モンゴルで旅行コーディネートしているって日本に帰っているときに言うと、よく言われるのが
「モンゴルは夏の3ヶ月しかシーズンないから、大変ですね」ってこと。
確かに、モンゴル=草原=夏ってイメージだし、ツーリストキャンプのほとんどは5月下旬頃にゲルを建ててオープン、9月半ばにゲルをたたんでクローズドって感じ。
でも、それは、モンゴル人の「旅行」のイメージが希薄だからだと思うんです。
開高健さんと高橋昇(本当の名前の字と違うんですが)さんのコラボレーションによる名作「オーパ!」シリーズでモンゴルに初めて出会ってから、大学でモンゴル語を専攻し、大学2年後半からは通訳とかでモンゴルにどっぷりつかり・・・
1990年の夏からモンゴル通い、居住など行ったり来たりしつつ、自分のパスポートの束を見てみると、圧倒的に冬の滞在が長い!
なぜならば・・・理由は簡単だ。航空チケット代が安いから。
夏のハイシーズンの半額。場合によっちゃあ、半額以下なんてことも。
社会主義制度のなかで、ツーリズムが確立したモンゴルの旅行業者さんはやっぱり、かつての団体旅行・パックツアーのイメージから脱却できていない。
モンゴル人は口承文芸を未だに残している民族だからか、文書の読み書きは苦手でも、会話に関してはものすごーい才能がある人たち。
だから、日本語を話せるモンゴル人はたくさんいるし、日本語を学ぶ人の人口もかなり増えている。
でも、でも・・・ガイドさんっていうことになると、びっくりするくらい「モンゴルを知らない!」「ウランバートル以外の地方に行ったことがない」「地方の遊牧民と交流したことがない!」のです。
そのくせ、外国語が話せるっていうだけで、妙にプライドが高く、遊牧民を馬鹿にしている。さらに、さらに、草原で生きる知恵を持たないモンゴル人が増えていてびっくりです。
モンゴルは国土面積が日本の約4倍。21県あり、地域差も気候や地理的条件、歴史的背景、民族アイデンティティなどのバラエティもそれなりにある国です。
草原に行けば、遊牧民と暮らせば、狩人と森を歩けば、その度に新しい「気づき」があります。
なのに、モンゴル人のガイドさんって、そういう「気づき」が素敵なことに「気づかない」人が多すぎ。今年の夏は、弊社もお客さんが結構多くって、自社スタッフだけでは追いつかず、外部の「自称・ツアーガイド」を動員したのですが、「自分の言葉・自分の経験に基づく知識」や「地元の言葉の素敵さ」を生かせない人が多いのに閉口しました。それなりに日本からのお客様は満足してくださるけれど(モンゴルって素材そのものがやっぱり野性を呼び起こしてくれるから、言葉はそんなに大事じゃないって思います)、モンゴルの素顔の魅力をもっともっと突っ込んで紹介したいって会社を始めた私にとってはフラストレーションでした。
モンゴルの魅力・・・それは、夏なのはそうなんだけれど、これから始まる長い、「長い冬」があっての「夏」なんです。
ってことを、旅の途中で私は語るから、うちのお客様の6割方は、冬にまたいらっしゃいます。つわものは、年に3回って人も!(ありがたいことです。)
私が大好きな「冬の始まり」。
雪が降る前の空気の匂いや雲の様子を自分の目で100km先を見つめて「感じる」こと。日本では絶対できないでしょ?
そして、厳寒-30度でも元気に走り回り、雪の上で野宿をすることも厭わない馬飼いや狩人の男達がいて、その男達を支える女達がいる。家族のありがたさと人間の強さ。モンゴル人にとっては、当たり前な日常に、外国人の私は色んなことを気づき、感動している。「当たり前」って思わずに自分の人生や家族について考える。
歴史や文化、自然についての丸覚えの知識しかない人には伝えられない、魅力。
モンゴル人のガイドさんには、「感動」を楽しむって感覚が足りない気がします。
サービスって、「こうすればいい」ってクリアポイントってないと思います。
大体、街のモンゴル人は「冬が苦手」なんだと思います。あんまり外を出歩かないし、本人たちが「辛い」って思っているから、わざわざ旅行に来るなんてって思っちゃうんだろうな。
団体旅行・パックツアーじゃ出会うことのない、モンゴルの魅力・人生の大事な体験。
日本人だけじゃなく、欧米からのお客様にも、ディープにモンゴルを体験したいってニーズが高まっている、そんな気運をひしひしと感じながら、私は今日も草原に出るのです。冬営地に移動した馬飼い牧民一家に会いに行きます。
だだっぴろい草原で似たようなゲルに住む人たち。出会う人に道を聞きながら進むのも、日常の「小さな旅」で私は大好き。目当ての人たちにたどりつけないこともあるけれど、その代わり、新しい出会いが必ずあります。
夏に比べてお客様が少ないのは、事実だけれど、これから、少しずつ、「冬のモンゴル」を自分のモンゴル旅暮らしを通じて紹介していきたいです。
「モンゴルは夏の3ヶ月しかシーズンないから、大変ですね」ってこと。
確かに、モンゴル=草原=夏ってイメージだし、ツーリストキャンプのほとんどは5月下旬頃にゲルを建ててオープン、9月半ばにゲルをたたんでクローズドって感じ。
でも、それは、モンゴル人の「旅行」のイメージが希薄だからだと思うんです。
開高健さんと高橋昇(本当の名前の字と違うんですが)さんのコラボレーションによる名作「オーパ!」シリーズでモンゴルに初めて出会ってから、大学でモンゴル語を専攻し、大学2年後半からは通訳とかでモンゴルにどっぷりつかり・・・
1990年の夏からモンゴル通い、居住など行ったり来たりしつつ、自分のパスポートの束を見てみると、圧倒的に冬の滞在が長い!
