モンゴル国の冬も本格的になってきている模様。
路面が凍結し、トレッキングシューズにホカロン靴用だけじゃ、風邪ひきの危険がつきまとう、そんな季節です。

草原では、冬用の食糧とする家畜をつぶすシーズン。
遊牧民は羊や牛と一緒に暮らしているから、日々、肉を食べているんだろうっていう印象が強いと思うのですが、冷蔵庫を持たない彼らにとっては、貴重な財産である家畜をつぶすなら、血の一滴までも有効活用したいわけですから、夏場はお客さんが来ているときぐらいしか、自分の家畜をほふることはありません。

夏の乗馬トレッキングの時でさえ、私たちを迎えにきた遊牧民ガイドは、食料市場で「牛肉買って帰ろうかな」って言ってたくらいで、夏はほとんど生の牛肉を食べる機会などありません。

逆に草原が天然の冷凍庫となる11月下旬以降は、解体した肉塊は、そのままほぼ瞬間冷凍に近い状態で、かっちんこっちんになるので、一番よい状態で冷凍保存できます。

なので、「食糧を作る」シーズンとなるのです。

凍結が本格的になるシーズンで、かつ、あまり家畜の体力が落ちないベストな肉付きの時に、厳しい冬を越せそうにない家畜をつぶし、まびく、というのも重要な遊牧技術のひとつです。
草地力の低下が深刻化している昨今では、よろよろになって、まさに箸にも棒にもひっかからなくなって弱って死んでしまう家畜に食わせる草はないのです。特に冬場は、いかに、たちがれている放牧地の草を大事に使うか、ふすまなどの穀物などの補助飼料のコストを抑えるかというのが遊牧経営のカギ、なのです。

私が調査していた地域は、「牛のしっぽが凍結して落ちる」とまで言われていた厳寒期。
当時は、北極でも大丈夫という、もっこもこのダウンコートを使っていましたが、これはもう肉襦袢。
スターかくし芸大会で使われるお相撲さんの着ぐるみもまっつぁお!というシロモノで確かに温かいのですが、身動きとるのが難しく、靴ひもひとつ自分で結ぶのが難しいほどでした。

狼狩りなど「待ち」時間が長い場合は別として、タイガでの暮らしは、-30度前後で比較的風が弱い場所にキャンプをはっているわけですから、あんまり分厚すぎるのもどうか、という感じでした。

大事なのはむしろ、足まわり。
つま先が凍らないようにしないと、凍傷だけでなく、扁桃腺が弱い私は足が冷えると即、高熱ふっとうしてしまうので危険でした。
汗をかかず、かつ体温をキープできて、雪に埋まっても濡れない、などの条件をみたした靴や靴下はなかなか巡り合うのが大変でした。

さて、今回、秋が長かったモンゴルをあとにした私。
厳寒期グッズを一切合財、モンゴルの自宅におきざりにしてしまったのです。

戻るのがすっごく億劫になっている要因の一つに、「この寒い中、帰ったら、すぐにやばいことになる」というのが目に見えているから、です。

でも、「冬のモンゴルをぜひ見たい!」という旅行者の方もいらっしゃるでしょうし、そういう方たちにとっての悩みは、まさに、「日本ではほぼ経験したことのない寒さ対策、どうしよう?」ということだと思います。

冬の遊牧民ホームステイ。
ゲルの室内は意外と暖かかったりするので、あんまりモコモコだけだと、逆に室内でかいた汗が、外に出て凍って体温を奪うことにもなるので、重ね着作戦をお勧めします。
あるいは、室内は薄着でも、外に出るときはばっちり防寒・防風対策ができるような空気層のあついコートなどを持っていく。
ジャケットじゃなくてコートにこだわるのは、太ももや腰回り、お尻周りまでカバーしておかないと、あんまり防寒対策にならないなぁ、という経験からです。
このわずか15cmほどの丈の長さが、風邪をこじらせるかどうかの境界線だったりするから、コート丈には妥協はできません。
逆に、風を通さず、空気層を作れるコートならば、それほど分厚くなくても、カシミアの薄手のセーターやユニクロのヒートテックの薄い上下の長そで・スパッツがあれば十分対策になるのです。

ヒートテックは軽いわりに体温保持にはすぐれた素材だし、洗濯してもすぐに乾くのでお勧めの旅グッズ。
プレミアムダウンも風を通さないと思われます。フードがついているから、帽子は簡単なものでもOKな感じだし。身動きもとりやすく、着脱も簡単でした。

以前はダウンジャケットは4-5万円くらいするシッカリしたものでなかったらヤバイ!というイメージでしたが、1万円以下でもモンゴルの極寒対策ができちゃうんだから、すごい時代もきたもんだ!

ユニクロのフリースは私はあんまり使ってません。薄すぎるか分厚すぎるかのどっちかだから。
でもエアーなんちゃらいう、スノーボードの人が使うようなズボンはお勧めです。
蛍光ラインが太ももの後ろやふくらはぎのあたりに入っているので、夜の犬の散歩のときなども安心だし、風を通さないので、ジーンズの上から履いたり、ヒートテックのスパッツを重ねて履いた上からだったら、それだけで十分。雪がぬれても二重構造になってるから、体温を奪いません。

手袋は、やっぱり二重にできるもののほうがよいでしょう。
末端部分はどうしても体温を奪われるし、結構が悪くなるし、凍結しやすいですから、風や水を通さない、軽いものを何枚か持って、少しでも指先が汗でぬれたような感じになったら(防寒に優れていると、内部が汗でぬれやすいから)すぐに取り換えるようにしています。

あとは首回り。ウールやカシミアなど天然素材がいいですね。
たぶん、化繊でも問題ないのだと思うのですが、私はモンゴルのカシミアマフラーやストールをぐるぐる巻きにして、鎖骨あたりからの体温発散を防いでいます。

足先、指先、えりあし、頭と耳、お尻とへそ周り。
この辺を冷えないようにしておけば、モンゴルの冬は屁でもない・・・気がしています。

11月いっぱい、遊び歩いて充電し、体調を整え、次の一歩をどうするか、そんなことを考えながら、、、冬装備のリストアップを始めています。

みなさんの冬対策はどんなですか?