2頭のオオカミを紹介しましたが、その狩りのときのエピソードをご紹介。
/ゲットされたオオカミについての記事はコチラ/別ウィンドウで開きます。
狩人の話、遊牧民の話、トラック運ちゃんの話などなど、その道のプロ、という人たちの経験談はとても興味深く、何度聞いても、何時間聞いても飽きることがありません。
こういう「地に足のついたお話」がききたくてモンゴル語の達人を目指した、といっても過言ではありません。
さて、今日のエピソードは「オオカミの天敵」
モンゴル人にとってオオカミはトーテムであり、家畜を襲う敵であり、逆に神の使いだったり山や森の主みたいなもので、「なくてはならないもの」でもあります。
熊だってオオカミに出会ったら逃げる。
オオカミに向かう敵なし。
すごいぞ、オオカミ。
オオカミと対抗しよう、なんて思うのは人間だけなのです。
その人間だって、家畜が襲われたりしない限りは、わざわざオオカミ狩りなんかしたくない。
オオカミは獰猛でずる賢く、そして執念深いので、1度、取り逃がしたら、いつまでも家畜を付け狙い、復讐のチャンスを待つ・・・といわれています。だから、オオカミ狩りをした場合、何が何でもリーダー的な存在のオオカミをやっつけなければ、闘いは終わらないのです。
そして、そんなオオカミと対抗できる人間は、他の野生動物にとっても天敵。
野生動物にとっては、オオカミ同様、人間なんかとは遭遇したくないものなのです。
唯一の例外がカラス。
カラスはオオカミ狩りのとき、人間の味方をしてくれます。
オオカミに傷を負わせる一発をあびせた後は、血のあとをたどって追跡します。
でもカリヤブルと呼ばれる口径の小さなライフル銃や、かすり傷程度だと、血はすぐ止まってしまうので、血痕でたどれるのはせいぜい1-2km。
ところが、驚いたことに、人間が森の中や草原でオオカミを見失ってあきらめそうになると、
天空からガーガーと声が降ってくるのだそうです。
なんと、カラスが傷ついたオオカミの上空について飛んでいて場所を知らせるかのように鳴いている。
狩人たちによると、カラスの子が巣立ちする5月から6月にかけて、というのはオオカミたちも子供のオオカミたちを巣穴から出して、狩りを覚えさせたりするんだそうです。
そして、この場合、巣から落ちたカラスの子というのが獲物になることが多い。
だから、カラスは亡くした子供の復讐を誓ってオオカミをつけねらい、人間に復讐の手助けをさせているんだ、とのこと。
カラスもまた知能が高くて、複雑な足し算・引き算ができるし、記憶力も相当によいのです。
昔、ソートンが子犬の頃に、近所の校庭で飛行練習をして落ちてきたカラスの雛を捕まえて食べちゃったことがありました。おかげで、その校庭あたりを散歩すると、数ヶ月間ずっとカラス達の襲撃を受けていました。
おまけに散歩ルートをつけねらい、建物の角にとまって、ガーガーと仲間を呼び寄せるのです。
正直、そのカラス夫婦に次の雛が生まれ、無事に巣立つまでの間、ずーっと私達はカラスに襲われ続けていたのです。ホラー映画のようでした。
都会だけでなく、草原や森林など野生の世界でも同様なんですね。
都会のカラスはうるさいだけだけど、狩人にとっては、カラスも友達、というお話。

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モンゴル人にも「どこの地方の子?」と間違えられる
田舎っぽいりんごほっぺがチャームポイントです。
オールラウンドにマルチ分野で
モンゴル語通訳やプロジェクトコーディネーターとして
20年間ほど活動しております。
2009年秋にゲルと羊・ヤギと馬を購入し、
兼業遊牧民として3回目の冬を迎えております。
今年の冬はとても厳しくなる、と
渡り鳥の皆さんに知らされてはいたものの、
11月半ばまで比較的、ぬくい日々が続いていたため高をくくっておりました。
