Windows 11ユーザーに「Edge」を押し付けるな! 「EdgeDeflector」の作者が警鐘

「Edge」へ戻すよう促すのは熱心なのに、「Edge」から変えるときは不親切

 

2021/11/22 

 

 

 

 Windows 10/11で既定のWebブラウザーを「Microsoft Edge」以外に設定しても、OSの検索機能や「ニュースと関心事項」(Windows 10)、「ウィジェット」(Windows 11)のリンクは「Edge」で開かれてしまいます。これらのリンクは「http://」や「https://」ではなく「microsoft-edge://」というプロトコルになっており、「Edge」で開くように指定されているからです。つまり、完全な脱「Edge」はちょっと難しいというわけ。

 

 これを解決するのが以前にも紹介した「EdgeDeflector」というツールなのですが、その作者であるDaniel Aleksandersen氏が、「Windows Insider Preview」でこっそり行われたある修正に対し警鐘を鳴らしています。

 

 「EdgeDeflector」は、簡単に言うと「microsoft-edge://」などのプロトコルに関連付けられるアプリを「Edge」からシステム既定のWebブラウザーに変更できるツールです。たとえば「Google Chrome」を既定にしていれば、「microsoft-edge://」リンクを開くアプリを「Edge」から「Chrome」にリダイレクト(転送)してくれるというわけ。

 

 しかし、氏によるとプレビュー版「Windows 11」(Dev)のBuild 22483とBuild 22494の間で、この機能がつぶされてしまったとのこと。編集部でも試してみましたが、確かにDev版「Windows 11」では「microsoft-edge://」プロトコルの既定アプリとして「EdgeDeflector」がリストアップされなくなっていました。氏は「Firefox」や「Opera」に「EdgeDeflector」に似た機能を実装する動きがあり、Microsoftはそれを警戒しているのではないかとしていますが、確証はありません。

 

 また、Windows 11には他にも「Edge」を押し付ける変更がいくつか加えられていると指摘しています。

 Windows 10の「設定」アプリの[既定のアプリ]セクションには「メール」や「マップ」といった主要なシナリオでサードパーティ製アプリを既定にするためのUIが設けられており、既定のWebブラウザーも簡単に変更できます――余計なメッセージは出てきますが。

 

 しかし、Windows 11ではこのUIが削除されています。プロトコル(http://、https://など)やファイルタイプ(.htmlなど)ごとに既定のWebブラウザーを設定する必要があり、大変厄介です。Windows 10よりも検索インターフェイスが使いやすくなっているのはよい点ですが、わかりやすいとは言えないですね。

 

 「http://」や「https://」プロトコルを扱えるWebブラウザーが新規にインストールされた場合、次にWebへアクセスしたときに既定のアプリを選択するUIが現れるので、これを利用すれば上記の手順は必要ないのですが、機能の後退であることは確かです。Microsoftの「推奨設定」へ変更するよう促すUIはいくつか設けられており、ことあるごとに案内されることを思えば、フェアではありません。

 

 幸い、この仕様はまだプレビューの段階であり、製品版に導入されるのはまだ先のことです。もしこの仕様を不満に思うならば、「フィードバック Hub」に意見を投稿してもよいでしょう。新規にフィードバックを作成して送るのが面倒な場合は、類似のフィードバックに賛成票を投じるだけでもよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

Microsoft、2022年のセキュリティ更新プログラムのリリーススケジュールを発表

来年も米国太平洋標準時間の毎月第2火曜日に定期リリース

 

2021/11/22 

 

 

 米Microsoftは11月21日(現地時間)、2022年のセキュリティ更新プログラムの公開予定日を発表した。

 同社はIT管理者やユーザーが計画的にシステムを更新できるよう、自社製品のセキュリティ更新プログラムを米国太平洋標準時間の毎月第2火曜日に定期リリースしている(いわゆるパッチチューズデー、Bリリース)。日本では時差の関係上、その翌日となる。

 リリース日はあくまでも米国時間が基準となっており、6月は日本のカレンダーでは第2水曜日ではなく、第3水曜日に公開されるので注意したい。

 

リリース年月 公開日(日本時間) 公開日(米国時間)
2022年1月 1月12日 1月11日
2022年2月 2月9日 2月8日
2022年3月 3月9日 3月8日
2022年4月 4月13日 4月12日
2022年5月 5月11日 5月10日
2022年6月 6月14日(※) 6月14日
2022年7月 7月13日 7月12 日
2022年8月 8月10日 8月9日
2022年9月 9月14日 9月13日
2022年10月 10月12日 10月11日
2022年11月 11月9日 11月8日
2022年12月 12月14日 12月13日

 


※公式ブログでは日本での公開日が14日になっているが、15日の誤りだと思われる。

 

 これに加え、緊急を要する場合は定例外のパッチ(OOBリリース)が提供されることもある。

 セキュリティ更新プログラムには、すでに攻撃方法が公開されていたり、実際に攻撃に悪用されている脆弱性への対策が含まれていることもある。公開されたら速やかに適用したい。