モンゴル国土を覆う森林は国土面積の7%足らず。
その貴重な森林が、乾燥している上に風が吹き荒れ、しかも30℃を超す暑さが続くモンゴル国各地で森林火災で焼失しています。

日本では、パトカー、消防車、救急車など緊急車両は通報を受けてから6分以内に現場にかけつけないと、「対応が遅い!」と非難され、全力を尽くしても、責任者が責められ、記者会見で謝罪しなければいけない、という風景をよくみかけます。

でも、ここモンゴルの広大な大地と連絡網整備が未発達で、道路交通網も不備だらけといった状況では、即座対応が不可能であったりもします。

自分は今、モンゴルの新聞を読めない状況にいたため、つい先程、テレビのニュース速報と中継で知りました。

モンゴル国の豊かな森林と黒土地帯に広がる農地で有名なセレンゲアイマグでおきた森林火災の鎮火のために出動した国家非常事態局要請による消防士・落下傘部隊・約20名が乗ったヘリコプターMi-8が、6月14日10:45A.M.に「セレンゲアイマグ マンダルソムのハローンアラシャーンに着陸する」との連絡を最後に消息を絶ったとのこと。

昨日昼過ぎに、ヘリコプターがセレンゲアイマグ マンダルソムで墜落したものと発表。

ヘリのチーフパイロットは、モンゴルでもNo.1パイロットとして、これまでにも「どんな困難な状況でも彼さえいれば大丈夫」と誉れ高かったソガルさん。59歳。
以前、極寒の猛吹雪のアルタイ山脈で、マッチ箱二つ分しか幅のない岩場に片車輪だけを乗せた状態で、ホバリングしながら、救助活動を成功させた、という伝説すらあります。

しかし、現場へ向かう空路は、飛行当時、悪天候で、国内外の空路は強風悪天候のため一時遅延、中止となっていたそうです。

死亡が確認されているのは、現在14名。
重態のチーフパイロット・ソガル氏を含め、現在重症の8名がウランバートルに緊急移送され、現在集中治療を受けているところです。

ヘリパイロットのソガル、という名前を、モンゴルのニュースポータルサイト オルロー(http://www.olloo.mn)で見つけたときは大パニック。

テレビや映画、コマーシャルなどの空撮でお世話になっているセントラルモンゴリアエアウェイズ(Central Mongolia Airways)に所属していた元モンゴル国境警備隊屈指の名パイロットのソガルさん。

名前と年齢が似ていることもあり、過呼吸と号泣で大パニック。

とりあえず、落ち着け、落ち着け、、、と涙がおさまったところで、会社に確認の電話をかけてみました。
ホームページによると脳挫傷、胸部の強打と肋骨、大たい骨、両腕その他の主な骨を複雑骨折、内臓損傷、重度やけどでの重体とのこと。
それでも、生存者の中に入っているのだから、もし医療費等、何か力になれることがあれば、、、と泣きじゃくりながらマネージャーに連絡。
「うちの会社の人じゃないから。心配してくれてありがとう。」
この一言で腰が抜けそうに安堵。。。


森林火災の鎮火という任務を受けて、危険で困難な状況の中、無理して出動し、犠牲となった14名には、モンゴル政府から遺族に総額1億6千万トゥグルグの賠償金というか遺族補助金が出ることに決定との発表。

さらに市民からの遺族へのお見舞い募金がハーン銀行の国家非常事態局の口座あてで募られています。

生き残った8名の患者の容態とその後の対応についての政府と病院側の発表は2時間ごとに中継されています。

本日のウランバートルも埃っぽい強風とじりじりとした暑さです。

記者会見だと、例によって政府対応で誰の責任か、といった突き上げ質問ばかり。

自身も以前、NHKの記者が乗り込み、定員オーバーと悪天候により墜落した「ゾド(冷害・雪害・大寒波による大きな人的および家畜などの被害)対策チーム」のヘリコプターで当時・国会議員だった夫を失ったトヤー保険大臣の記者会見対応が痛々しい。毅然としてはいるものの、自分に降りかかった突然の悲劇がフラッシュバックしていることでしょう。

これからの季節、草原や森、川原などでの楽しいバーベキュー、ホルホグ、キャンプファイヤー、野営の焚き火など、モンゴルの旅の楽しみ方はいっぱいありますが、くれぐれも、火の始末だけは念には念を入れてください。

そして、14名の命を失った消防チームのメンバーのご冥福と今なお、生死の境をさまよい戦っている8名の生存者の回復を心から祈ります。