月曜日の朝っぱらからNHKテレビ三昧ですみませーん、、、なモンゴルだるま@モンゴルです。

今朝は、あさからいい番組見てますよー。

舞台はモンゴル。「地球ドキュメント・Mission#14 森本高史」。
私が尊敬するジャーナリスト・報道ドキュメンタリスト集団・JIN-NETの社長さんの高世仁さん絶賛のイラン人女優サヘル・ローズさんがMCやってます。

日本だと今年の9月12日にNHKで放送されたようです。
番組のあらすじなどは、NHK地球ドキュメント ミッションブログにて。
http://www.nhk.or.jp/mission-blog/missions/59566.html



毎回楽しみにしているのですが、今回は舞台がモンゴルです。

貧困地域の子供達にサッカー指導をしているサッカージャーナリストの森本さんをフューチャー。
ゲル地区の子供達をスカウトして、モンゴル少年サッカーリーグのNo.1チームに育て、貧困脱出を目指す、という活動を民間ベースで地道にやっております。

勝ち組「金持ち父さん
」たちがぐんぐんまい進を続け、鉱山開発によって一人当たりのGDPは年間1500米ドルの壁を越える勢い。

その一方で、いわゆる「貧困層」人口も激増中です。
貧困層の1日当たりの消費額がUS$1.25という数字が出てました。
私が自分に課している1日の限度額が3,000tg。
特別イベントとして、髪の毛を切るとか、疲労困憊のときのマッサージなどをあわせても、1ヶ月、自分のためだけに使うお金は160,000tg以内に抑えることを心がけています。
1ヶ月10,000円以内ってことです。
残りは会社の維持費と地元で活動している環境保全NPOや村おこしツーリズム団体など、エコツーリズムに取り組んでいるモンゴル人との活動のための資金積み立てと、自分の老後のために回します。
自分が使うお金は10,000円以内を目指しますが、本気でエコツーリズムを確立させるための団体活動支援や自分が理想とする会社づくりのためには、1ヶ月あたり15万円ぐらいは稼ぎたいところ。最低でも8万円はないと困る。。。

自分の生活資金用財布には現金は1週間あたり40,000tgいれるだけで、それ以上の補充はしない!!という信念でここ半年余りのモンゴル暮らしを続けています。
私は、自分ではかなりつましい暮らしを心がけているつもりであったけれど、子沢山の貧困層世帯の実態はもっともっと厳しいっつーことですね。

扶養家族、とくに子供が多ければ多いほど、生活費がかかり、かつ貧困層の人がつける仕事や稼げる仕事は、限られているし、収入はほんとにびっくりするくらい乏しかったりする。
だから、「いくら身を削って働いても十分な収入が得られない」し、働きすぎて体を壊してしまう人や絶望して家族崩壊してしまったりするのです。

「勝ち組」は1ヶ月1500ドルもするようなインターナショナルスクールとか欧米諸国や日本などと提携している金持ちエリート私立学校に子供を入学させたり、留学させたりできているけれど、貧困層の子供達は、義務教育の学校(授業料は無料。でも教科書は貸与。テキストや副教材は有料あるいはレンタルで綺麗に使って返却しないと罰金がとられる)に通わせるだけでもヒィヒィな状況で、地方などでは、小学校4年生ぐらいで経済的理由で退学してしまうケースもある。
教育レベルの格差は、それぞれの段階において子供の精神的発育状態にもゆがみをもたらしています。

こんな状況にあるモンゴル国で貧困層の青少年を対象とした人材育成を目指すというのはとっても難しいのです。

番組では、貧困世帯に育つ少年サッカーの有力選手・ビルギー君が「朝食を抜いて練習に参加して、ぶっ倒れた」ということをきっかけに、「貧困世帯で育つ子供たちにどんなサポートをしてあげられるか」を考えるっていう課題に直面します。

一緒に活動するコーチたちは(英語で通訳をやっているモンゴル人は、知り合いの方でした!)、むやみに個別な支援をすれば、キリがなくなる、よく話し合ったほうがいい、という意見。

いい選手になるためには、きちんとした食生活と一生懸命練習するというバランスが大事なのだから、なんとか子供達の食生活を改善してあげたい森本さんは、「これでいいのかなぁ・・・」と悩む。

スポンサーがいないため、子供達の練習で使うミネラルウォーターは森本さんが自腹で購入中とのこと。あぁ、でも安いミネラルウォーターは決して安全とはいえないんだよなぁ・・・とか、気になることはいくつかあったりもする。

そして、「最初にバナナ3本を与えたら、次は食事を毎日3回、そのうち、サッカーシューズを3足・・・必要なものを与えていたら、子供達の要求はキリがなくなる」というモンゴル人たちの主張も、私にはよっくわかる。理解できるし、特定の人だけにサポートしていると、「おれも、おれも」と支援者に群がり、全体的なバランスがぐっちゃぐちゃになる。私が思うに、ウランバートルにおける「貧困層」というのは、この最底辺(でもちゃんと住民登録はある)にいれば、働かずして生活費が国や国連、そのほか国内外のNPO支援によって支援されるっていう、ちょっとした最低限生活を確保するためのステイタスだったりする。人からの施しになれちゃって、それがなければ、「だってしょうがない。社会が悪いんだ」と開き直り、上を目指して苦労するっていう意識転換ができずにはいずりまわっているのです。

