モンゴルだるま@モンゴルです。
モンゴル語通訳・翻訳・ODAや学術調査のコーディネーター兼業遊牧民です。
夏は自分の遊牧フィールドや友達(仲間)の遊牧民や狩人の人たちに協力してもらいながら、エコツアーを実践しています。

先週末は、子供たちを連れて「自然教室=遊牧体験」をしてきました。
寒くなってきたので、日帰りにしたわけですが、遊牧体験=ひたすら有酸素運動的歩き(アップダウン付き)であることを自分でも実感。

久々(といっても5日ぶりだけど)に自分の愛馬にも会えました。
馬は、日中は、結構遠くで放牧してるので、写真が撮れるくらいの至近距離まで近づけたのは久々なのです。


実は、その前日に馬泥棒が襲いに来たらしく、ベースキャンプから15km以上も離れたところまで放浪していたそうですところをつかまえた、という愛馬2頭。いやー、今、ちょうど屠殺・肉買い付けのシーズンなので、家畜泥棒もここかしこで出没しているので、危ういところでした。

幸い、新雪が降った後だったので、足跡を追跡することで追いつけたんだそうです。

馬泥棒の場合、群を一気にどこか遠くまで追い立ててていって、どこか人里離れたところで銃殺し、すぐ近くの町ナライハの肉の買い付け商に売りさばいてしまうといいます。
委託遊牧民の青年も、いつもの放牧地で群ごと姿が見えなくなっていたとき、かなり焦ったそうです。

ただ、これまた幸いなことに、私の愛馬たちは、実は気に入った子達を、いろんな遊牧民さんと交渉して買い集めたため、まだ群全体の結束がゆるいのと、普段から世話をしている人たち、慣れている人たちですら、捕まえることができないほど、逃げ上手なため、馬がまとまらず、あきらめた、ということらしい、そうです。

いずれにせよ、恐ろしい。
都会の近くで家畜を飼うというのは狼以外に、尻尾のないオオカミ=人間も天敵なのです。

馬泥棒って現場を押さえない限りは、証拠を見つけることが難しいため、大抵、泣き寝入りするしかないのが現実。

それが兼業遊牧を始めた当初、馬を飼うことに躊躇していた理由です。

でも、馬はやっぱり飼ってみると、カワイイし、乗馬ツアーという形で、自分の冬の餌代や委託飼育料を稼いでくれるので、ある意味、収益のよい家畜です。

夏はとってもよい状態だった子達も、大切に扱っているとはいえ、過酷な冬になると、どうしてもやせ衰えます。

今回、馬泥棒から逃げ切り、かつ最近は羊の番のローテーションでお疲れ気味ってことで、気持ちが落ち着くまでは、放牧はせずに家畜小屋で飼うことにしたそうです。

とりあえず、愛馬2頭のビフォー(夏)とアフター(冬)をご覧ください。

ホンゴル(乗り易さ抜群!)

Before(夏) 注・お客様のお顔は、一応伏せてみました。加工の仕方がかっこ悪くてごめんなさい。
新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-夏のホンゴル


After(冬11月現在)

$新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-乗り易さ抜群 ホンゴル


ツォーホル(気立てが優しくて癖がないので、初心者向け)
Before(夏)
$新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-夏のツォーホル

夏の日帰りエコ乗馬ツアーの常連さん。モンゴルに語学留学をしている合間にほんとよく参加してくれました。モンゴル語と共に乗馬もすっごい上達ぶりでありました。また来年もやろうね!


After(冬)
$新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-気立てのよい白馬ツォーホル
家畜小屋の柱で首をゴリゴリやってたところ、呼び止めたら、ちゃんとカメラ目線になったwほんと気立てがよい馬なのよねー。初心者さんでも、1人乗りを任せられる子です。
でも、本気で走ると、はやい、はやい、はやい!委託遊牧民のオラーナ君は、来年は競走馬としても調教するって言ってます。

骨盤の出っ張り具合がすごいでしょ。

でも、まだまだこれからモンゴルの冬は厳しくなるのであります。

子馬ちゃん達は、中古屋で購入したお布団で「ネムネー」という防寒具を着せてあげますが、大人は、ひたすら耐えるしかないです。

11月から、補助食料として燕麦とフスマを発酵させたものと干草をちょっとずつ与えているそうです。

寒さ・雪・ゾド・オオカミ・馬泥棒など、様々な敵と立ち向かわなければいけない遊牧のシビアさ、いよいよ深刻になってきました。

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