自然界の生き物は皆、ほんとに自然の流れを把握しております。
さて、今年の冬の寒さや放牧地の餌不足については、
対策バッチリとったつもりなのですが、、、
冬営地(冬のベースキャンプ)周辺のオオカミばかりはいかんともしがたい。
11月初旬くらいから群の足跡を見つけて2週間ごとに巻き狩りをしていますが、1頭、2頭倒したぐらいじゃ群の勢いはとまらないようで気が抜けません。
今日は、別の地域のオオカミハンターさんの助っ人として参加したオオカミ狩りでゲットした2頭のオオカミを紹介しましたが、その狩りのときのエピソードをご紹介。
/ゲットされたオオカミについての記事はコチラ/別ウィンドウで開きます。
狩人の話、遊牧民の話、トラック運ちゃんの話などなど、その道のプロ、という人たちの経験談はとても興味深く、何度聞いても、何時間聞いても飽きることがありません。
こういう「地に足のついたお話」がききたくてモンゴル語の達人を目指した、といっても過言ではありません。
さて、今日のエピソードは「オオカミの天敵」
モンゴル人にとってオオカミはトーテムであり、家畜を襲う敵であり、逆に神の使いだったり山や森の主みたいなもので、「なくてはならないもの」でもあります。
熊だってオオカミに出会ったら逃げる。
オオカミに向かう敵なし。
すごいぞ、オオカミ。
オオカミと対抗しよう、なんて思うのは人間だけなのです。
その人間だって、家畜が襲われたりしない限りは、わざわざオオカミ狩りなんかしたくない。
オオカミは獰猛でずる賢く、そして執念深いので、1度、取り逃がしたら、いつまでも家畜を付け狙い、復讐のチャンスを待つ・・・といわれています。だから、オオカミ狩りをした場合、何が何でもリーダー的な存在のオオカミをやっつけなければ、闘いは終わらないのです。
そして、そんなオオカミと対抗できる人間は、他の野生動物にとっても天敵。
野生動物にとっては、オオカミ同様、人間なんかとは遭遇したくないものなのです。
唯一の例外がカラス。
カラスはオオカミ狩りのとき、人間の味方をしてくれます。
オオカミに傷を負わせる一発をあびせた後は、血のあとをたどって追跡します。
でもカリヤブルと呼ばれる口径の小さなライフル銃や、かすり傷程度だと、血はすぐ止まってしまうので、血痕でたどれるのはせいぜい1-2km。
ところが、驚いたことに、人間が森の中や草原でオオカミを見失ってあきらめそうになると、
天空からガーガーと声が降ってくるのだそうです。
なんと、カラスが傷ついたオオカミの上空について飛んでいて場所を知らせるかのように鳴いている。
狩人たちによると、カラスの子が巣立ちする5月から6月にかけて、というのはオオカミたちも子供のオオカミたちを巣穴から出して、狩りを覚えさせたりするんだそうです。
そして、この場合、巣から落ちたカラスの子というのが獲物になることが多い。
だから、カラスは亡くした子供の復讐を誓ってオオカミをつけねらい、人間に復讐の手助けをさせているんだ、とのこと。
カラスもまた知能が高くて、複雑な足し算・引き算ができるし、記憶力も相当によいのです。
昔、ソートンが子犬の頃に、近所の校庭で飛行練習をして落ちてきたカラスの雛を捕まえて食べちゃったことがありました。おかげで、その校庭あたりを散歩すると、数ヶ月間ずっとカラス達の襲撃を受けていました。
おまけに散歩ルートをつけねらい、建物の角にとまって、ガーガーと仲間を呼び寄せるのです。
正直、そのカラス夫婦に次の雛が生まれ、無事に巣立つまでの間、ずーっと私達はカラスに襲われ続けていたのです。ホラー映画のようでした。
都会だけでなく、草原や森林など野生の世界でも同様なんですね。
都会のカラスはうるさいだけだけど、狩人にとっては、カラスも友達、というお話。

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