なぜならば・・・理由は簡単だ。航空チケット代が安いから。
夏のハイシーズンの半額。場合によっちゃあ、半額以下なんてことも。
社会主義制度のなかで、ツーリズムが確立したモンゴルの旅行業者さんはやっぱり、かつての団体旅行・パックツアーのイメージから脱却できていない。
モンゴル人は口承文芸を未だに残している民族だからか、文書の読み書きは苦手でも、会話に関してはものすごーい才能がある人たち。
だから、日本語を話せるモンゴル人はたくさんいるし、日本語を学ぶ人の人口もかなり増えている。
でも、でも・・・ガイドさんっていうことになると、びっくりするくらい「モンゴルを知らない!」「ウランバートル以外の地方に行ったことがない」「地方の遊牧民と交流したことがない!」のです。
そのくせ、外国語が話せるっていうだけで、妙にプライドが高く、遊牧民を馬鹿にしている。さらに、さらに、草原で生きる知恵を持たないモンゴル人が増えていてびっくりです。
モンゴルは国土面積が日本の約4倍。21県あり、地域差も気候や地理的条件、歴史的背景、民族アイデンティティなどのバラエティもそれなりにある国です。
草原に行けば、遊牧民と暮らせば、狩人と森を歩けば、その度に新しい「気づき」があります。
なのに、モンゴル人のガイドさんって、そういう「気づき」が素敵なことに「気づかない」人が多すぎ。今年の夏は、弊社もお客さんが結構多くって、自社スタッフだけでは追いつかず、外部の「自称・ツアーガイド」を動員したのですが、「自分の言葉・自分の経験に基づく知識」や「地元の言葉の素敵さ」を生かせない人が多いのに閉口しました。それなりに日本からのお客様は満足してくださるけれど(モンゴルって素材そのものがやっぱり野性を呼び起こしてくれるから、言葉はそんなに大事じゃないって思います)、モンゴルの素顔の魅力をもっともっと突っ込んで紹介したいって会社を始めた私にとってはフラストレーションでした。
モンゴルの魅力・・・それは、夏なのはそうなんだけれど、これから始まる長い、「長い冬」があっての「夏」なんです。
ってことを、旅の途中で私は語るから、うちのお客様の6割方は、冬にまたいらっしゃいます。つわものは、年に3回って人も!(ありがたいことです。)
私が大好きな「冬の始まり」。
雪が降る前の空気の匂いや雲の様子を自分の目で100km先を見つめて「感じる」こと。日本では絶対できないでしょ?
そして、厳寒-30度でも元気に走り回り、雪の上で野宿をすることも厭わない馬飼いや狩人の男達がいて、その男達を支える女達がいる。家族のありがたさと人間の強さ。モンゴル人にとっては、当たり前な日常に、外国人の私は色んなことを気づき、感動している。「当たり前」って思わずに自分の人生や家族について考える。
歴史や文化、自然についての丸覚えの知識しかない人には伝えられない、魅力。
モンゴル人のガイドさんには、「感動」を楽しむって感覚が足りない気がします。
サービスって、「こうすればいい」ってクリアポイントってないと思います。
大体、街のモンゴル人は「冬が苦手」なんだと思います。あんまり外を出歩かないし、本人たちが「辛い」って思っているから、わざわざ旅行に来るなんてって思っちゃうんだろうな。
団体旅行・パックツアーじゃ出会うことのない、モンゴルの魅力・人生の大事な体験。
日本人だけじゃなく、欧米からのお客様にも、ディープにモンゴルを体験したいってニーズが高まっている、そんな気運をひしひしと感じながら、私は今日も草原に出るのです。冬営地に移動した馬飼い牧民一家に会いに行きます。
だだっぴろい草原で似たようなゲルに住む人たち。出会う人に道を聞きながら進むのも、日常の「小さな旅」で私は大好き。目当ての人たちにたどりつけないこともあるけれど、その代わり、新しい出会いが必ずあります。
夏に比べてお客様が少ないのは、事実だけれど、これから、少しずつ、「冬のモンゴル」を自分のモンゴル旅暮らしを通じて紹介していきたいです。