このぐっちゃぐちゃになった「援助されて当たり前」という開き直り段階の彼らとの付き合いい疲れちゃって、「やっぱりモンゴルはダメだ・・・」と撤退していく日本の貧困対策だの環境保全だのNPOも沢山いるわけです。
持久力のある活動を続けていくためには、モンゴル人と一緒に、自立・向上の道を焦らずに探ることが大事なのだけれど、「ボランティア」でやっている日本人には、自分の生活を犠牲にしてまでっていう意識があるから、やる気がなかなか態度に表れないモンゴル人相手の「ボランティア」を継続するのはほんとに大変なことなんですね。

モンゴル人は決して人材ポテンシャルが低い民族ではないと思うし、頭もいい。
チャンスを活かす「機を見て敏」なところもある。

「やればできる」人たちなんだって思うんだけど、どっか「甘い」「ちゃっかりしてる」ってところもある。
平気で嘘つくときもあるし。(そりゃないでしょ?っていう言い訳が泉が湧き出るようにスラスラ出てくるのをきいていると、怒りを通り越して、笑っちゃうくらいだ)

一生懸命やってもね・・・徒労感に打ちひしがれることもあるのがモンゴルでの慈善活動なんだと思います。
でも、続けていくこと。10年、20年続けることでやっと、最初の双葉がにょっきり出てくるんですね。

ゴビ砂漠に調査に行ったとき、すんごいたまげたことがあった・・・

3年間咲いたことがなかったという花が、一夜にして硬い大地の荒野一面を覆っていたのです。
ひゃー。。。なんだこりゃ!!!

地元のレンジャーさんの話だと、ゴビの植物は、5年間旱魃に襲われた大地でも、じっと天からの雨を待ち続けているんだそうです。
そして、一瞬の雨で一気に眠りから醒めて、がーっと硬い荒野の土の壁を突き破って芽を出し、子孫を残すために花を咲かせて、受粉し、種や実をつけるまで駆け抜けるのです。

雨、つまりは慈善活動による活動資金が必要なんですね。
活動資金をどうゲットするかは、国内外で活動する慈善事業の課題です。

森本さん、がんばってるなぁ。。。
でも、ただ「貧困層の支援」っていっても個人では厳しい!


そして森本さんは、サッカージャーナリストとしての本業があるので、いつもいつもモンゴルばかりに関わっているわけにはいかない。
モンゴルで精一杯の活動をするためには、本業でしっかり稼がなきゃいけない。
そして仕事でがんばるベースのひとつとして、モンゴルのサッカー少年たちの笑顔や汗や希望があるんだと思う。

今回、この番組に出たことで、森本さんの活動「FCデレン墨田」の活動支援ががーっと集まるって思います。

少なくとも、私はコミュニケーションってところでね、森本さんの本気を伝えるためのお手伝いができたらいいなぁ、って思いました。
私も本業を持ちながら、になるけれど、それでも、心打たれるものがありました。

そして、去年のODAプロジェクトでちょっと関わらせていただいたモンゴルの方が、こういうボランティア活動にほんとに一生懸命に取り組んでいらっしゃるってことを見て嬉しく思いました。

この「FCデレン墨田」というクラブチーム名のデレンというのは、このモンゴル人の方の出身地であるドンドゴビ アイマグの地名でデレンという山の名前なんですね。遠く離れても故郷を忘れず敬意を払っての社名でもあります。
地方からツテなく出てきた彼が地道に活動をしながら、大きくしていった会社があり、その社長業も多忙を極めているけれど、それでも、自分がはいあがったように、モンゴルの子供達も「いつか・・・」と未来を目指してがんばる精神を持てるようにって気持ちで森本さんと一緒にやってらっしゃるんだと思います。

慈善活動について、外部から、あれだらこれだら、金のある人からない人への支援のあり方に対して、いろんなこという人いると思うんですね。批判や批評する人たちも。

でも正直、貧困層に対する支援のあり方に正解なんかまだ誰にも見つけられていない。
だから、自分が信じる、やりたい、援けてあげたい!って気持ちを原動力に、後悔しないように精一杯、やるっきゃないんだ。

モンゴル人の成功者たちは、決して、堂々と胸をはれる手段だけで金持ちになったわけではない。
それは本人たちだって、心の隅っこのどこかで思っているはず。

でも、モンゴル富裕層もね、貧困層へのいろんな支援活動を始めています。
地方出身の都会に根ざした人たちが、故郷の青少年のために奨学金制度をはじめたりもしています。
私が知っている中で、貧困層から普通の生活に引っ張り上げ、さらに貧困時代を忘れずに、次の貧困層の人をひっぱりあげようっていう人が連鎖反応的に繋がっている活動は、キリスト教系の人たちの活動なのですが・・・それは、基本的に、信仰心があるから、目の前の結果や現象をみて、自分が揺るぐってことがないからであり、「自分の中の正義」が自分を突き動かしているから。小さいことでも「自分はやったんだ」ということが積み重なる達成感を祈りと感謝で神様に繋げるからかもしれません。

信仰がなくたって、「小さいことでも、自分が信じたことをやっている」という心は、きっといい方向に繋がっていきます。

番組の最後に、練習後に、チームの少年メンバー全員をレストランに連れて行って食事をご馳走している森本さんの姿がありました。

私はモンゴルの子供達に対して、一生懸命孤軍奮闘で自腹切ってでも、ってサッカーという希望を掲げて支援する森本さんを応援したいなぁって思っています。

テレビ番組は、こういう影響力があるからすごいなぁ、って最近はちょっぴり遠ざかっていたので、よい刺激になりました。