「お金貸して」友人に頼まれたらどうする? ブログネタ:「お金貸して」友人に頼まれたらどうする? 参加中
モンゴル人との交流がある程度、「親しい」とか「親密」とかってなってきた日本人が必ずといっていいほど直面する問題は、「借金」です。と言い切り型にしてみても、心当たりある人、いっぱいいると思います。

自分の肉親が「No借金!」という人たちで、「他人に借りなければ買えないようなものなら、我慢しろ。他人に貸すときは「返ってこない」ことを前提にしろ。友達とは絶対金の貸し借りをするな」という教えを子供の頃からうけてきました。

なのに、、、私は、親切心で、モンゴル人にお金を貸したがために、大きな財産を失い、ひぃひぃと命からがら、という悲惨な目にあった経験があります。
そこまでいかなくても、基本的には、1万円以上相当のお金をモンゴル人に貸すのは、やめたほうがいい、というのが私の結論です。
「貸す」と思うから、「返して欲しい」という気持ちが強く働くのが日本人。
「他人から借りたものは、必ず返せ」という常識のなかで育ってきている私たちにとっては、当たり前のことでも、モンゴル人にとっては、違うんです。
返さない、ってわけではない。でも「今」は返せない。
返せない言い訳は独りよがりで、、、「それって私になんの関係がある?」ってことだったりで、イライラしたり、絶望したり、幻滅したり、するわけです。

モンゴル人同士でも、お金の貸し借りで友情が壊れたり、親族関係が険悪になったりしてるんですから、外的イメージは「先進国」で「豊かな国」日本からやってきた私たちは、「お金を他人に貸せるほど潤沢に持ってる人」ってイメージなのです。あるいは、「借りた金を返せなくなっても、縁を切っちゃってもどおってことない人」ということなのかもしれません。


借りるときは、もっともらしい理由やら返済計画やら、「金が入ってくる目処はあるんだけれど、今、手元には金がない。でもビッグチャンスを失いたくない。あなた以外頼れる人がいないんだ」みたいなことを言われた人、手を上げてー・・・っていったら、小学1年生の授業参観日みたいに手がにょきにょきあがるんだろうなぁーーーー。

モンゴル人にお金を貸して、返ってくるか?という問題ですが、「次にまた金を借りよう。」と思っている人は、期限内に返してきます。ちゃんと借用書なども作って、しかるべき手続きをすることにも同意します。

そして、その額が、徐々に、徐々に大きくなっていき、果ては、数万ドル規模まで膨れ上がってきた頃・・・「今までちゃんと返してきたんだし、細かい手続きはしないでもいいよね」みたいなことを言われたときは、要注意です。相手はおそらく「これが最後の大勝負」と思っているはず。
公証役場で公証人立会いのもとにきちんと担保契約と共に融資契約を結び、かつ担保物件の権利書などを預かれる状況にならない限りは、やめたほうがいい。相手、とんずらすることだってありますし、公証役場での公証を受けていない場合、裁判で解決しようにも、結局、アウェイな私たち外国人は膨大な精神的・時間的・物理的消耗を強いられます。

それでも、、、目の前で困っている人を援けてあげたいって思ったならば、借金、と思わず、投資、と
思ってお金を融通してあげればよいと思います。

モンゴルの諺に「器のお礼はその日のうちに。馬のお礼は一生かけて」というのがあります。
「一生、恩に着るよ」というのは、モンゴルでは、あり、なのです。

また私たち外国人にとっては、いくら今、お金に余裕があっても、それがいつまで続くかわかりません。為替相場の変動によって、金銭的な圧迫も出てくるし。それよりは、常々、自分の手元でお金をだぶつかせず、よい流れで循環させるほうがよいのです。

それが、融資である場合は、相手にとっても、自分にとっても無理のない返済計画を綿密に一緒にたててあげた上で、現実的に、自分も相手も生活を逼迫させないですむ形でお金を融通するのです。そうすれば、銀行に預金するよりも利率はよく、かつ実生活でも有形無形のモンゴル人からのサポートを受けることができるのです。

またついつい、「お金をかしてあげた」という気持ちから、自分がお金を貸した相手よりも優位にたったような気持ちが生まれてしまいます。プライドが高い民族性ゆえに、借金という事実よりも、「友人だと思っていた相手がえらそうな態度をとっている」ということにむかっ腹を立てたり、悪意を持ち、その結果として、借金返済を滞らせる、という形で抵抗を示したりする人もいるのです。

借金って、モンゴル人にとっては、わりと日常的なことなんですね。銀行が貸し渋りをしている、といっても、ほんと、よくお金を借りてます。
さらに、自分も多額の借金を抱えているのに、給料日なんかに、友人に「ちょっとだけお金を貸して」といわれて、当たり前のようにお金を貸していたりする。
結果、自分がお金が必要になると、また別の友達に「借金」をする。
借金スパイラルです。借金を借金で返そう、とするから延々と終わりがない・・・


