今日は、お腹がピーヒャラしていて、いまだ眠れず。

昼間に、何気なく見ていた、モンゴルの若手国会議員のインタビューで、ウランバートル都市問題についての国会議員としての見解を述べているときに出てきた数字。

ほんとかどうかはよくわかりませんが、現在、モンゴル政府は、都市部のゲル地区の住民に集合住宅を供与すべく、「40,000世帯プロジェクト」を力強く推し進めています。
去年、小泉前首相、ブッシュJr.大統領、韓国の偉い人、中国の偉い人、クェートの偉い人、、、など各国政府高官・首脳陣がこぞって、この「40,000世帯プロジェクト」への援助を申し出ているし、モンゴルでもこの建築事業のための国債発行もされているので、近いうちに、このままの勢いが続けば40,000世帯くらいどーんと作れてしまうでしょう。

ゆえに、ウランバートルは建築ラッシュ。
いわゆる不動産バブルが起こっています。

中国からの建築資材輸入関税撤廃とか、ゼネコン系が国会でも幅を利かせるようになり、かつビジネスとしても急速に、不動産業が発展を遂げていることが背景にあると思われます。

2003年、GWの前後ですっかり様相が変貌してしまったウランバートル郊外。
そう、都市部住民、特にゲル地区住民に対しての、土地私有を認める土地法が成立した時のことです。
思えば、あのあたりから、中国人、韓国人、在日韓国・朝鮮人、おそらく日本人が資金源になっての、土地買収がエスカレートし始めたのでした。

竹ひごのように頼りない針金を軸に、冬でも雨でもお構いなしに注ぎ込まれるコンクリート支柱。
厳寒期にコンクリートなんぞ使って、強度が出るのか、素人の私には理解できないのですが、寒冷地向けの工法とか発達してるんでしょうか?

中国製の安い壁材とか、壁紙はるときの接着剤とかで、環境ホルモン撒き散らしになるのではないか?と、たまーにセレブ気分が味わいたくって覗いてみるモデルルームを訪れるとたまにに心配になる。

そんなわけで、モンゴルの不動産というのは、いろいろな説があるようです。

1;古い社会主義時代のアパートの方が頑丈に出来ていて、防寒がよい。
2;古いアパートの方が天井が高く、床が分厚いから騒音が外に漏れない。
3;建築途中の新築アパートを予約購入すると、自分の好みの間仕切り、配管デザインができる。
4;新築の高級アパートはインターネット・ケーブルテレビが完備されていて、高級車用に冬は暖房機能があるガレージがついてくる。
5;中心地の道路沿い1階は、オフィスや飲食業にも利用できるので高い。

などなど。

でも、4・5のような条件が満たされている高級アパートは、1平米当たりが、$550-800くらいです。
投機目的の1.2ルームのものが多く、家族向けではない、という場合も。
古いアパートよりも1部屋のつくりが小ぶりだけど部屋数は多く、生活動線などはわりと使いやすいようです。

ゲル地区に居住している人たちが、もし本当に、12万世帯余りだとすると、1家族が平均4人として、約50万人弱がゲル地区住人、ということになります。

今のところ、ウランバートル市は、人口が80-100万人くらいと推定されているので、実に約半分がゲル地区に暮らしていることになります。

自分も学生時代に、冬を、テレビ局前と7ボーダルにあるゲル地区でゲルで越したことがありますが、大体、一冬、約6ヶ月(10月から4月くらいまで)の間に、石炭を3トントラック(ZIL30=通称ゴチ)1.5台分くらい使いました。それ以外に薪も丸太でどーんと購入していました。
今よりも昔のほうが冷え込みはきつかったけれど、周りもそれほど密集していなかったので、煙にいぶされている、という感じはありませんでした。

でも、もしこういったペースで石炭を各世帯が使っているならば、一冬で、4.5トンx12万世帯=54万トンの石炭が消費されることになります。
モンゴル国産の石炭は、それほど燃焼効率がよくないので、粉塵もかなり出ます。

昔よりも石炭が高価になっている上に、ゲル地区の人たちの収入は物価の高騰と平行してあがってはいないから、それなりに節約して使っていると考えても、まぁ、50万トンくらいの石炭の煙がぺっぺけと吐き出されることになります。

社会主義時代は、国民総公務員状態、遊牧民から狩人、漁師にいたるまで、皆さん国家のサラリーマンでした。そして、勤続年数とか国家への貢献度が高いとか、なんかすごい成果を上げた、といった人たちには、ご褒美として、アパートが支給されていました。

