大勢で食べたいモノ、ひとりで食べたいモノ  ブログネタ:大勢で食べたいモノ、ひとりで食べたいモノ 参加中
モンゴルで大勢で食べたいモノといえば、文句なくヤギの丸焼き料理「ヤマーニィ ボードグ」。ヤギを一頭つぶして、お尻の方から内臓やら肉やら骨やらを抜き取り、毛皮の袋とその中身に分けます。骨を関節ごとに切り分けて、食べやすくしてから、真っ赤に焼いた石(焼いても割れない石です。その辺の花崗岩などだと焼いたらばらばらに割れちゃいます)と塩、草原のネギ(フムールやターナといった韮系やマンギルというアサツキ系など)やにんにく、たまねぎ、ジャガイモ、にんじん、マンジン、キャベツなどと一緒に毛皮の袋の中に戻します。焼いた石、肉、野菜、塩、と繰り返して、最後に蒸し焼きにするために、ザーッと適量の水(焼いた石が冷えたり、蒸発して野菜や肉が焦げない程度の量)をいれたら、毛皮袋の口を閉じて、適当に転がし、その後、バーナーで毛皮をこんがり焼いていきます。じわじわと毛を焼き落とし、皮が焼けてはじけない程度の火であぶっていくと、じくじくと皮下脂肪が内部に伝わり、旨みとなっていきます。野菜は入れなくてもいい、というか草原の遊牧生活だと、そんなに豊富に野菜があるわけではないので、肉メインになっちゃうんだけれども、野菜が入ると、スープの甘みというか深みが段違いに美味しくなるので、私は野菜もたっぷり入れるのが好きです。

「アルプスの少女 ハイジ」のハイジや「フランダースの犬」のネロたちが牛乳を売るために使っていた牛乳缶を圧力釜のように使うホルホグという似たような料理もあるのですが、このヤマーニィボードグは、まず、作れる人が限定されちゃいます。毛皮を傷つけずにきれいに処理する技術ゆえに「ボードグチン」(ボードグを作る人)というスペシャルな単語があるくらい。

ヤマーとはヤギなのですが、ヤギ肉というのはモンゴル人にとって、5畜(馬・牛・羊・ヤギ・らくだ)の中で、一番安い肉で、脂肪分が固まる温度が低いため「冷たい性質」といわれ、ヤギ肉と一緒に冷たいビールやジュースを飲むと、脂肪が内臓で固まって腹痛になるといわれています。

沖縄で「ヒージャ汁」をいただいたときは、逆に、ヒージャ(ヤギ)の肉は、体をあつくするから、生理中や妊娠中の女性は飲んじゃいけない、とか言われていたので、食べる場所によるのかも。

まぁ、ともかくモンゴルでのヤギ肉は、虐げられた存在ですが、ヤマーニィボードグに変身すると、10km先から馬に乗って駆けつけてくる人がいるほどの大ご馳走になるのです。

貴重な毛皮を台無しにしてまでプルップルのコラーゲンたっぷりの皮まで食べられるご馳走にするのですから、なるだけ大勢で骨までしゃぶり尽くしたいものです。

このヤマーニィボードグは、フジテレビの「あいのり」のモンゴル編でもやりました。
プルップルのジューシーでやわらかい肉にメンバーの皆、すっごいかぶりついてました。
特に肉付きの「社長令嬢・Remi」ちゃんの食べっぷりは惚れ惚れするほどでした。
手づかみで、がぶりとかぶりつく姿は、まさに始め人間「ギャートルズ」時代のよう。

30人くらいで食べても、皆、お腹一杯堪能できる不思議な料理です。

肉の旨みが濃縮しているからなのか、にくにくしい、そのボリュームに圧倒されちゃうせいか、要因はよくわからないのですが、とにかく、食べたい!っていう意欲はあっても、ほんと、肉の塊2-3個と野菜を食べて、スープを2-3口味わうと、お腹がパンパンになり、気持ち的にも大満足で「あー、食った、食った」となるのです。

独り分ずつ取り分けられると、物足りない感じがするのですが、どーんと大きな肉用のタライに盛り付けられたヤマーニィボードグの肉塊を、自分で好きなものを選んで、手を伸ばすほうが圧倒的に美味しく、満足できます。

独りで食べたいものは、、、あんまりありませんね。
独り暮らしをしていると、あんまり食べ物を独り占めしたいって気持ちにならなくなってくる。
どれだけちょっぴりのものでも、好きな人、友達と分け合って、味わいたい。

以前は、あんまり日本人の友達もモンゴルでは見つからなくって、日本から持ってきたご馳走などは、「ありがたみのわからない」モンゴル人にがつがつ食べられるのが嫌で、独りでこっそり食べてたんだけど、今は、日本人留学生や日本人妻の方々やお仕事でいらっしゃってる方など、お友達も増えてきたので、やっぱり、一緒に食べるのが嬉しいです。

モンゴルみたいに大雑把でダイナミックな大地で暮らしていると、大勢で食料を分け合うっていうのが一番のご馳走なんだって思います。