二人いると思ってたソガルさんが、実は同一人物だったこと。
そして、事故から瀕死の重体でウランバートルに運び込まれるまで、3日以上もかかったにも関わらず、生き延びていたこと。

いつだって、慎重で「できることは全力でやる。でも無理なことは、はっきり無理だと言うのも自分の仕事だ」ときっぱりしていたソガルさん。

軍人に戻っていたなんて、知らなかった。

そして、モンゴル軍人は、任官の際に、「国家のために忠誠を尽くし、国家の平和を守るために命をかける」ことを宣誓する。

ソガルさんは、厳しい状況の中、命令を受けて、モンゴル国の人々のために、21人の若者たちと一緒に飛び立った。
最後の最後まで全力を尽くしていたことは、事故後のヘリコプターの写真を見てもわかるはず。

低空飛行中に乱気流に巻き込まれたのでは、と推測されているが、まだ最終的な事故報告は発表されていない。

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民間のモンゴル国ポータルサイトOllooを頼りに、今、ヘリ墜落事故を追っている。

ここで書かれていた信じられないこと。

国防大臣つまり、ソガルさん達に、出動命令を下した人物が、ソガルさんが亡くなった事を聞いての、記者団のインタビューに対して出したコメント。

「".Т.Сугар гуай гэмтлээс болж нас бараагvй. Харин сэтгэл санааны дарамтаас болж єєд болсон байх"
 T.ソガルさんは、事故の怪我によって亡くなったのではない。しかし、精神的な圧迫によってそうなったのだろう」( ̄□ ̄;)!!

Ollooの記者はこう書いている。
国防大臣ソノンピルは、(ヘリコプターに乗っていた)人々の中で、ソガルが一番怪我が軽かった。しかし、事故後のインタビューをとろうと詰め寄るマスコミによって精神的に強いストレスがかかり、亡くなったのだ。」とコメントした。

記者の文は続く。
「こうした死亡要因、事故原因についての結論を出すのはまだ早い。モンゴル国には、死亡原因についてを調査、審判する「検死(шvvх эмнэлэг=裁判病院)がある。

事故になると、偉い人たちは、責任逃れにやっきになる。
死人にくちなしなのか?

でも、モンゴル国民、少なくとも、モンゴルのマスコミは、今現在のところ、そんな風に、事故の責任を、チーフパイロットだったソガルさんのせいにしている人は誰もいない。

ソガルさんは、最後の最後まで、できる限りのことをしたのだ。

ヘリコプターは、飛行機と違って、揚力飛行ができない。
ヘリのプロペラ、つまりは主翼にあたるローターが止まってしまったら、あとは墜落しかない。
しかも切りもみ状に落ち、地上に激突するしかないのだ。

でも、事故後のヘリの写真を見て欲しい。
原型をとどめている。爆発していない。
これはなぜか?

それは、墜落直前に、墜落の覚悟をし、燃料タンクを空にし、落ちてからは、全ての電気回路をはずし、爆発から防ぎ、つまり、森林火災を起こさぬようにできる限りの対処をしたということをあらわす。

胸部強打による内臓破裂、肋骨、両腕骨折、鎖骨複雑骨折、脳挫傷、身体の大半がずたずたになりながら、それでも、ヘリを爆発させることなく原型をとどめさせることができ、なおかつ7名は生存している。

死亡した人々の多くは、背骨を骨折した状態でなくなっていたそうだ。

ここで、救助が遅かったために、飲まず食わずで背骨・脊髄をいためたまま2日近く放置されたせいでなくなった、という非難が生まれている。

最後に連絡があった、10:45「セレンゲアイマグ マンダルソムのハローンアラシャーンに着陸する(しようとしている。つまりは未来形)」の地点から、事故現場までは10km余り離れていたという。

つまりは、着陸はするだけして、それから飛んで、事故にあった。
だから、それはパイロットの判断が誤っていた。。。そういいたいんですか?国会議員の皆さん。
表立っては誰もそんな風には言っていないけれど。
事故があってから70時間以上も、国会議員も内閣メンバーもヘリが消息不明になったことを知らなかったというのは本当ですか?

