ウランバートルへの帰りの列車に乗ろうと
ザミンウード駅に着くと、
朝のがらんとしたホームの様子とまったく違う。

たくさんの人、たくさんの荷物、たくさんの売り子。
国境の町らしい活気があふれる。

モンゴルのモ-ザミンウード駅の朝

列車は夕方に出発した。
窓の外は、ただ夕焼けの空と地平線。
浮かんだ雲にむかって走っているみたいだ。

モンゴルのモ-雲に向かって

砂漠の中にもぽつんと駅だけがあって、
どこからともなく人はやってきていて、
列車に乗り、そしてまた誰かが降りていく。

モンゴルのモ-駅?学校?何?

どうやって、行き来しているのだろう。
迎えの人がいる様子もなくて不思議。

車両の出入り口の窓が一番汚れていないので、
そこでずっと外にカメラを向けている私のことを、
たばこを吸いに来る人たちが噂している。
「ヤポン(日本)」とか「ソロンゴス(韓国)」とか聞こえてくる。

そして業を煮やして、一人が話しかけてきた。
「何を撮ってるんだ?」
「空」
「ああ!空か!」と妙に納得した様子。

「空を撮ってるんだとよ」
「おお。そうか。空はきれいだろう?」
「ほら、今がきれいだから、もっと撮っとけ」
「早く撮んなよ」と次々に声が掛かる。

モンゴルのモ-ほら今撮れ!

ウランバートルでは
「ここは汚い」「恥ずかしい」
という声をよく聞いた。

誇り高いモンゴル人は、
自分の街を愛していないのかと少し悲しかった。

ところが、空の話になると一転する。
そういえば、ハタクというモンゴルの聖なる布の色も、
空の青と言われる濃いブルーだ。

自然、ひときわ空は、モンゴルの人たちの誇りなのだ。

モンゴルのモ-夕焼けと地平線

お寺→列車⇔国境の町、そして空 は「あるがまま舎通信」2006年8月号掲載