モンゴルだるま@モンゴルです。
昨晩から降り始めた雪は、今現在も降り続いています。
街は完全に雪景色で彩られています。

旧国立デパート(現ノミンデパート本店)前のクリスマスツリーなどはすでに飾りつけも済んでいるわけで、雪が映えてきれいでしょうね。

さて、いろいろとあわただしい1日でしたが、予定通り、
ウルグー映画館で開催中の日本映画祭に行ってきました。

今夜は「クライマーズ・ハイ」。
日航機墜落事故をめぐる地方新聞の記者・デスクの奮闘・内部確執・事故を巡るスクープへのジャーナリストの執念など盛り沢山。
上映時間も2時間あまりと最近の邦画としてはかなりの長編だったのではなかろうか?

無料ですが、一応、発券窓口で座席券の発券をしてもらう必要があります。

日本語はそのまま残ってるんだけど、モンゴル語の翻訳がかぶり、さらに英語の字幕もあり、ちょっぴりうざったかった。
ぜーんぜん理解できない言語だったりすると、字幕とか翻訳が頼りなので、助かるわけですが、今回は、私にとっては、どれも母国語に近いなじみのある言語。
それがトリプルであるわけで、ちょいと集中力を欠きました。

一緒に映画鑑賞をつきあってくれたドライバー兼パートナーのガナー君は、2時間過ぎ、クライマックスのスクープをどうするか、うんぬんのあたりで力尽きて、会場を出てしまいました。

そもそも2時間以上、同じ姿勢で座ってなきゃいけないって、辛いことですものね。(子供じゃないけど)

あと、開始早々、映写機の不具合があったらしく、途中で途切れてしまったり、音響がハウリングを起こしたり、フォーカスが合わなくなったりと、さすが無料上映会というノリ。

2時間余りとはいえ、30分以上の遅刻をしてきた集団を会場に入れるのは、あきらかに場内整理の不手際だと思う。お金払ってるならわかるけどさ。
さらに座席指定じゃなければ、いいのだけれど、自分の席を探そうと、大騒ぎするモンゴル人に完全に集中力をそがれてしまった。

集中力が命、の私の心をかき乱すというのは、相当のマナー違反なのです。
あと数日あるわけだから、会場整理の人たち、その辺もうちょっと配慮していただきたいものです。
途中退席続出だったのは、結構、キーとなるセリフや動きがあるところでの、このガヤガヤとしたマナー違反の観客のせいで、吹替えがよく聞こえなかった人たちが、話についていけなくなった、っていうことも要因だと思いました。

御巣鷹山の日航機123号機墜落事件は、私が高校生のとき。
剣道部の夏合宿の初日で、稽古場の近くの銭湯に行ったときに、更衣室のテレビでニュースを知りました。

生存者がいたことにも驚き、520名もの貴重な命が一瞬にして失われたことに呆然としました。
事故後数年たってから、ブラックボックスから、操縦席の機長たちが最後の最後まで必死で操縦をあきらめなかったこと、最後の最後で、覚悟を決めたときの男気あふれた最後の言葉・・・などのテープがJALから公表されました。

未だ、その事故原因には諸説があります。謎が謎のまま、もう25年以上が経ってしまいました。

いろんな事件や事故がこの年月の間にたくさん起こりました。
でも、御巣鷹山の日航機墜落事故は、ものすごく強烈に、はじめてニュースで知ったときの衝撃、そのときの状況を含めて記憶鮮明です。

というわけで、私にとっては、この「クライマーズハイ」のテーマはとても身近だったのですが、モンゴル人にとっては、1985年といえば、まだまだ冷戦時代、日本は敵国扱いだった頃の話で、国内線の飛行機事故のニュースなど報道もされていないわけで、何がそんなに問題なのか、とか中曽根首相の靖国参拝が日本人やその周辺諸国にとってどれだけ大きな物議を醸す出来事であったのかなども理解できなかったと思います。

私にとっては、とってもとっても見たかった映画だったので、大きな画面の映画館で鑑賞できたのは、とても嬉しかったです。

映画そのものは、登山シーンとか、学生時代、よく使っていた「土合」駅(きれいになってた!)など懐かしい大学時代の部活を思い出せたのがちょっぴり嬉しかったり、スクープ合戦とか、あの辺の現場の臭いは、テレビの報道局での仕事現場と似てて懐かしかったです。(共同通信のニュース速報がとびこんでくるところとかね。あの音、どこでもおんなじなんだなー。)
「土合(どあい)」駅を上りながら、「土合なんて、どぁいっきらいだー」っていうお約束の駄洒落を息を切らしながら飛ばす、というのは、後輩達もやってるのかなぁ?20年前は、階段の数なんか書いてなかったけど。


とまぁ、山登り・ジャーナリズム・御巣鷹山・日航機墜落事故等、私にとっては、すごいツボなネタも、モンゴル人にとっては、微妙・・・だったかも。

正直、あんなにニューススクープのために血道をあげたり、命をかけたり、徹夜したりって、モンゴル人ジャーナリストはしないもん。4000m以上の美しく、いい山がたくさんあるけれど、登山ってまだメジャーに誰もが楽しめるアウトドアスポーツってほどには普及してません。登山道の整備もないし、山小屋といっても、安全対策とか、山のベテランがいたり、情報交換ができるっていうよりは、ツーリスト用宿泊施設って感じだし。ルート整備も標識もロープも未整備で一般人のトレッキングは無理無理。登攀メインでお金持ちかスポーツマンのための特殊スポーツであるのは21世紀の今でも相変わらず。

というわけで、あらためて、モンゴル人と日本人の違いをヒシヒシと感じたのでした。

半分くらいで完全に飽きちゃったにも関わらず、雪の中で歩いて帰るのも、タクシー拾うのも大変だろう、と最後まで待っててくれたガナー君には感謝であります。

あと3日間ありますが、さすがに、また行こう、とはいえない感じになっちゃったけど・・・

でも、映画館に行くってこと自体は、ちょっと楽しかったみたいなので次はモンゴル映画を見に行けたらいいな、と思っています。



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堺雅人の警察周りの記者の執念に取り付かれたような鬼気迫る縁起がすごいっす。
25年前当時は、電話連絡ひとつも大変だったんですね。
今の携帯電話・スマホ・インターネットの普及は、実にニュースをリアルタイムに、いろんな形でやり取りできるようになっててすごい・・・けど、あの黒電話とか留守番電話が、ほんと昔話みたいに見えるなんて思わなかったです。ついこの間のことだと思ってたけど、あれから25年がたっちゃったのでした。カメラワークがすごいです。

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NHKが先に映像化していたそうです。ドラマ化の際、映像権獲得の殺し文句は、「NHKは日航を実名で出します」だったそうです。こちらのバージョンもみたいなぁ。劇場版映画よりもさらにきめ細かい構成になってるそうです。

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原作は伏線がいっぱい、裏テーマに対するフォローなど盛り沢山なんだそうです。
こちらも読んでみたい作品。