大掃除の最中、ずーっと、眠り続けていた父が目覚めた。
クリスマスは、彼は大学1年生から定年退職+1年まで、ずっとベートーベンの「第九コンサート」に動員されていて、家に帰ってくる頃には、かなりお疲れモード。
ケンタッキーフライドチキンあたりのスモークチキンかなんかを帰宅途中に購入してくる、くらいでそれほど盛り上がりません。バリバリのカトリック教徒のわりに、ほんと、質素なクリスマス。

定年退職してからの父は、ほんと、「涅槃に入っちまうんじゃないか」っていうくらい、自堕落な生活。
寝大仏のようです。
夜中ずーっと、撮りだめしているサスペンス劇場のビデオを見続け、朝刊をとってから、就寝。
昼間ずーっと眠り続けて、夕刊到着の頃、目覚める。
父の仕事は、新聞を取ることくらい。

このままでは、長生きできそうにないけれど、別に本人は気にしていないようです。

そんな父が、1年に1度張り切るのが、12月30-31日。
角松を飾り、おせち料理を作る頃。

なぜか、正月、元旦というものに対しての情熱がなみではないです。
年賀状も書かないくせにね。お年玉もさしてくれなかったのに・・・。

アニバーサリー男。

おせち料理の中でもお得意は、魚介類系とローストビーフ。

今年は本日30日の夜11時まで、眠り続けていたから、ないのかなー、と思ってたら、先ほど、アメトークが終わりにさしかかったあたりから、ムックリ起き上がり、現在、ローストビーフ制作中です。

ブリとタイとエビなどの調理は完了した模様。

ぐうたらなわりに、料理はかなり手際がよく、お得意なのです。

父がテンションが最高潮になるのは、大晦日からのカウントダウン。

年越し蕎麦と元旦の雑煮に、人生のすべての情熱をかけちゃうのかなぁ。。。ってくらい張り切ります。

雑煮もそれなりに美味しい澄まし汁系なのですが、年越し蕎麦を食べ終わったとたんに、「モチは何個焼くか?」と早くも「雑煮モード」に入られるのは困ります。

そして、脂ノリノリ、ぎっとぎとのブリの切り身が入るのが私は苦手で、苦手だっていうのは、もう30年以上言い続けてるんだけど、父はかたくなに出世魚のブリを入れています。

弟はこの雑煮を食べるのを拒否って、なんと中学3年生(だったかな?とにかく中学生になってた)で、友達と一緒に初日の出を見に行く前に、父親に激怒されて、大粒の涙をこぼして、ひぃひぃ泣いてました。
そんな弟も今や立派な妻子持ち、マイホームをゲットした立派な日本男児です。
やっぱり、弟も正月は気合が入るようなので、我が家の父系のDNAにインプットされ、父になると発動するようになっているのかもしれません。
雑煮にブリが入っているかどうかは不明だけど。

男の人って「一年の計は元旦にあり」って大事にする人、多いんですか?

ともかく、味見した感じ、ローストビーフは大成功だったようで、おおはしゃぎしている声が階下で聞こえております。

昔「アニバーサリー女」というネタがありましたが、我が家の女は、年中行事にはいたってクールなので、男が行事に燃えております。