だから、私のように、「他人から借金するな」と躾けられている人間が、この借金スパイラルに組み込まれると、ほんとしんどい。

だって、一方的にしかお金は流れないんだから。嫌でしょ?無理でしょ?返ってこないってあきらめるしかないもの・・・相手もそういう私の心理をわかってて、「返せない借金」を困った、といって申し込んでくるのです。そして、最終的に、「困っているモンゴル人をいじめる金満日本人」みたいなひどい罵詈雑言をぶつけられて、縁きり状態・・・しかも金は返ってこない、という最悪ケースになるってわかりきってますからね。

お金をだぶつかせることなく、投資に回したり、寄付したり、自己投資したりということで、少しお金のめぐりをよくしよう、と思うようになったのは、この借金スパイラルの挙句、共同経営者に命を狙われたり、自分がモンゴル国に滞在することが危うくなるような事態を示唆されて脅迫を受けたり、とても嫌な目にあい、結局、お金をいっぱい失いました。当時の額でいったら、マンション一軒たっちゃうくらい・・・そう、私から奪いとったお金で彼らはそんな風にして「金持ち父さん」のファストトラックにのっていったのでした・・・

モンゴル人皆がそういう人ばかりだとは思わないけれど、相互扶助が小さなことから大きなことまで、わりと当たり前に行われている社会では、「友達」っていうのは、いろんな意味で重荷を背負うことをいとわないことが期待されます。重荷を重荷だ、と文句をいうのは、「友達」じゃないのです。重荷を背負わせることには無頓着でも、自分が背負うのは嫌。嫌だけど、友達のためなら背負うよ・・・といいつつ、外国人に対しては、その対価としてのお金を要求・・・

なので、モンゴル人とおつきあいする場合、お金については、「手放したら、どこかをまわっていつか、帰ってくるかもしれない」くらいの気持ちで渡すのが正解、って思います。私はそう思うようになってからずいぶん気が楽になりました。

これから挽回する、と考えると気が遠くなるような金額をむしりとられたせいで、無駄遣いをすることもなければ、私に借金をしよう、と考える輩も激減しました。

結論からいうと、友達には借金はしない。友達にお金を「貸して」といわれたときは、気長に「いつか返してね」ぐらいの大らかさで、心底、相手を助けてあげよう、という気持ちをこめて渡したほうがいいってことです。

「金銭」自体が、人間が生み出した「信頼」の形です。お金に対して信用がなければ、何の価値もありません。それと同様に、友情もまた、金が絡んだ瞬間、信頼の形にバイアスがかかってしまうけれど、それでも、友達は友達、金は金、ときちんとわりきって、本来の付き合いを続けていくことを心がけてみる。

そして、自分が友情を壊してしまいそうだ、と感じたら、遠慮なく、「貸せない」って断るべきです。
「せっかく厚意でお金を貸したのに・・・」ってわだかまっていても、モンゴル人は理解してくれません。「厚意」で貸したなら、そのことで「恩を着せ」たり、プレッシャーをかけたりするべきではない、と考える人たちなのです。

だから、ただでさえ、モンゴルに滞在して仕事をする、ってことはイライラが募るストレス環境なのだから、余計なストレスを増やさないためにも、きっぱりと「No!借金」を徹底してしまってもいいんだと思います。あとは、自分がお金のはぶりがよさそうに見えないように質素に暮らすこと。これも大事。

食事も着るものも、清貧が一番。借金の申し込みをブロックするには、質素な生活と、お金が介在しない付き合いに徹すること、です。

ひとたび、借金がらみでの口論とか諍いが生じそうになったら、もうきっぱりとお金もその人との付き合いもあきらめる。その覚悟ができないだけの金額だったらお金の貸し借りはしない、というのがモンゴル人と平和につきあう秘訣だと思います。

ちなみに、モンゴルで個人間にせよ法人間にせよ、借金の返済が滞ったときに、「支払い延滞料」の累積は元本に対して50%を超えないってことになっていますから、借金を取り戻したい人は、1年以内にとにかく豆にせっつき、きちんと公証役場での証文をとっているならば、裁判所に「返済申し立て」を行って、裁判所命令で相手にプレッシャーをかけるなどの手続きをとったほうがよいですよ。あんまり長期間になってしまうと、裁判所判断が出ても、本来の返済額すら戻ってこないこともあります。相手の生活状況、お金のめぐりなどもしっかりチェック、把握して、密な関係をとっていられないならば、絶対、お金を貸しちゃダメです。泣き寝入りしなきゃいけない状況になって、モンゴルそのものまで嫌いになってしまったら残念ですもの。


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