モンゴルだるま@モンゴルです。
昨日は、日帰り遊牧民でした。
羊とヤギの群の世話をまかされたのですが、これがまた大変。

うっかりGPSをおいてっちゃったため、どんだけ迷走したか、記録が残ってないのが残念。

ここんところ、雪が降り積もってしまい、羊・山羊が食べられる草がすっかり雪の下に埋もれてしまってるせいもあり、羊も山羊もひとつところに全然落ち着いていてくれないのです。

風が吹けば風上に。
音がすれば、音から逃げて。

山を越え、谷をわたり、口は下に向けて、ひたすらもぐもぐしてるとは思えないすばやさで移動しちゃうのです。

新雪に足を取られ、
雪が深すぎてわからなかったタルバガンの穴にこけたり、そりゃもう大変。

愛犬・ソートン(シェパード8歳・オス)がいなかったら、あやうく羊・山羊を見失うところでありました。あと委託牧民の奥さんがいなかったら。

大学時代はワンダーフォーゲル部でしたが、とにかく「バテ子」な私は歩みはとろいし、全然ダメ女でありました。
テント設営後のご飯と天気図記録が大好きという、「そんなら山に登らんでもええじゃろ?」っていう話。

仲間がいなかったら、わざわざ山に登ったりしなかったかもー・・・
登りよりは、下りが苦手だったので、山に登ったらずっと登り続けていたい。
頂上ついたら降りたくないっていう困った子ちゃんでした。

そんな私も、羊・山羊っていう「自分の財産」が絡んでくると話は別。
新雪が膝以上につもって、いわゆる「ラッセル」をしなきゃいけないってことも何のその。
普段だったらとてもじゃないけれど、下れない急斜面も必死で羊をおっかけた。。。

いやはや、まさか-20℃以下の風強い雪原の中、汗だくになるとは思いもよらじ。

最初は息が上がって大変だったのですが、カラダが温まってくると呼吸も落ち着き、体のバランスも取りやすくなってきました。
そして、歩くことも楽しくなってきたのでした。

とてもじゃないけれど、馬じゃないと登りたくなーいって思ってた斜面も、羊をおっかけてるうちにわりとさくっと登れました。下りられました。
羊引力すごーい!

約4時間半の羊の放牧。
2時間ごとにゲルにいったん戻って暖をとったのですが、ちょっと休んでいるうちに、羊たちはとんでもないところにずんずん進んでしまうため、走っておっかけないといけない、という・・・

毎日、こんなことやってる奥さん、すごい。
まだ30前の若いお嬢さんが人里離れたところで、タンタンと作業をこなしている。
プロ遊牧民はすごいなぁ。

「鶴の一声」みたいに、普段の彼女からは想像できないほど、どすの利いた掛け声が真っ白い谷間に響くだけで、羊たちがひとつのまとまりとなって、さーっと動く様子はもう感動ものです。

そうは言えども、後半は、暖をとりにゲルに戻るのをあきらめ、ワンコと一緒に羊たちにつきっきりで練習。

特訓の甲斐があって、なんとなく羊や山羊たちも私に慣れてくれたのか、ある程度は操作できるようになりました。

狩りに行っていた男性陣が車でお迎えに来てくれたのですが
「なんだ、ちゃんと調子よくやってるね。このまま冬営地まで連れ帰ってよ」
と言われました。

で、張り切って誘導。

散々、フラフラ、ずんずん移動していたわりに、「お家に帰る」となったら、すごいアッサリとたったか冬営地に一目散でかえって行きました。
私がやらなくても、こいつら、きっと帰ったのかもー。

まぁ、そんな感じでしたが、気分爽快!
汗だくでダウンジャケットまで絞れそうなくらいになってました。

翌日、WiiFitで量ったら、なんと前日比-1.7kg。

すげー。

今の私に必要なのは継続的な運動のようです。

今週末は国際観光フェアがあるので、いけないけれど、できれば、ずっと草原にいたいなぁ、って思いました。

夕暮れ後の星空は、新月になったばかりだったから、すごく綺麗でくっきりはっきり、そして無数に輝いていました。星明りと雪明りで、日が暮れてからも、懐中電灯なしで馬の餌やりとかもやっていたのですが、なんか、こういう暮らしって、いろんな感覚が研ぎ澄まされるようで素晴らしい。

委託牧民の奥さん(もうセンセイと呼んでしまいたい!)からは、「どうせ、私達夫婦二人っきりの生活だから、今度は泊りがけで来てね」と言われました。
やっぱり、毎日単調だと、たまにお客さんくる慌しさもよい刺激なのかも?

まだまだ1人で羊の放牧っていうのはあぶなっかしいのですが、こりゃ楽しい!

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