モンゴルは遊牧民が人口の約20%余りを占めている「遊牧国家」。
さぞかし、肉が安いと思いきや、いやいや、、、肉のインフレ率、過ごすぎ!
いくらツァガンサル前とはいえ、あんまりといえばあんまりよ。

戦後混乱をかたるおばあさんみたいになっちゃうけれど、おいらが留学しとった頃は、野菜が高くて、高くて・・・、贅沢品でございました。

しかも、きゅうりの発音が悪くて通じないせいか、売ってさえもらえなかったこともあったり。えーんショック!

肉も配給なわけですが、割り当て量が少なくて泣けてくる・・・
でも、幸い、私には民俗学調査という研究テーマがあったおかげで、遊牧民のところにしのんでいくこと可能なわけで。
なんか知り合いになった人が上京してくるたびに、肉の塊をお土産においてってくれるので、それほど肉不足を感じていなかったのですが。

当時の日記を読むと、私はツァガンサルの前に、ヒツジの1等肉(当時は1等、2等みたいに等級わけされていました)が2倍近く値段あがった、と憤慨しておる。
当時のジャガイモが、1kg、8tgから、自分が買った直後に商談加熱で物価高騰しいきなり80tgに!とびっくりした記録も残っていて、せこいとはいえ、なんでも帳面につけておくことは大事だなぁと思うわけで。

1991年8月の段階で$1が240tgになった、といって、ひゃー、ドル強い!とか書いています。
私が始めてモンゴルの銀行でドルを両替した1990年7月31日で、1ドルが31tgだった領収書があり、いかにモンゴルの為替相場が変化していったかがわかります。

1992年の10月だったか12月だったかの段階で、われわれモンゴル政府奨学金留学生が、募集要項では「日本円で5万円相当の額と3ヶ月に1度白米支給」となっていたのに、白米支給は当然のことながらどこからもなく、かけあう窓口すら存在しないことが判明し、5万円相当どころか50ドルにも満たない「はした金」となった476tg/月を、皆で家計簿をつけ、大使館に交渉の陳情に行き、1800tgに上げてもらったはいいが、今度は大学側が「先進国からきたあんたらに奨学金支払うくらいなら、私が給料上げて欲しいよ」みたいな感じで、会計窓口が奨学金を渡してくれなかったりとなかなかタフな生活を余儀なくされておりました。

同じ時期に大学院生で留学していた先輩は、もっと几帳面に家計簿をつけてやりくりしていて、その緻密な性格にさすが近現代の歴史に取り組もうとする人は違う、と尊敬していました。

なんとなくすべてを値切りたがる習性は、物不足と急速なインフレの中で生き抜く術として身についてしまったもので、そのせこさは20年近くたった今でも健在であります。節約、我が命。

さて、荷物もち屋がダブカと正吉という二人もいるため、ちょっと気前よく買出しすっぺと思った私ですが、肉の高さにもうびびりまくり。

ヒツジ肉2800tg。らくだ肉2000tg。馬肉2500tg。牛肉3800tg。ヒツジの心臓1800tg(これは3日前よりもなんと300tgも高い!)それぞれ1kgあたりの値段、てな感じです。

逆に野菜はカフェ時代からの馴染みのおばちゃんから買ったので、モンゴル国産ジャガイモ330tg/kg、キャベツも同じ。

粟は50tg増し。

ヒツジ肉高い!まじ高い!
昔は1頭丸ごと買えちゃったよ!くらいの値段。
いや、今は21世紀。2008年だよ。インフレでそうなってるんだよ。。ぜぇぜぇあせる

でもあと数日で日本と思い、ちんまりと牛のモモ肉骨なし1kgを購入することにしたわけですが、、、。
ありえないことなんですけれど、3800tg/1kgときいて1kgを所望し、5,000tg札をお渡ししたら、おばちゃん、
「足りない。」とのたまう。
へ?と思ったら、はかりと計算機を「見ろ!」とばかりに押し付けてきた。
はい?1.5kgあるんですけど?
なんか500gあまったところで誰も買わないからお前が引き取れと。

釈然としない思いもありましたが、オーツを買うお金さえ残ればよしとしようと、しぶしぶ要求額を支払う。
この辺、なんとなく、ツァガンサル前の殺気立ち、強気満面のおばちゃんに負けた感じ。市場の値切りバトルで負けたことは最近なかったので、ちょっとへこむ。

