8月27、28日に予定されているモンゴル巡業。
明日20日に、日本相撲協会の決定が出るとのこと。
朝青龍2敗の後の休場。でも、モンゴルには戻らないとの話。。。

なんとなく白鵬、旭天鵬らのテンションが上がらないのはなんでかなぁ、、、と思っていたら、ちょっと納得。

モンゴル巡業の公式ホームページ(http://www.mongolbasho.mn/)はモンゴル語のみなのですが、まぁ、詳細ことこまかに、巡業参加力士にいたるまで紹介されている気合の入れよう。


企画運営は、日本相撲協会と朝青龍基金が直結やり取りで、その下にモンゴル国内のスポンサーとなる企業体という構造。共催・後援としてモンゴル国大統領官房・教育科学文化省・ウランバートル市役所(首都庁)・首都警察庁・駐モンゴル日本大使館となっております。

モンゴル窓口は一手に朝青龍基金。

「技のデパート・モンゴル支店」などとモンゴル力士旋風の切り込み隊長となり、さきの国会議員選挙でソンギノハイルハン区でトップ当選を果たした旭鷲山・バトバヤル氏も、旭鷲山基金というのを持っているわけで、そりゃ面白くないですよね。

モンゴルでの相撲人気にのっかり、立候補者名も他の人たちに差をつけて、ダワーギーン・キョクシュウザン・バトバヤルとしていたこの人。
このままじゃ、ビッグビジネスの巡業利権に一切関わることができません。。。

って、、、そういうことなの?

モンゴル相撲会館という国技館のような立派な施設もあり、あるいは何万人もの収容が可能な国立競技場も夏ならば可能、、、サーカス劇場はちと小さいよなぁ、なんて言われていて、開催決定の記者会見の時も、日時は決まったけれど、会場はまだ、というなんとも不思議な発表で蓋をあけてみれば結局、ASAグループのサーカス劇場で決定!

うーむ・・・


今のところ、代表スポンサーは携帯会社大手のモビコムグループ。ここはもともと日本の大手商社が後ろ盾についていたから、ある意味納得。

そして主なスポンサーとして、
アルタイコンストラクション・タワンボグドグループ・ブリッジグループ・ペトロビス・ハスバンク・モンゴル民族投資銀行・スピリットバルボラム株式会社・ムンヒーンウセグ株式会社・ASAグループ・BMWモンゴル支店・シティキャピタルパートナーズ・ポテンシャルシステムソリューションズと連なっている。

タワンボグドグループ、ブリッジグループの総裁は、80年代から90年代にかけてモンゴルの国の威信を背負って国費留学していた人たち。朝青龍基金とは別にスポンサーとしても朝青龍の家族親族が経営しているASAグループが連なっています。

モンゴル民族投資銀行は、モンゴル国では初めての投資銀行で、朝青龍のお兄さんでモンゴル相撲の横綱・D.ソミヤバザル氏。幹部メンバーのなかに、ネギシ・ノリオさんという日本人の名前もあります。

そっかぁ。。。これからのモンゴル投資ビジネス分野の大手企業がスポンサー。
やっぱり、ただホンモノの日本の大相撲を見ることができるというだけでなく、それと同時に大きなビジネスが動くチャンスなのですね。

でも、これって個人の利権がどうの、ということではなく、モンゴル国大統領後援であることからもモンゴル国が国を挙げて期待している大イベントなのです。

旭鷲山バトバヤル氏は野党議員。

朝青龍は与党・人民革命党より、、、という見方もあるけれど、以前、私がダルハンにいるときに紹介したように、朝青龍は、無所属候補でシャリンゴルの金鉱山社長でもあったB氏を応援していました。
モンゴル巡業のために、協会からお叱りを受けようとも署名活動に奔走したりと近年、尽力してきた朝青龍がなんとしてでも成功させたいと思うのは、利権だけでなく、純粋な「故郷に錦を飾りたい」という気持ちもあるのでしょう。


モンゴル人の一生のうちでぜひやりたいって思うことに、「本を書いて出版する」「故郷に錦を飾り、自分でナーダムを開催し、地元の人たち皆を招待して楽しんでもらう」ということがよく言われます。

もともと一枚岩の組織・チームワークを築いて事に当たる、というのが苦手なモンゴル民族。
モンゴル人力士と一口に言っても、それぞれが故郷に錦を飾りたい、お金持ちになりたい、強くなりたい、横綱になりたいと目標を持ち、がんばっているわけで、仲良しグループみたいなわけにはいかないのでしょう。
朝青龍の激しい闘争心では、ジャイアン的なガキ大将にはなれても、個性的で自己主張の強い人たちを纏め上げる統率力を持ったリーダーとはなれなさそう・・・他人のこと言えないけれど。

あぁ、どういう決定がでるのでしょう?

朝青龍個人ではなく、モンゴル国が国をあげて待ち望んでいるということを、日本相撲協会も受け止めていただいた上で、情報収集は一国民であるバトバヤル氏の見解だけを重視するのではなく、モンゴル国にある日本大使館、外務省、駐日モンゴル大使館など様々な方向からしていただき、公明正大なご判断をしていただきたいと思います。

モンゴルで暴動など二度と起こさない。そのために、前回の惨劇をふまえて、未だ警察・軍・情報局などは特別厳戒態勢を解いてはいません。でも市民の生活は平常、安全なものとなっています。むしろ、酔っ払いなどがパトロール強化のおかげで減っているような印象。
恐怖政治というわけではないけれど、治安強化はされていますし、巡業中はもちろん、警察総動員で警戒態勢がしかれるのです。

モンゴル巡業をみるツアーというのもきっと日本でもあるでしょうし、この期間にあわせて、たくさんの経済界の方々もいらっしゃることと思います。
日本とモンゴルの文化交流の一環として、ぜひともモンゴル巡業が予定通り開催されますように。