タイの慣習の中で私が一番好きなのがワイ(合掌)。
タイに来ると(場合によってはタイに来る前の飛行機の中から)、町中やテレビ、会社や学校など、いたるところでワイを目にする。 綺麗にワイをするタイ人を見るとそれだけで心洗われるような気分になる。
外国人からすると、ワイはタイ・タイ人のイメージと直結しているようなものなので、タイに来た観光客が見よう見まねで手当たり次第にワイをしている姿をよく目にするる。デパートやレストラン、場合によってはタクシーの運転手や路上の屋台のオバサンに対してワイ。
もちろん、そのような観光客方は単純に挨拶や感謝の意を表すためにワイをしているのだし、タイに来てタイの慣習に則ってワイをしているのだから見ていて好印象だし、ほのぼのとさせられるのだが、実際、タイ人にとってワイという動作は社会的に非常に重要なもので、誰彼構わず深々とワイをするのは適切ではない。
3段階のワイがある。
・両手を合わせた親指が自分の鼻、中指が額に当るくらいのワイ。 これは最上級のワイであり、僧侶や相当に目上の人に対してのみ行なわれるワイ。
・親指が喉、中指が鼻に当る程度のワイ。これは年上や目上の人に対して行なわれるワイ。
・目下や店員等の対しては胸のあたりのワイ。
※どの場合も、まず目下からワイを行なう。 決して目上が先にワイをする事はないが、立場の上下が無いような場合はどちらからワイを始めても問題ない。
このルールからいくと、レストランの従業員や屋台のおばさんに対して最上級のワイをするのも不適切だし、年上の方や仕事上の取引先に対して胸の辺りでワイをするのも極めて失礼にあたる。 日本のお辞儀にしても、角度によって意味が違ってくるがワイも似たようなTOPがある。
ワイの作り方も日本でいう合掌とは異なる。
日本で合掌といえば、両手をぺったりと貼り付ける形だが、タイのワイは若干両手の間に膨らむを持たせるのが一般的。丁度、蓮花のような感じだろうか。 ただ、これには色んな意見があり、タイ人の中にも割りと両手を貼り付けた(日本の合掌みたいな)スタイルでワイをする人もいたり、一概に蓮花形でなければならない、というのでもなさそうだ。
あと、ワイ返しも基本。
日本でもお辞儀をされたらお辞儀で返すという暗黙の了解があるが、タイも同じで、ワイをされたらワイを返すのがルールである。 ワイ返しの場合、有り得るのは胸レベルか鼻レベルのワイまでで、最上級のワイというのはシチュエーション的にありえない。
ただし、ワイ返しが礼儀とは言っても、レストランや店の店員からされるワイに対しては特別ワイ返しをする必要はないので、こういう場合はスマイルで返すか、ちょこっとお辞儀をするか、ワイをするにしても胸レベルのワイを小さくすれば十分である。
状況に応じて綺麗なワイを自然体で行なえるように私も日々精進中。