ゲル地区は、いわゆるアパート支給の順番待ちの人であふれかえっていたのです。

1993年に、テレビ朝日のニュースステーションで、「市場経済導入後の経済格差が広がるウランバートル」といったテーマで取材したときのこと。

市役所の担当者の話だと、ウランバートル住民の約6割がゲル地区にいる、とのことでした。

1996年のゾド、旱魃、草原・森林火災などで家畜被害が大きく、遊牧経営が成り立たなくなって都市に流入してきた人たちがいて、さらに1999年から2002年まで連続して起きた、旱魃・大寒波・大雪の繰り返しで、特定地域の遊牧民が致命的なダメージを受けて、都会に流入。。。

そうした混乱の収拾がつかないまま行われたのが2004年の総選挙。
ゆえに、誰がどこにいるのか、住民登録が定かではなく、混乱したのでした。

2004年度の統計によると、大体80万人くらいがウランバートルの人口となっているけれど、絶対もっとたくさんいると思います。

だとすると、アパートがたくさん建って、ゲル地区を抜け出してかなりの数の人たちがアパートに入居できたのだとしても、都市人口の割合からすると、10年前と現在とでは、ほとんど内訳は変わっていない感じです。

富裕層は、投機目的、外国人などに賃貸しする家賃収入目的などで、いくつものアパートを所有しています。
だから、実際には、ゲル地区の人対象のアパートは、かなりウランバートル中心から外れたところに作られることになりそう・・・なんですが、わりと市内ど真ん中のわずかな空き地にも、むりやり基礎を打ち、アパート建設しています。

政権交代のたびに国会の話題に出る、首都移転計画はどうなってるんでしょうね?

実際、水資源問題は、1994年くらいからスタートした、日本政府などの援助計画での調査で既に、1996年ごろには圧倒的な水不足が指摘されていたのに、ほとんど改善されぬまま、どんどこアパートが建てられています。

お隣にソートンの彼女が暮らす、高級アパートが建ってから、わがオンボロアパートでは、断水が日常茶飯事になっています。

机上の計画を立てるときに、個別に立てて、雨後の竹の子状態でアパート建設をやってるから、実際の消費量とかダメージが起きる想定、シミュレーションなどはないのかしら?

きれいに見える立派なアパートに、引っ越したい気持ちになることもあるのですが、建築途中の作業工程を、日々、ソートンの散歩中に眺めていると、やっぱり怖いです。

お隣の高級アパートも、「ロシア人が作った」という触れ込みだったそうですが、私が見ていた2年間では、ロシア人なんか一人もいなかったし、ほとんどが中国語でのやり取り=中国からの出稼ぎ労働者でした。

日本でも耐震強度の問題・アパグループの手抜き工事問題などで大騒ぎですが、建物ばかりは、中をあけて確認してから購入する、というわけにもいかないから、ほんと、どうしたもんですかね。

ゲル地区の人たちが購入できる価格帯のアパートにする、となると、やっぱりどこかでコスト節約をしないことには現在の建築資材や土地代、建築許可手続きにかかる費用などの相場を考えると、絶対無理な気がします。

ただ同然で、「さぁ入居してください」と無償で供給、となったら、長年、必死で汗水たらして出稼ぎしてやっとの思いでささやかなアパートを買った人たちが暴れそうだし・・・

不動産業が急成長中ですし、不動産仲介業もまだまだバブルははじけなさそう・・・とは言われているけれど、本来の価値や自分のニーズに対する満足度などを考えたとき、自分で投資したい物件はないです。

昨日の上海株式市場の大暴落からの連鎖反応で、ニューヨーク市場、ロンドン市場、ぐるりと回って日本市場、だだだーっと世界一周して、再び上海まで、、、と混乱しているように、いつの世でも「おごれるものは久しからず。盛者必衰のことわりをあらわす」という気がします。

株にせよ、お金にせよ、結局、世の中の信用によって取引される相対的な価値観でしかないから、あんまり移ろいやすい価値観に振り回されることなく、ほんとにほしいものを見極めないといけませんね。

となると、、、今、建てられているアパートは、ゲル地区に住んでいる人たちのニーズを反映して作られているのかしら?

怪しげな工法で極寒の中でも続けられる突貫工事でできた高層ビルよりも、むしろ自分たちで建てた地に足がついている、耐震構造ばっちりなゲル地区の建物の方がよい気もします。(場所をとる、というのがまた問題なのでしょうね。土地成金を目指している人たちにとっては)

やれやれ、ウランバートルのこの肥大化の彼方には何が待っているのか、、、。

考えると憂鬱になります。