昨日からガナー君と子狐は週末遊牧生活で、今日の夜帰ってくる予定でした。
でも、今日は朝から冬営地もウランバートルも冷たい風がびゅーびゅー。
ウランバートルから南東70kmほどのところの谷間にある冬営地は、吹雪で遭難しそうなくらいとか。

結局、家畜は放牧に出せず、救援物資の冷凍マンジンを2日間かけてゲル内で解凍し、きざんだものを与えたそうです。

子狐は、終日大好きなパパとおばあちゃまを独占状態でご機嫌みたい。
石炭の街ナライハの個人炭窟から掘り出されたばかりの石炭を直接買い付けてあるので、寒さの心配はありません。

ただ、吹雪がすさまじく、轍どころか舗装道路までの方角すら迷いそうなくらいのホワイトアウト状態なんだそうで、今日は帰ってこれないと連絡がありました。

ウランバートルで気象情報を確認し、携帯電話でメッセージを送りました。

ウランバートルと冬営地の中距離恋愛状態になってしまっていますが、ウランバートルで最新の情報をキャッチできるのはありがたいことです。

また-30℃の世界に逆戻り。
マンジンや野菜くずで元気モリモリになってきたのか、臨月を迎えた羊やヤギたちのおっぱいも膨らみ始めているそうです。

ゾドというのは、いくつもの種類がありますが、これまでは「白いゾド」といわれる大雪で放牧地の枯れ草が覆われてしまい、家畜が掘り出して食べることができないために衰弱し、また寒さなどで体力を奪われるというタイプでした。

3月9日から数日間のぽかぽか陽気で厚さ30-70cmもあった積雪もあっという間に融けたのですが、今度は「鉄のゾド」といわれる、雪解け水が地表で凍り、枯れ草を氷の中に閉じ込めてしまい、やっぱり家畜が草を食べられなくなる、というタイプになりそうです。

そして、妊娠、出産によって体力が極限まで落ちている母羊や生まれたばかりで濡れた子羊を出産直後に発見しないと、あまりの寒さや風で母羊が群から遅れることをいやがり、生まれたわが子が立ち上がる前に動いてしまったり、あるいは羊水でびしょぬれの子羊があっという間に凍死してしまうのです。

だから、放牧のときは、ダッフルバッグとかトートバッグサイズのフェルトや毛皮の裏地がついた「子羊袋」というのを持参して、出産直後の初乳を飲ませた後は、「子羊袋」に収容して、保温するのです。

この吹雪、明日の夕方まで断続的に続くようです。

一進一退を繰り返していますが、もう7時近くまであかるくなってきていて、春間近、という感じです。