聞けば聞くほど、責任逃れのオンパレードみたいな、事故報告発表が続く国会。

単なる事故後の捜索対応が遅くなったことの言い訳ではないのですか?

再出発の判断が間違っていた、とソガルさんのせいにしようとしているのでしょうか?
もう彼は自分の口で説明することはできないのです。

事故が起きてから、事故現場が発見されるまでの間に、誰か偉い人の誕生日パーティーがあって、内閣メンバーはパーティーに参加して楽しく、友人の誕生日を祝っていたって本当ですか?

これが、英雄に対する、モンゴルを守る軍人の長たる大臣の対応ですか?

ソガルさんと一緒に飛べない哀しさ、悔しさ、思い出がもう追加できないこと、それらによる涙を流すのは、もう終わり。もうこれ以上は泣かない。

だけど、私はこの事故の顛末を目をそむけることなく、耳をふさぐことなく、つぶさに追い続けたい。

本当に、もう二度と、私にモンゴルの素晴らしさを教えてくれた人たちが、ヘリコプターの事故で命を落とさないために、モンゴル国の「偉い」政治をつかさどり、判断を下す人たちがどんな風に話を進めていくのか、それが知りたいのです。

日本でも似たような記者会見がありますよね。
政治家が、総理大臣が、担当閣僚が、自然災害が起きた時、あるいは非常事態が起きた場合に、どこで何をしていて、いつ、対策ととるべく官邸にかけつけたのか、いつ対応が起きたのか・・・

そのたびに、大変だなぁーーーなんて、人事みたいだったけど、今、知りたいのはまさにそういうことだ。

事故が起きてから、「偉い人」たちはどうしていたのか?

ソガルさんの御霊を汚すことなく、きちんと天に送り届けられるのか。

ソガルさん、ベレー帽にラクダのチョッキだった時だったら、あなたはフライトを断れたのでしょうか?
軍人に戻ったから、厳しい条件でも、モンゴル国の一大事に何が何でもかけつけねば、命令に従わなければいけなかったのでしょうか?

ソガルさん、日本人であなたと一緒にモンゴルの空を飛んだ人はいっぱいいても、あなたの名前を、あなたの人柄をホントに知って覚えている人は少ないかもしれない。
だけど、私があなたと一緒に、モンゴルの空を飛んだ日本人には伝えたい。
私が伝えられる限りの日本の人たちに伝えたい。

あなたがどれだけ勇敢で、素晴らしい判断と技術を持ち、そして慎重で、世界中の誰にも負けない優秀なヘリコプターのパイロットだった、ということを。

単なるニュース報道じゃなく、T.ソガルというモンゴルの男の中の男だったあなたが私の大切な人だったことを、伝えたい。

いつも一緒にいなくても、モンゴルの素晴らしさを語る時、忘れることができないエピソードがいっぱいあったこと。

モンゴルの空を、でっかいMi-8のコクピットの中で縮こまりながら、あなたと一緒に、足元に広がる大地を見下ろしたあのときの爽快感を、私は絶対に忘れないし、これからも語り継いでいく。

燃料をしこたま積んでいたあの、馬鹿でかいMi-8を、爆発させず、森林火災の火の元になることなく事故を収めた手腕こそが、あなたが最後の最後まで、空を飛ぶ人としてなすべきことをするという本能のままに生き抜いたことを証明してたってことを、絶対に忘れない。

モンゴルの偉い人が、事情を知らない批評家がどう評価しようと、ソガルさん、あなたの名誉は、私の中では永遠に清廉潔白のまま守り続けます。だから、安らかに眠ってください。

できることなら、またモンゴルの風になって、私の頬をなでてください。