卵も高くなってました。
さりすけさんのブログでバナナブレッドのことが書いてあって、無性に食べたくなり、材料としてはバナナと卵が揃えば1時間でできるぞ!と意気込んでいたのですが、モンゴル国産茶色卵Mサイズが1個180tg。5個で900tg。1000tg札でおつりが100tg。高い!卵なんか3ヶ月前150tgで高いって交渉ふっかけてたぞ。反省。

挙句の果てに、バナナが凍ったものが何度か溶けて固まったような液状化バナナしか売っていないので、主役が抜けてしまった。
えーん。

仕方がないので、コケモモブレッドを作りました。

さて、牛肉ですが、家に帰って肉塊を切り分けて、ベランダでフリージングします。筋だらけであることが判明したので、まずは肉から筋をそぎわけることになるのです。こりゃまた筋がね入りだわよ、みたいな感じ。
筋と赤身をわけたら、赤身の部分はちょうど1kg。結果的には必要量になったと。
つーか、500gはすじってちょっとひどくない?
でも、おでんの具では牛筋が好物なので、文句はなし。
気の抜けた白ワインを発見してちょっとショック。
私が去年の10月に購入し、正吉君と飲もうと大事にとっておいたものをダギーちゃんが彼氏と勝手に飲んで、飲み残しを蓋もせずにおいていったのです。どうして、「立つ鳥跡を濁さず」ってできないで、後から後から悪行がばれるのか?モンゴル人だから、とは言いたくないけれど、自分が何軒かでホームステイでお世話になった経験上、ホストファミリーの私物というか自分で買ったもの以外を黙って使うということはしたことがないので、やれやれって思ったわけです。私が酒飲みだったら許しがたいけれど・・・。
でも、この気抜けたワインが意外にも日本酒っぽい感じになっていたので、霜降り部分を薄くそいで、オロシショウガとしょうゆと白ワインに漬け込み料理を一品下ごしらえ。
そして、500gのすじ肉を一口大にきって、これまたワインをどぼどぼとやけっぱちでなべに注ぎ、キャベツと長ネギ、ショウガと共に圧力釜で煮込みました。ぐつぐつと、といっても圧力釜なので1時間くらい煮込んだら、ほろほろ、とろとろのいい感じになりました。

おろしショウガの牛肉はキャベツとタマネギと一緒にいためます。
単純なのですが、肉っぽさがありながら、やわらかーくなっていてグッド。
久々に牛肉をしかもいためて食べたので大満足。

なんだかんだとモンゴル来て、初めての牛肉でした。
蕎麦と麦と一緒に炊いたご飯と牛肉キャベツ炒め、味噌汁でなんだか日本で独り暮らしをしていたときのような満足感が。

両脇に大きいのと小さいのが、鼻先をぐいぐいと押し付けてこなければもっとじっくり味わえたのですが。

でも、犬の親子も久々に生肉、生心臓を牛肉エキス入りスープで味わえて幸せだったことと思います。
これでまずいとか言ったらぶっとばしものなのですが、幸い、犬は言葉がしゃべれないので憎まれ口がきけません。でも、炊飯器のなべ部分を餌入れに使っているのですが、このでっかい器をちゃぶ台の上にどっかとのせて、「おかわり」のアピールをするあたりが、ソートンもパパとなり、犬群のリーダーの自覚が出てきたせいで主張する勇気が出てきた模様。

2:1でけだものに反旗を翻されると困るので、もちろん、ちょっとだけおかわりをあげました。とっておきの牛肉の赤身もほんの少々きれっぱしをおすそ分け。

ヒツジ肉を塩茹でにしたのが一番美味しいと思っていましたが、モンゴルにきてから、ボーズ作りをした日以外、肉といえば、この塩茹でヒツジが骨付きで出るか、小さくなって出てくるかの違いでほぼ毎日だった反動か、ひさびさに歯ごたえぎっちぎちの牛肉に肉の醍醐味を感じました。

明日はすじ肉スープの浮いた脂身を取り除き、スープとすじ肉をわけて、スープでといた赤味噌とワインを使ってあらためて煮込みます。スープの一部はそのまま冷凍保存。
すじ肉の一部は明日、大根を買ってきて、おでんもどきを作ります。うっふん、楽しみです。