日本の元旦(西洋のニューイヤー)を祝い、2月17日からモンゴルでツァガンサルを祝い、そして、今週日曜日は、バヤンウルギーではイスラム系のカザフ民族にとってのお正月「ナウルズ」を祝います。
1年で3回も!

ナウルズは春分の日を1年のスタートとしています。
でもイスラム暦って私は詳しくないのですが1年が365日じゃないから、どんどんずれてっちゃうんですよね。

ここ数年は、断食月が夏にかかってしまっていて、かなりバヤンウルギーではかなり苦労していらっしゃいます。

モンゴル国だけど、カザフ語が公用語というバヤンウルギーアイマグでは、盛大にナウルズのお祭りをします。

モンゴル国内のカザフ人は、多くがバヤンウルギー(ここのアイマグは約8-10万人が居住し、最大勢力!)、ウランバートル、ウランバートル近くの炭鉱町・ナライハ、セレンゲアイマグなどで暮らしています。最近は、ウランバートルの大学に進学するバヤンウルギー出身のカザフ人も増えてきていて、毎週金曜日とか、「カザフ人の集い」などが若者中心で企画されています。
ケーブテレビでも新疆ウイグル自治区のカザフ語放送が24時間見ることができたり、モンゴルのTVでも、30分程度の「カザフ語放送」が放映されるようになりました。

カザフスタンがソ連から分離したのをきっかけに、カザフスタン政府は、ロシア文化の影響でカザフ語を話せないカザフ人が続出するなど、カザフ民族の文化が衰亡しつつあったのを復興させるために、マイノリティとして弾圧、あるいは差別されていたりする周辺の同胞の移住推奨政策を行っています。
バヤンウルギーからも、21世紀になってから、アイマグのカザフ民族の半分近くが移住しています。今年の冬は、壊滅的なゾドになっているので、親戚を頼り、助成金などだけでもまともに生活できるカザフスタンへの移住を目指す人が増えるかもしれません。

まぁ、今まで、「モンゴル中華主義」的だったモンゴル人ですが、ここ数年で、カザフ文化の紹介番組が増えたり、ウランバートル周辺で「イヌワシ祭り」が開催されたり、カザフスタンから文化交流の歌舞団が100人くらい来て、「カザフ文化の夕べ」が数日間行われたりと、ずいぶんとカザフ差別も減ってきた気がします。

今年は、ウランバートルでもナウルズ祭り、やるそうです。

そして、モンゴル最大のカーペットメーカー「エルデネットカーペット」は、カザフ語でのナウルズ向けセールのテレビCMを製作・現在放映されています。

モンゴル人も好きですが、私、もともとマイノリティーに惹かれるんですね。
大学院での研究テーマもモンゴル最北の針葉樹林帯などに暮らす「ツァータン」だったし、会社を設立してからも、去年、仕事でどうしてもいけなくなるまで、毎年、イヌワシの生態調査と鷹匠さんたちの生活調査や伝統文化などについての聞き取りなどで14あるソム全部を回らせていただいていました。

モンゴル国内で日本人と一番ストレスなく付き合えるのは、カザフ人ではなかろうか、と思うくらい、とても礼儀正しくて、朗らかで華やかです。

工芸品もすばらしくて、最近では外国人向けの御土産品としても、バッグやフェルトのクッションなどが人気です。ただのお土産として作っているのではなく、自分たちも使っている、というところが素敵なんです。

そんなわけで、カザフ文化がモンゴルでもちゃんと認知されるようになったっていうことはとても喜ばしいこと。

モンゴルにいる異邦人としてではなく、ちゃんとモンゴル国の一員として受け入れるようになった背景には、お隣、中国の脅威を強く意識するようになった、ということもあるんでしょうね。

ホーミーが中国の世界無形文化遺産として登録された、あるいは登録申請されて調査中、というニュースは、モンゴル人にとっては大ショックだったのです。

その上で、中国の大きな意味での多民族国家として隣国に散らばっている同系民族同士すらも分け隔て、中国こそが自分のアイデンティティのように考えるように仕向けている、と考えると、ウイグル族の伝統文化もやっぱり「中国」の世界遺産として認知されたことへの脅威、そして、これからのモンゴルは、モンゴル国内だけをオリジナルのモンゴルだ!と主張するのではなく、モンゴル国として多民族国家として国民がひとつにならなければ、カザフ人はどんどんカザフスタンに移住し、貴重な観光資源であるカザフ文化の継承者たちもまた国外に流出してしまう、ということにようやく気づいてくれたみたいです。

文化や芸術が政治に使われる、というのは抵抗感がありますが、ユネスコの世界遺産登録等々も、やっぱり政治的ロビーイングが重要になっている昨今、貴重な伝統文化を継承し続け、あるいは民主化をきっかけに見直され、再興に尽力しているのだから、モンゴルも国内から一枚岩になって、伝統文化を世界に主張していくようになる気がしています。

にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
にほんブログ村