立ち技最強ムエタイ。

タイといえばムエタイ。 

日本語ではムエタイというが、タイ語の発音からすれば「ムアイタイ」の方が近い(ムアイ=ボクシング)。

日本人が外国に行くと、よく「空手や柔道できるのか?」と聞かれる。 最近では空手や柔道を習っている日本人は少なくなっているのかもしれないが、私が子供の頃などは10人居たら2人くらいは何らかの武道を習っていたような気がする。 実際、私も柔道を習っていた。

このように、日本人の中にはある程度の割合で日本固有の武道の経験者を見つけることが出来るのだが、タイでムエタイ経験者を見つけるのはこれが案外難しい。 私自身、在タイ7年目、これまで多くののタイ人と関わってきたが、ムエタイ経験者には誰一人として会った事が無い。 

ここにタイの社会構造というものがある。

つまり、早い話が現代でムエタイをやるタイ人というのは殆どが貧乏人なのである。

一般タイ人から見たムエタイというものは、経済的に恵まれない子供たちが習うものであり、そのような貧しく、学歴も無いタイ人達は名声や金を夢みて、己の体ひとつで一発逆転をムエタイに賭ける。 そして、ムエタイの頂上に登りつめた後は、国際式ボクシングに転向し世界チャンピオンを目指す。 

これが現代のムエタイドリームであり、そういう夢を掴んだのがウィラポンであり、ポンサクレック。 両者ともタイ東北地方の貧しい出である。

今の一般タイ人や金持ちタイ人にとって、ムエタイとは賭け事の対象であり、外国人と話す時の話題程度の物であって、自分自身が暑い中汗まみれであんなキツイ事をやろうなんて気はさらさら無い。

タイがこの先、どこまで豊かな国なるのかは分らない。確かにバンコクはある程度豊かだが、田舎に行くとまだ最近電気が通ったばかりのような場所もある。 ただ、少しずつではあるが、この国も着実に経済成長しているのは確かなので、そう考えると、ムエタイ人口はこの先確実に減っていくだろう。 

結局、金があればムエタイなんてしないのだから、ムエタイというタイの文化は国の経済発展の影で消え去っていく。

下手をすると100年後には、ムエタイは絶滅危機に陥っているかもしれない。

というのは少し大げさか。

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